KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の四百八拾壱・・・当たり屋

69メートル先から、何の緊張感もなく、
くだらない雰囲気を漂わせた二人が歩いてくる。
派出所に近づくと。
小林 「よう」
北小岩 「いつもご苦労さまでございます」
警官 「あっ、
 先生と北小岩さんじゃないですか」
小林 「元気にやっとったか」
警官 「はい。
 去年のクリスマスに、
 派出所の
 『町のみなさまからの意見箱』に
 貴重なエロ本を入れていただき、
 ありがとうございました」
小林 「ばれとったか」
警官 「当たり前ですよ。
 そんなことする人、
 先生以外にいないじゃないですか」
小林 「いつも町の方々が
 お世話になっているんやから
 当然や」
警官 「それにしても、
 私も以前違法なエロ本の
 取り締まりをしていたことが
 あるのですが、
 あそこまでエゲツない逸品は
 初めてですね。さすがです」
小林 「そこまで褒められると、
 俺もこそばゆいわな」
小林&
北小岩
&警官
「あはははははは」

先生もゆるんだ褌のような存在なのだが、
この町は警察官もゆるゆるなのである。

警官 「ところで先生、
 近頃町の人々に悪さをしている
 当たり屋をご存知ですか」
小林 「噂には聞いとるな」
北小岩 「当たり屋というのは、
 わざと交通事故を起こして
 お金をとろうとする人のことですか」
小林 「それが、ちょっとタイプが違うんや」
警官 「もし見つけましたら、
 お知らせくださいね」
小林 「そうするわ」
北小岩 「わたくし、
 まったく知りませんでした。
 なにやら物騒でございますね」

「危ない!」

北小岩 「あっ、ビル工事の方が
 三階から金槌を落としました!」

ザザーッ

キーン!

「うう。痛ってえ!
 確実に金玉がつぶれたな。
 損害賠償1000金玉万円だ!!」

ビル工事
の方
「そんな〜、
 あなたわざと落下点に
 すべりこんだでしょう!」

「お前、人の金玉つぶした上に、
 責任逃れするのか!」

ビル工事
の方
「・・・」

ポーン!

「そっちにボールがいったから気を付けて!」

ザザーッ

キーン!

「うう。痛ってえ!
 確実に金玉がつぶれたな。
 損害賠償2000金玉万円だ!!」
ママさん
バレーの
「そんな〜、
 あなたわざと落下点に
 すべりこんだでしょう!」

「お前、人の金玉つぶした上に、
 責任逃れするのか!」

ママさん
バレーの
「・・・」
小林 「北小岩、呼んでこいや」
北小岩 「はい」

すぐにエロ本好きの警官が駆けつけた。

警官 「やっと見つけたな。
 逮捕だ!」

警官は当たり屋に飛びかかると、
ズボンとパンツを同時に下げ、
二つの金玉に手錠(金錠)をかけた。

警官 「先生、北小岩さん。
 ついにやりました!
 ありがとうございます!!」
小林 「うむ」


先生の的確な判断により、
無事当たり屋はお縄となった。
あなたの町にも、故意に金玉に何かを当てて
高額な慰謝料をとろうとする不届き者が
現れるかもしれません。
ご注意ください。

小林秀雄さんへの激励や感想などは、
メールの表題に「小林秀雄さんへ」と書いて
postman@1101.comに送ってください。

2013-12-22-SUN

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