KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の参百伍拾伍・・・自給自足

パタパタ

北小岩 「ふ〜」

パタパタパタ

小林 「ふ〜ふ〜」
北小岩 「先生、
 わたくしたちの行ないは、
 とてつもなく効率が悪いのでは
 ありませんか」
小林 「そうかもしれんな」

効率が悪いことにかけては
唯一無二の師弟であるが、
果たして今回は、
どのように効率が悪いのであろうか。

小林 「やっぱりほのかに臭う気がするな」
北小岩 「そうでございますね」
小林 「闘牛に出会ったら、
 かなり危険な目にあうな」
北小岩 「そうでございますね」

二人は赤ふんどしの前の部分を伸ばし、
お互いに扇ぎあっていたのだ。

小林 「扇ぐ前より、体が熱くなったな」

北小岩 「他の方法でも、電気を使わずに、
 涼をとれる気がいたします」
小林 「隣町に電気なしで
 暮らしている男がおったな」
北小岩 「いろいろ参考になるかもしれません」

二人はできるだけ日陰を選んで歩き、
男の家に向かった。
しかし、日陰には犬の糞が潜んでいることも多く、
二人で計三度踏み抜くという失態を犯した。

北小岩 「ともかく着いたようです」

トントン

北小岩 「こんにちは。
 こちらに、無電気&自給自足で
 暮らしている方がいらっしゃると
 うかがったのですが」

「ああ、その男なら、俺だよ」

北小岩 「そうでございましたか。
 自給自足は、大変ではございませんか」
その男 「ただ漠然とやろうと思っても無理さ。
 体のひとつひとつに
 協力してもらわないとね」
北小岩 「どういうことでございましょうか」
その男 「例えばちんちんさ。
 俺のちんちんは自給自足をしているよ。
 そばを虫が通るとするだろ。
 そうすると、自分で勝手に伸びて、
 虫を食ってるよ。

 それからさ、陰毛があるだろ。
 中には毛穴だけで
 生えていないところがあるから、
 そこにミニ野菜の種をまくんだよ。
 汗や尿で水分を補給して、
 10毛作ぐらいの畑にしているよ。

 金玉は自分で光ることができるから、
 明かり要らないしね」
北小岩 「なんと!」

その男 「ケツの穴もそうだよ。
 ケツの穴はちんちんより容量が大きいから、
 通りすがりの子ネズミぐらいだったら、
 簡単にとらえることができるよ。

 ともかく自給自足しようと思ったら、
 体の各部分が独立採算で、
 それぞれ自給自足をすること。
 その結果が、
 自分全体の自給自足につながるんだ」

いつのまにか涼の話はどこかに行ってしまったが、
こと自給自足に関しては、
その男の言い分は間違っていない気もするから
不思議だ。

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2011-07-24-SUN

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