KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の四百拾壱・・・神経衰弱

ぴーひゃらら ぴーひゃらら

北小岩 「夏祭りが始まりました」

ぐぉ〜ぐぉ〜

北小岩 「せっかくの夏でありますが、
 先生とわたくしの所持金は、
 相変わらず各自2円ずつですので、
 計4円しかございません。
 したがいまして、
 遠くに出かけて
 バカンスを楽しもうと思いましても、
 それはかないません」

ぐぉ〜ぐぉ〜ぐぉ〜ぐぉ〜

北小岩 「せめてお祭りを
 満喫しようと思うのですが、
 先生は深い眠りの中です。
 こうなると起こすのは
 至難でございます」

ガラッ

北小岩 「どなたですか」

「夏祭りを主催する、
 夏毛歯見男(なつげはみお)と
 申します」

北小岩 「何か御用ですか」
夏毛
歯見男
「実は先生と弟子であるあなたに、
 出場してもらいたいものがあります。
 『神経衰弱』です」
北小岩 「そうでございますか。
 では、先生を起こしてみますね。
 先生!」

ぐぉ〜

北小岩 「だめでございますか。では」

ひゅ〜ひゅ〜

先生の股間をエロ本で扇いでみると。

小林 「う〜、なんや。
 股間に一陣のセクシーな風が
 吹きぬけた気がしたが」
北小岩 「先生、
 夏祭りの『神経衰弱』への
 参加依頼がきておりますが」
小林 「そんなもんに誰が出るか。
 まだ寝途中や」

再び夢の中へ舞い戻ってしまった。

北小岩 「仕方ないですね」

ガタガタッ

弟子は雨戸をはずし、そこへ先生を乗せた。

北小岩 「申し訳ございません。
 わたくしが前を持ちますから、
 あなたさまは後ろを
 持っていただけますか」

わっせわっせと運ばれ、
破廉恥先生も無事祭り会場に到着した。

小林 「ここはどこや?」
北小岩 「会場でございます。
 『神経衰弱』が始まりますから、
 すぐに起きてください」
小林 「あほぬかせ。
 誰がそんなものに出るか」
北小岩 「『神経衰弱』と申しましても、
 そんじょそこらの神経衰弱では
 ございません。
 大きなトランプを持った
 セクシー美女たちがブースに入って、
 ふたをされております。
 2枚の同じ数字を当てると、
 二人の美女に
 お相手していただけるのです」

弟子の解説が終わる前に、先生は覚醒し、
挑戦者が待機する塔に登っていた。

夏毛
歯見男
「では始めます。
 そこの日に焼けた
 背の高いイケメンの方から
 いきましょうか」
イケメン 「左の上から三番目と、
 真ん中のど真ん中」
夏毛
歯見男
「おめでとうございます。
 ハートのエースと
 ダイヤのエースです。
 二人の美女をお持ち帰りです!」

美女たちも、男のイケメンぶりに
目をトロンとさせながら、
腕を組んで夜の街へ消えていった。

小林 「次は俺の番やな。
 一番右に真ん中の一番上」
夏毛
歯見男
「順番無視ですね。
 しょうがない、開けてください。
 大ハズレです。
 では、『チン経衰弱開始』!」

先生の身体がロープでつられ、
台から突き落とされた。
振り子のようにぶら〜んぶら〜んとするのだが、
その先には猛毒を持った生き物たちの
ブースがあり、トランプがセットされている。
生き物の眼前に
ちんちんが到着するように揺れる。
神経衰弱の要領ですべてをクリアするまで、
責め苦は続くのである。
 
あまりの恐ろしさに、
先生のイチモツは再起不能なほど衰弱した。
いいお祭りでした。

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2012-08-19-SUN

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