KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の弐百参拾弐・・・地下

北小岩 「土は偉大でございます」
何のとりえもない弟子が、
虫メガネで地面を観察している。
北小岩 「とんでもなく小さな生き物が
 蠢いているのが分かります。
 植物はもちろん、あらゆる生物は、
 結局土がなければ
 生きられないのでございましょう」
小林 「そんなところで
 また大地に語りかけとるんかい」
北小岩 「そういえば、
 土にはちつがあると
 うかがったことがございます。
 女性なのですか?」
小林 「大地の母と言うがどうかな。
 啓蟄と言う言葉には、
 ちつが入っとるな」

二人の会話に耳をすますのは、時間の無駄である。

小林 「今立っている場所の地下でさえ、
 我々にとっては未知の世界や。
 さぐってみる必要があるやろうな」

さぐるより、まさぐる方が好きな二人であったが、
ともかく町内第六十九番目の隠居『地下じいさん』に
現状を語ってもらうことにした。
じいさんは体を半分土に埋めながら、生きている。

ぶお〜〜〜!

特殊な角笛を吹くと。

地下
じいさん
「誰じゃ! なんか用か!!」
北小岩 「申しわけございません。
 実はちつに、いえ、
 地下についてうかがいたいと思いまして」
地下
じいさん
「そうかい。
 地中もここ数十年で
 だいぶ様変わりしてのう。
 とても地味な印象をもっとると思うが、
 随分華やかになってのう。
 地下では花見のかわりに、
 根をみて楽しむ根見会が行われるんじゃ。
 色白でスレンダーで、なかなか艶かしいぞ」

小林 「かなり趣味性が高いんやな」
地下
じいさん
「夏になれば、地下水を使って、
 地下水浴も堪能するんじゃ。
 ビキニと言うより、全裸に近い姿でな。
 うひひひひひひ」

ひとりで興奮するスケベじいさん。
誰が全裸で水浴するのか、皆目見当がつかない。

地下
じいさん
「おしっこが深くまで染み込まんように、
 『小便返し』という生き物がおるな。
 玉金から根のようなものが伸びていて、
 それで吸いあげて
 先っぽから出すんじゃ。
 尿の種類によっては、
 聖水と呼んでありがたがることも
 あるようじゃが」
北小岩 「Mな生物でございますね」

地下
じいさん
「下の世界に住んでいるオスは、
 当然金玉が光っている。
 暗すぎる場合は、
 ハイビームにすることもできる。
 その状態を、
 ハイボールと言うこともあるな。
 すれ違う時は金玉光を
 下向きにするのがエチケットじゃ」
小林 「いずれにせよ、
 あんまり楽しいこともなさそうやな」
地下
じいさん
「そんなことはない。
 みみずが千匹集まっているところがあって、
 そこを通ると極楽じゃ〜〜〜」

土の中には、野球選手もいるらしい。
土の圧力に抗い速い球を投げ込む。
一流と呼ばれる選手は、
上の世界より桁外れのレベルだ。

旅行会社もあるが不人気。
旅しても景色がほとんど変わらないからだ。
また、地下で迷子になると大変。
目印がないので、戻ることができない。
まあほとんど、どうでもいいことだが。

小林秀雄さんへの激励や感想などは、
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2009-03-15-SUN

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