KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の参百九拾・・・暗示

「らるんらるん」

スキップしながらやって来るまぬけな男たち。

「やっぱりおニューは気持ちええなあ」

「乳首に例えれば、真ピンクでございますね」

一銭の価値もない先生とその弟子であった。

小林 「靴を新調したのは20年ぶりや」
北小岩 「わたくしもでございます」
小林 「両足とも
 同じ種類の靴でなければというのは、
 まやかしや」
北小岩 「至言でございますね」

資源ゴミにすらならない男たちが、
至言もへったくれもないとは思うのだが、
事の成り行きはこうらしい。

靴屋さんに、
紛失等で片方だけ残ってしまった靴が複数あった。
サイズもばらばらで商品として売るのは困難なため、
情けで二人にくれたのである。

小林 「足元が輝いとると、気分が違うわな」
北小岩 「後20年はこの靴でいけますからね」

物を長く使うのはもちろん悪いことではないが、
同じ靴だけを20年間履き続けるのは、
いくらなんでも長すぎるだろう。
それも一足はぶかぶか。
もう一足はきつきつなのである。
それでも。

北小岩 「先生のお心のように、
 いつまでも美しい状態を保って、
 履かせていただきます」

涙ぐむ弟子であった。
その時、前方より一人の男が迫ってきた。

小林 「なんやあいつは。
 粘土でつくった巨大な糞を持っとるな」
北小岩 「手でひたすらつぶしてますね。
 ずっと眺めているとなんだか・・・」
小林 「俺も・・・」

師弟は道端に落ちていた巨大な糞に、
夢遊病者のように近づいていく。

ぐにゅ ぐにゅ

踏み抜いたところで我に返った。

小林&
北小岩
「うわ。おニューの靴が・・・」
小林 「貴様、暗示にかけたやろ」

怪しげな男は粘土の糞を、
今度は巨大なチンポにかえ、
そこにパンチを二発かました。

小林 「凶暴な気持ちになってくるな」
北小岩 「そうでございますね。お覚悟を!」
小林 「お前もや!」

ボクッ ボクッ

小林&
北小岩
「うぐっ!」

ドタッ ドタッ

先生は弟子のチンポに、
弟子は先生のチンポに
力いっぱいパンチを叩き込み、
二人はあまりの痛さに卒倒した。
 
暗示をかけた男が何者なのかはわからない。
しかし、敵に回すと
やっかいな男であることだけは確かであろう。

小林秀雄さんへの激励や感想などは、
メールの表題に「小林秀雄さんへ」と書いて
postman@1101.comに送ってください。

2012-03-25-SUN

BACK
戻る