KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の参百伍拾八・・・矢印

ポタポタ

北小岩 「ふう、まだまだ汗がしたたりますね」

キュッ ポン

北小岩 「うふふふ。
 汗を流したら、水分補給でございますね」

ゴゴゴゴっくん

北小岩 「うまいですう!
 やっぱり暑い日には、
 水筒に入れた水道水に限ります!
 これだけで、
 近所にいても旅の風情を楽しめるのです」

ガラガラガラガラ

北小岩 「おや、遠出さん。
 どちらにおでかけですか」
遠出 「ベニスだよ。
 二週間ほど町をあけるけど、
 よろしくね」
北小岩 「はい。かしこまりました。
 ベニスに行くのでございますか・・・。
 ペニスがいく、
 の間違いではございませんよね。
 カッコいいです・・・」
小林 「お前また、
 卑猥な言葉を口走っとったな」
北小岩 「あっ、先生。
 めっそうもございません。
 ところで、夏休みのご旅行は、
 いかが致しますか」
小林 「壮大な旅を計画しとるで」
北小岩 「そうでございますか!」
小林 「ああ。
 まだ近所でありながら、
 一度も通ったことない道があるやろ。
 そこをくまなく回ってみようと思ってな。
 豪華やろ。お前もどや」
北小岩 「考えようによっては、
 楽しそうでございますね。:
 参加させていただきます」

キャー! キキーッ! ボン!

北小岩 「むむっ、
 若い男が自転車で
 おばあさんにぶつかったのに、
 そのまま逃走いたしました。
 許せません!」

弟子はそばに落ちていた棒で、
犬の糞を串刺しにすると、
若い男に向かって思いっきり投げた。

北小岩 「糞くらえでございます!!」

ベチョ!

見事というべきだろうか。
犬の糞は先生の後頭部を直撃した。

小林 「・・・。
 お前の気持ちはわからんでもない。
 しかし、だからと言って、
 師の頭に至近距離から・・・」

完全な涙目になっている。

北小岩 「申し訳ございません」

キキーッ! ドン!!

北小岩 「あっ、先ほどの若い男が
 ハンドル操作を誤り、
 電信柱に激突しました!
 ざまあみろでございます」

「ハンドル操作を誤ったんじゃないよ。
 僕が矢印で方向を変えたんだ」

小林 「なんでお前は
 汚いチンポを出しとるんや。
 むむむっ!」

チンポであるが、
完全に矢印の形をしていたのだ。
仮に彼の名は、矢印くんとしよう。

矢印くん 「僕は昔から心無い奴らとか、
 付け上がった奴らを許せなくて。
 だから、自分のイチモツを
 矢印に改造したのさ。
 これが指す方向で、
 奴らの針路を変えることができるんだ。
 さっき、おばあさんに自転車をぶつけて、
 そのまま走り去った奴も、
 思いっきり右に方向を変えてやったのさ」
北小岩 「それで、イチモツ本来の機能は
 保たれているのでございますか」
矢印くん 「失ったけど、それは仕方ないよね。
 僕にとっては、気持ちのいい行為よりも、
 奴らを懲らしめることのほうが
 69倍大切だったから」

矢印くんのイチモツは、
真っ当な意味では使い物にならなくなったが、
そのかわりに、悪者を懲らしめる術を身につけた。
男のモノには、
いろいろな生き方があるものである。

小林秀雄さんへの激励や感想などは、
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2011-08-14-SUN

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