KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の参百九拾弐・・・微生物

ピンピン

何かが張りつめた音がする。
どこが張りつめているのかと言えば。

北小岩 「ちんちんではございません。
 わたくしが胸を
 張っているのでございます。
 近頃、己が思っているほど
 小さな存在ではない気がするのです」

何に対して返答しているのかはわからないが、
ジャストな答えが返ってきた。

北小岩 「エヘン!
 もしかすると、意外に大物かも」

その時だった。

「電報です!」

北小岩 「ありがとうございます。
 先生が懸賞に応募していた
 『凄くエッチな小箱』が
 当たったのかもしれませんね」

そんなことで電報が届くとは、
到底思えないのであるが・・・。

北小岩 「えっと。むっ!」

そこには辛辣な文面が。

『北小岩、お前は自分で自分の事を
 大きな人間になったと言ってるが、
 お前がスケールの小さい男だという事は、
 自分が一番よくわかっているだろう。
 イキがるんじゃねえよ』

北小岩 「うっ」

虚勢を張ってはいるが、
実は弟子は自分にまったく自信がないのである。
両の目から熱いものがこぼれた。

「お前、何うなだれとるんや。
 みすぼらしい男が、
 どん底までみすぼらしく見えるやないか」

北小岩 「先生。わたくし、
 自分がとっても小さな存在であることを、
 見透かされてしまったのです」
小林 「そうか。
 だがな、お前より小さなヤツなんて、
 世の中にいくらでもおるわ。
 俺の友人の愛人の友人に、
 その研究者がおる。行ってみよか」

いつになくやさしい師であった。

小林 「とんとん、入ってますか」

「入ってますよ」

符丁であろうか。
中から白衣を着た男が現れた。

「私が、小さいヤツの研究家・顕微検便です」

北小岩 「そうでございますか。
 わたくし、
 己が小さな存在であることに
 悩んでおりまして」
顕微検便 「あなたより矮小な存在を
 お見せしましょう」

促され、小さな顕微鏡をのぞくと。

北小岩 「微生物でございますね。
 あっ、不気味な生き物が
 スカート状のものをまくり上げ、
 媚びながら
 パンチラをしております!」

顕微検便 「そうでしょう。
 では、こちらは」

別の顕微鏡に目をやると。

北小岩 「小さなちんちんのなさけない生物が、
 自分のちんちんより
 小さなちんちんを持った生物を
 罵っております」

  弟子の表情がどことなく明るくなった。

自分はスケールが小さいという思い。
それは突如、鎌首をもたげて
男に襲いかかってくる。
しかし、
さらにスケールの小さな存在がいることは、
一応知っておいた方がよいかもしれない。

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2012-04-08-SUN

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