KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の参百弐拾八・・・乾燥

「今こそ己の眼力、
 聴力を極限まで研ぎ澄ます時や」

「そうでございますね」

とてつもない心がけのように聞こえる。
だが、実態は。

北小岩 「細部まで見えるようになりました」
小林 「俺も極小の音まで
 聴こえるようになってきたわ」

10メートル先にある他家のテレビを、
自分の家から観ようというのである。
いわゆるタダ見である。
なぜそのような事態が生じたのか。

北小岩 「大晦日前日の昼12時から、
 元旦の12時まで、
 48時間エロビデオをつけ続け、
 テレビに負荷が掛かりすぎたのですね」
小林 「まさか元旦に
 テレビから煙が出るとは、
 思いもよらなかったな」

行くエロ、来るエロを
極限まで楽しもうと企てたのだ。
二人にとっては精一杯の壮大な計画であったが、
途中からテレビも興奮してしまい、
おしゃかになってしまった。

小林 「もはや俺たちが情報を得るためには、
 道に落ちている新聞を拾うか、
 よそのテレビを盗み見る他ないわな」

そんなわけなのだ。

北小岩 「おほっ。
 シースルーな
 セクシーお天気お姉さんが
 出てまいりました」
セクシー
お天気
お姉さん
「今日はセイコウ東低で
 ビンビンの気圧配置よん」
北小岩 「間違いなく、
 性交とおっしゃいました」
セクシー
お天気
お姉さん
「だからね、
 凄く乾燥してモノが燃えやすいの。
 私の彼氏のおっきなモノにも、
 火がついちゃうかもしれないわね」
北小岩 「・・・」
小林 「今、あのすけべねえちゃんが、
 黙示的なことを言ったな」
北小岩 「そうでございますか。
 モノが燃えやすいと
 言っただけでございます」
小林 「実はな、俺の古くからの友人に、
 モテるやつのちんちんを、
 心の底から憎んどる男がおるんや。
 きっと、
 不穏な行動を起こすに違いない。
 見に行ってみるか」

師弟が表に出ると、偶然50メートル先に、
友人を発見した。
ももあげをしながら追跡する。

小林 「どうやら、
 いい女を連れた男の後を
 つけとるようやな」
北小岩 「男が公衆トイレに入りました」
小林 「急げ!」

猛ダッシュをかけ、トイレを覗くと。

小林 「やつの不自然に巨大なメガネを
 見てみい」
北小岩 「わたくしの見たところ、
 あれはタダのメガネでは
 ございませんね」
小林 「そやろ。
 超強力な虫メガネを
 搭載しとるに違いない。
 ターゲットと程よい距離をとり、
 太陽の光を集め」
北小岩 「むっ、色男のちんちんから
 煙が出てまいりました!
 こんなにはやく、
 火がついてしまう
 ものなのでしょうか」
小林 「あいつのちんちんをよく見てみい。
 使い込み過ぎて真っ黒や。
 小学校の頃、紙を黒く塗り
 虫メガネで光を集めると、
 よく燃えたやろ。
 黒が災いしたな」
色男 「あちい〜〜〜!」


男は彼女のもとへ全力疾走。
女は深くくわえることで真空状態にし、
チン火させようと思ったものの、
あまりに火のまわりが早くあきらめた。

小林 「松明のように燃えとるわ。
 今年の乾燥ぶりは、尋常やない」
北小岩 「気をつけねばなりませんね」


棒状のモノにとって、
火がつくことは斯様に怖ろしい。
意図的に着火されることもあるだろう。
自然発火もあるだろう。
この季節、細心の注意を払いたい。

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2011-01-16-SUN

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