KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の参百四拾参・・・手拍子

「またこの季節が来たな」

「そうでございますね」

「よ〜く磨いとかな、あかんな」

「奥の方から光を放つようにいたしましょう」

キュッキュッ

乾布摩擦の要領で、
己の二つの金玉のみを磨いているのは、
この世にとってまったく存在価値のない
先生とその弟子であった。

小林 「年に一度の
 ゴールデン・ボールウイークやからな」
北小岩 「いい思いをする可能性が
 大でございますからね」

キュッキュッキュッ

小林 「これだけの光沢を持っとったら、
 どんなおなごも放っておかんやろ」
北小岩 「もちろんでございます」

キュッキュッキュッキュッキュッキュッ

その時だった。

パンパンパパンパパパパパンパン
パンパンパパンパパパパパンパン

小林 「小気味のいい手拍子やな」
北小岩 「先生、
 それは結構なのでございますが、
 磨く手の動きが、
 異常に速くなりませんか」

パンパンパパンパパパパパンパン
パンパンパパンパパパパパンパン

小林 「そうや!
 まずい!!
 こんな速さで磨いたら、
 摩耗してしまうで!」
北小岩 「そこで手拍子をされている方、
 勘弁してください!」

パン・・・

二人はすんでのところで、金玉を失うところだった。

「いやぁ、すまなかったね」

北小岩 「あなた様は?」

「僕は手拍子の達人、
 手尺八育夫(てじゃくはちいくお)と申します。
 僕が手拍子をすると、
 いろんなものの速度が上がるんだよ。
 例えばね」

視線の先には、
ズボンのファスナーを上げ下げしている青年がいた。

パンパンパパンパパパパパンパン
パンパンパパンパパパパパンパン

青年 「あれ?
 うわっ。いて〜〜〜〜!!」

ファスナーの上げ下げが尋常ではない速さとなり、
しまいにイチモツを挟んでしまったのだ。

「他にもね」

バナナを頬張りつつあるお嬢さんを見つけ。

パンパンパパンパパパパパンパン
パンパンパパンパパパパパンパン

お嬢さん 「あらいや!
 止まらないわ。
 恥ずかしい!!」

バナナをくわえたまま
高速度で顔を上下動させることとなった。

手拍子の達人・・・。
敵に回すとこれほど恐ろしい男もいないかもしれない。

小林秀雄さんへの激励や感想などは、
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2011-05-01-SUN

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