KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の四百伍拾四・・・アルコール

小林 「ほのかにいい香りがせんか」
北小岩 「そうでございますね」
小林 「酔いの世界に誘われそうやな」
北小岩 「町の御隠居さんが、
 梅酒の壺を持って
 立っております」
町の
御隠居
さん
「どうだね、
 先生と北小岩さんも一杯」
北小岩 「ありがとうございます」

はたから見るとしょ〜もない師弟なのであるが、
人畜無害と目されているせいか、
やさしくしてくれる町の人たちは意外に多いのだ。

小林 「しみるな」
北小岩 「そうでございますね。
 あっ、まずいでございます。
 あちらから、町一番の屁が臭い男、
 臭屁嗅瓦斯(くさっぺかがす)さんが
 やってまいります」

臭屁氏は速度を上げて近づいてきたため、
二人は逃げることができない。

ぶふぉ〜〜〜ん!

北小岩 「うげ〜〜〜!」
小林 「もはやこれまでか!」
北小岩 「?」
小林 「へんやな」
北小岩 「そうでございますね」
小林 「確かに臭い。
 ただ、臭いだけやない」
北小岩 「わたくしたち、
 梅酒で気分が
 よくなっているのでございますが、
 拍車をかけて心地よい酔いが
 深まってくる気がいたします」

「気づいたかね、諸君!」

小林 「誰や、お前は」

「僕はね、いろいろなものにアルコールを入れて、
 日本をほろ酔いにしている
 『アルコールマン』だよ。
 彼の屁にも、アルコールを混ぜて、
 いい感じにしておいたのさ」

北小岩 「そうでございましたか。
 確かに今までですと
 屁臭さんの屁をたしなむと、
 卒倒せざるを得ませんでした」
小林 「しかし、
 今は程よく身体が火照っとるな」
アルコー
ルマン
「そうでしょ。
 屁にアルコールを含ませるだけで、
 時代が変わるんですよ。
 確かボブ・ディランも、
 時代は変わると歌っていましたね」

意味が分からないし、そもそもディランは
屁で時代が変わるなどとは歌っていない。

小林 「むっ!
 向こうから小股の割れあがった
 いい女が来るで」
北小岩 「頬が赤らんでいます。
 少し酔っているようで
 ございますね。
 大丈夫ですか」

小股の
割れ
あがった
いい女

「彼氏のたまたまを
 なめなめしていたら、
 酔っぱらっちゃって」
北小岩 「何があったので
 ございましょうか」
小林 「貴様の仕業か?」
アルコー
ルマン
「僕がアルコールを
 塗っておいたんだよ。
 いうなれば、
 ウイスキーボンボンみたいな
 ものかな」


ややもするとカタいといわれがちな日本人。
巷間では、
カタいのはあそこだけで十分との意見もある。
様々なものにアルコールを含有させることで
ほろ酔い気分にし、
人々の心をやわらげるアルコールマン。
このような男が、これからの日本の鍵を
握っている気がしないでもないが、
大多数の人は賛同しないであろう。

小林秀雄さんへの激励や感想などは、
メールの表題に「小林秀雄さんへ」と書いて
postman@1101.comに送ってください。

2013-06-16-SUN

BACK
戻る