KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の参百八拾七・・・調律

ザーザー ザーザー

「おかしいでございますね。
 わたくしが身体を張って
 雨がやむように仕向けているのに、
 効果があらわれません」

放尿を続ける天に向かい、
意味不明なことをつぶやいているのは、
弟子の北小岩くんであった。

「お前、なぜ己のチンチンを用いて、
 奇妙な儀式をしとるんや」

北小岩 「あっ、先生。
 儀式と言うほど大袈裟なものでは
 ございません。
 てるてる坊主を
 二つぶら下げてみたのです」
小林 「ふ〜」

先生がため息をついたのも、むべなるかな。
弟子は各金玉にティッシュをかぶせ、
てるてる坊主をつくっていたのだ。

小林 「そんなもんつけとるから
 雨がやまんのや。
 はずさんかい!」

ビリッ

北小岩 「あっ」

玉がむき出しになった北小岩くんであったが、
そのかいあってか空は括約筋を締めた。

小林 「やんだようやな。
 ほな、出かけてみるか」

特に用事はないのだが、
散歩好きな二人はあばら家を後にした。

北小岩 「かなり降りましたから、
 道路は雨だらけでございま・・・。
 むっ、先生!あそこをご覧くだ」

言葉を最後まで聴くことなく、
先生は走り出していた。
道路は雨だらけかと思いきや、
なぜか犬の糞だらけになっており、
糞の向こう岸で
今にもパンティが見えそうな
ミニスカートをはいた女性が、
困り果てた顔で佇んでいたのだ。

小林 「お嬢さん、
 私の背中にお乗りください」

先生は戦車のように糞を踏み潰し、
パンティ女性の前に到着すると背中を差し出した。

パンティ
女性
「いやです。
 私、あの人におんぶしてもらうわ」

北小岩くんを指差した。

北小岩 「光栄でございます。
 ではどうぞ」

江戸の頃なら、
大井の渡しといったところであろうか。
弟子は糞の大河をずんずんと進んでいく。

北小岩 「お嬢様、もう安心でございます」
パンティ
女性
「ありがとう。
 お礼にお茶を御馳走するから、
 私の家に寄っていってね」
小林 「かしこまりました」

いつの間にか二人の間に割り込んでいる
下賤な先生であった。

トントン トントン

北小岩 「瀟洒なお宅でございますね。
 奥のお部屋から
 ピアノの鍵盤を叩く音がいたします」
パンティ
女性
「今日は調律師が見えてるの。
 凄いのよ、
 何でも調律しちゃうんだから」
調律師 「終わりました」
パンティ
女性の母
「じゃあ、次は私ね」
調律師 「はい」
小林 「?」

状況を理解できずに部屋をのぞくと。

小林 「むっ!」

母は近頃調子が狂いがちなおっぱいを
調律されていたのだ。
ピアノの鍵盤とは違った声がもれていたが、
それは割愛しよう。

パンティ
女性の父
「終わったら俺のも頼むよ」

多分、チンチンを調律されるのだろう。

調律師といえば一般家庭では
ピアノをお願いすることが多いが、
プラスαの能力を持った匠が存在することは、
心に留めておきたい。

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2012-03-04-SUN

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