小林秀雄のあはれといふこと

しみじみした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。


其の百弐拾壱・・・害虫駆除


小林 「ほな行きまひょか」
渋谷は円山町の喫茶店。男5人。
一行の向かう先は、ラブホテルであった。
小林先生が入口のおばさんに人さし指と中指の間から
親指の先を出すサインを送ると、
ノーチェックで入館できた。
ここのおばさんには、
日頃から極上の大人のおもちゃを贈呈し、
懇意になっているのである。
5人がエレベーターに乗ろうとしたその時。
「ぐげぇ〜」
上階から若い男の重たいうめき声がした。
北小岩 「どうしたのでしょうか!!」
事情を知らない弟子が師匠に問う。
エレベーターを降りると、
3階廊下の天井からぶら下がったどどめ色の紙に、
全裸の男が屹立させたその部分を捕らえられていた。
小林 「あれはな、
 こちらの珍嫌太男
  (ちんぎらいふとお)はんが
 考案された『チン取り紙』や」
北小岩 「なんと!」
珍嫌 「そうなんですよ。
 ここにいるメンバーには、
 全員年頃の娘がいます。
 愛娘の操が飢えた野獣に
 奪われるのではないかと、
 日々苦悶しているのです。
 ですからもし娘が
 ラブホテルに誘われても、
 すんでのところで
 食い止められるように、
 様々な退治法の開発に
 余念がないのです」
小林 「まあ、害虫駆除といったところやな。
 あのチン取り紙には
 興奮した男が
 思わず吸い寄せられてしまう
 フェロモンが塗られている。
 くっついているのは、
 珍嫌はんの娘を狙っている
 プレイボーイや。
 あれで当分悪さはできんやろ」
「ごぎょ〜〜〜〜〜!」
部屋の中から日焼けサロンで
全身を焼いていそうな全裸の男が飛び出してきた。
棒潰
出香男
(ぼう
 つぶし
 でかお)
「うまくやってくれたようですね。
 私は松茸狩りの名人を
 放っておきました。
 高齢の方なのですが、
 大きく育った松茸は
 一本たりとも見逃しません。
 今の男は名人に
 己の松茸を
 抜かれそうになったのです。
 名人もオフシーズンに
 狩りの勘を養えると、
 喜んでいます」
「ブボーーーーン!!!」
玉砕
攻也
(たま
 くだき
 せめや)
「最終兵器が炸裂しました。
 娘に危機的状況に陥ったら
 これを使いなさいといって
 渡してあります」
錠剤を見せられた北小岩くんが
怪訝そうな顔をしていると、先生が補足した。
小林 「これはな、『ポコニトロ』という。
 危なくなったらキスするふりをして、
 男に飲ませるんやな。
 ちんちん専用のニトログリセリンや。
 瞬間的に血管を拡張し、
 ちんちんに流れ込む血液の量を
 十倍にしてしまう。
 ただでさえ怒張しているイチモツが
 ぱんぱんになりすぎて、
 お楽しみに及ぶどころではなくなる」
玉砕 「絶頂の極みにある男が服用すると、
 睾丸が吹き飛ぶことさえありますね」
北小岩 「‥‥」

父親が娘を思う気持ち、恐るべし。
お父さん方はその他にも、
薬を撒かずにちんちんを巣ごと退治する
玉ホウ酸(ぎょくほうさん)、
万が一貞操を奪われてしまった時に
避妊を万全にするパイプハサミ虫
(男の体内に入り込みパイプカットしてしまう虫)
なども用意している。



遊びで娘さんたちと
ウハウハしようなどとたくらんでいる輩は、
今後不埒な思いをいっさい持たないことだ。
自分のチン生をかけて、
大きな愛を持ってことにあたるべきなのである。

小林秀雄さんへの激励や感想などは、
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postman@1101.comに送ってください。

2004-12-29-WED

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