KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の参百伍拾六・・・オークション

ギラン ギラン

北小岩 「夕方とはいえ、
 太陽さんもがんばっておりますね」

ヒュー ヒュー

北小岩 「むっ、突然風が」

ビュワーン ビュワーン

北小岩 「うわっ、大量の黒雲でございます!」

ドクン ドクン

北小岩 「空一面、暗黒になってしまいました。
 例えて言うならば、
 先生のお心のようとでも
 申しましょうか」
小林 「何をぶつぶつ言っとるんや。
 それより、どえらい雲模様やな。
 まさにお前の心のようや」

目くそ鼻くそを笑うとでも言ったところか。

小林 「黒雲の後は、確実に来るな」
北小岩 「そうでございますね」
小林 「今年初の肝試し、やらんとな」

二人は大地に寝そべり、なぜかパンツを下げ、
イチモツを指で支え天に向けた。

ピカゴロ〜〜〜!!!!!!

北小岩 「恐るべき迫力でございます!」
小林 「ここでひるんでは、男やないで!!」

ちんちんを超極小な避雷針とし、
雷が落ちるかもしれない状況をつくる。
それが二人の肝試しであるが、
馬鹿げているとしかいいようがない。

ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロビビ〜〜〜ン!!

小林 「こっ、今回はここまでにしとこ」
北小岩 「そうでございますね」

弱いチンと弱い肝しか持ち合わせていない
師弟の限界だろう。

小林 「そういえば、
 今日は夜店が出とるはずや。
 言ってみよか」

ソースせんべい一枚買うお金のない師弟であったが、
見たり匂いを嗅いだりするのは
タダとばかりに繰り出した。

北小岩 「まず、イカを焼く匂いを
 堪能いたしましょう。
 おや?
 先生、あそこで
 オークションをやっております!
 ご覧ください!」
小林 「なんと〜〜〜!」

先生が素っ頓狂な声をあげたのも、
むべなるかな。
そこには、『小林秀雄先生のちんちん』と書かれた
紙の上に、ペットボトルのふたぐらいの大きさの
ちんちん状のものが置かれていたのだ。

オーク
ション
の人
「さあ、
 世にもまれな極小ちんちん。
 一円から言ってみよう。
 どうだ」
カップル
の女
「ねえ、あんな小さな人、
 ほんとにいるのかしら?
 いたとしても、何の役にもたたないから
 −2万円ぐらいかな」
カップル
の男
「−100万ぐらいだろ。
 こっちが金もらってもいらねえよ」
小林 「君たち、何か勘違いしておるね。
 これほどのブツが
 そんじょそこらにあるかいな。
 俺はあらゆるものを鑑定してきたプロや。
 この名器、1万2千でどや!」
オーク
ション
の人
「売った!」

意地をはって競り落としてしまった先生。
1万2千円と言えば、
その額自体は大きく感じないかも知れない。
しかし、おそらく師弟の一年分の生活費に
該当するであろう。
その後、先生がどのように落とし前をつけたのかは
わからないし、わかりたくもない。

小林秀雄さんへの激励や感想などは、
メールの表題に「小林秀雄さんへ」と書いて
postman@1101.comに送ってください。

2011-07-31-SUN

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