KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の四百弐拾四・・・掘る

トトトトトトト

「門の外を何かが通りました」

ワン ワンワンワン

「どうやら子犬でございますね」

トトトト ちょこん

「わたくしのそばに来て、座りました」

ワン

「かわゆいでございます」

フリフリ

「こんなわたくしにも、
 尻尾を振って下さるのですね」

子犬が自分に好意を寄せただけで、
大粒の涙をこぼしたのは、
弟子の北小岩くんであった。

トトトト ワンワンワンワン
北小岩 「おや?
 地面に向かって吠えております。
 まさかここ掘れワンワンでは
 ございませんね」

ザッザッザッザッ ワンワンワン

北小岩 「間違いございません!
 大判小判がざっくざくでございます」

ガタガタ

小林 「戻ったで〜」
北小岩 「あっ、先生。
 そちらの方は?」
小林 「考古学者やな。
 なんでも、うちの庭に
 とてつもなく価値が高いものが
 埋まっとるらしい」
北小岩 「そうでございますか。
 実はこの子犬さまも、
 それに気づいておられるようで
 ございます」
小林 「ともかく、
 金目のものが出たら俺がもらい、
 考古学的に価値のあるものが出たら
 こいつにやることにしたんや」
考古学者 「では掘りますね」

・・・それから数時間後

考古学者 「むっ、これはもしかすると、
 古代人女性が身に着けていた
 下着のようなものかもしれません!」
小林 「なに!
 よこさんかい!!」

女性の下着と聞いただけで無用な興奮をした先生が、
匂いを嗅ぎだした。

北小岩 「先生、その布のようなものには、
 トメとマジックで書かれております。
 五軒先に住んでいる、
 トメばあさんの下着ではないでしょうか」
小林 「うげ〜〜〜!」

ザクザクザク

考古学者 「こっ、これは。
 古代人のちんちんの
 化石かもしれません!」
小林 「そんなものはいらん。捨てとけ」

ビュン

小林 「うっ!」

どうしたことであろうか、
古代人のちんちんの化石がいきなり動き、
先生のズボンの裾から闖入。
パンツの中にもぐりこみ、
イチモツの横にくっついた。

考古学者 「そうか。
 このちんちんは、
 満足することなく生を終えたものだな。
 現代で、何とかいい思いをしようと
 してるんだ」

先生がもぎ取ろうとするのだが、無駄だった。
1本でも、使うことがないモノが2本になる。
世の中に、これほど無駄なモノはないであろう。

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2012-11-18-SUN

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