KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の伍百拾弐・・・竿竹屋

もわ〜

小林 「夏の熱が
 襲い掛かってくるようやな」
北小岩 「くらくらいたしますね」

「たけや〜、さおだけ〜!」

小林 「猛暑の最中に元気やな。
 昔はよく来ていたが、珍しいな」
北小岩 「そうでございますね。
 んっ?
 竿竹屋さんといえば、
 小さな車の荷台に何本も
 竿をのせていたと思うのですが、
 竿がまったくのってませんね」
小林 「そやな」
北小岩 「どことなく怪しい気がいたします」
小林 「ついていってみるか」

エロ本の品評会がない日には、
朝から晩まで何もすることがない二人は、
軽自動車の後を追った。
車一台がやっと通れる路地を曲がった時、
アパートの一階からなさけない声が放たれた。

「竿竹屋さん! 頼む!!」

竿竹屋は七つ道具でも入っていそうな
小さな箱を持ち、アパートに入っていった。

小林 「どういうこっちゃ?」

先生と弟子は薄っぺらいドアに耳をつける。

男A 「コトの途中で
 元気がなくなってしまって」
竿竹屋 「それは災難でしたね」
男A 「彼女は怒って
 シャワーを浴びてるんだけど、
 出てきた時には何とか
 復活をはたしていたくて」
竿竹屋 「わかりました」

細工を始めたようだ。透視してみよう。
男の縮んだポコチンを極限まで伸ばし、
竿に竹を取り付けたのだ。

竿竹屋 「どこまでもつかわかりませんが、
 体裁はととのえました」
男A 「ありがとうございます」


男Aは安くないお代を払ったようだ。

「たけや〜、さおだけ〜!」

再び車を走らせると、
間髪を入れずに声がかかった。

男B 「頼むよ。
 イカ臭いって言われて、
 困ってるんだよ」

竿竹屋は、アパートの別の部屋に入っていく。

竿竹屋 「今、竹を焼きますからね」

どうやら、燃やして炭になったものを
ちんちんにつけて、臭いを消すらしい。

男B 「あちい!」
竿竹屋 「まだ冷めてませんよ。
 焦りすぎると
 ちんちんが焼きタラコに
 なりますよ」

小林 「なあ北小岩、
 竿竹屋は儲かるんかな」
北小岩 「わたくしたちよりは、
 裕福そうでございますね」

なんとか竿業界に潜り込めないか、
画策する二人であった。

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2014-07-27-SUN

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