KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の参百九拾壱・・・橋

「わたくしは、何のために
 生まれてきたのでございましょう」

ニャー

「わたくしには、
 これといった取り柄がございません」

ワン

「リーダーシップも皆無でございます」

ホケキョ

「しかし、何かできることはあるはずです」

ジャー

つぶやいているのは弟子の北小岩くんであるが、
つぶやき後の鳴き声その他は何だろう。

まず、猫に向かって話しかけた。
次に犬、そしてうぐいす。
ジャーというのは、立小便していた
おじいさんの小便に向かってである。

北小岩 「果たしてそれは・・・」

バッ

キーン

「うっ!」

「ごめんなさい!」

橋の向こうとこちらで
キャッチボールしていた高校生の流れ球が、
弟子の金的を的確にとらえた。

北小岩 「はっ!そうでございます。
 橋でございます。
 わたくし、自分が前面に立って
 グイグイ引っ張っていくことは
 できませんが、
 人と人を結ぶ架け橋には、
 なれそうな気がいたします!」

「お前、なぜ急所を握りしめて大声を出しとるんや」

北小岩 「先生!
 わたくしは今、
 人々の架け橋になることを
 決意いたしました」
小林 「そうか。
 進歩が亀の頭の歩みだと思っとったが、
 やっと何かをつかんだようやな」
北小岩 「しかし、
 どうすればよいのかわからないのです」
小林 「三里ほど離れたところに、
 一般とはかなり毛色の違う橋が
 いくつか架かったそうや。
 まずは観察してみるか」

二人はエロ以外の目的では珍しく、
目を輝かせながら橋に向かった。

北小岩 「むっ、あれは何でございましょう。
 極端すぎる太鼓橋でございます。
 女性が滑り落ちてきます」
女性 「きゃ〜っ!
 見ないで!!」
北小岩 「橋は超急斜面なのですが、
 スカートがまくれた姿で、
 途中で止まりました!
 見ないでと言われると、
 よけいに見てしまいます!!」
小林 「ボンド状のものが
 仕掛けられているようやな」

北小岩 「あちらは開閉橋です。
 男たちが振り落とされました」
男たち 「うお〜!」
北小岩 「橋が男たちの方に倒れ、
 出っ張った部分で
 金玉を打たれております!」

人と人を結ぶ架け橋になる。
それは立派な志だろう。
しかし、こんな橋を参考にして、
立派な人物になれるとはとうてい思えない。

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2012-04-01-SUN

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