小林秀雄のあはれといふこと

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。


其の百九・・・将棋


カチッ。
「うお〜〜〜!」
カチッ。
「いい〜〜!」

北小岩 「先生、どうなさいましたか!あれ?」
書斎から奇怪な声が上がったので、
弟子の北小岩くんがふすまを開け放つと、
先生と客人が将棋盤を挟んでのけぞっているのであった。
北小岩 「将棋を指されていたのですか。
 不思議です。
 今の声は何だったのでしょうか?」
小林 「おお、北小岩。
 これから将棋の歴史が変わるで!!」
北小岩 「と申しますと」
小林 「今俺たちが楽しんどるのは、
 ただの将棋やない。
 これぞ、電気将棋や!」
客人である成金葉見毛(なりきんはみげ)氏が
開発したのが、電気将棋である。
人工知能が搭載された将棋盤で、
それぞれの正面からコードが伸びている。
その先には駒形のセクシーボックスが
とりつけられており、
内部に各々のおちんちんを挿入するのである。
小林 「百聞は一チンにしかずや」
先生にうながされ、
北小岩くんは後ろを向きパンツを下ろすと、
ボックスにイチモツをもぐり込ませた。
成金氏 「それでは北小岩さんが先手でどうぞ」
北小岩くんは軽快に駒を進める。
矢倉戦法が得意な彼は、
金と銀で玉を囲み美しい金矢倉をつくりあげた。
北小岩 「うっ。
 タマ金がまるで
 強靭な倉におさめられているかのような、
 安らかな快感に包まれております」
小林 「そうなんや。
 電気将棋はその時々の駒の動き、
 戦況などに応じて、
 局部が様々な甘美を味わえるよう
 設計されておる」
北小岩くんは桂馬と香車を操り
相手の持ち駒を我が物としていく。
北小岩 「桂馬が暗躍すると
 如意棒になめくじが這うような刺激が、
 香車で突撃すると
 一本気なピストン運動が展開されます」
頬を上気させ、
今にも昇天しそうな表情で北小岩くんがのたまう。
小林先生はそれを見て仏のような顔でうなずいている。
成金氏 「おっ、千日手だ」
北小岩くんの秘所を心地よいうねりが
四度行きつ戻りつし止まった。
この対局は勝負なしとなり、
先手と後手を入れかえ最初から指し直しとなった。
北小岩くんは再び金矢倉の形をとった。
成金氏 「もうその手は食いませんぞ」
氏は猛然と矢倉をくずしにかかった。
北小岩 「あっ、あ〜〜〜〜」
北小岩くんの額から脂汗が流れた。
セクシーボックスが、
タマ金を不安にさせる動きをしているのだ。
北小岩 「うお〜〜〜〜〜!
 まいりました!!!」
金矢倉を破られたあげく王手をかけられた北小岩くんは、
玉の逃げ場を失った。
己のタマ金を圧迫され
脂汗を流し続ける北小岩くんとは対照的に、
勝利をおさめた成金氏は恍惚の表情を浮かべている。
どうやらイチモツにお楽しみウエーブが巻き起こり、
思わすイッてしまったようだ。
北小岩 「ふう。
 金矢倉が破られた瞬間、
 ボックスにタマ袋を
 引き破られそうになりました。
 また、玉を取られた時には、
 タマ金が爆破されるようでした」
小林 「しゃあない。
 これもアメとムチや。
 まあ、法悦境に誘われたければ、
 これから本気で精進するこっちゃな」

北小岩くんと入れ替わり成金氏と対局した先生は
実に一晩で3回昇天した。
小林先生が快感を目指して疾走する時、
尋常でない勝負強さを発揮するのだ。
勝負の世界に
ダイレクトなエクスタシーを持ち込んだ電気将棋。
現在無敵の先生は
美人女流棋士との対戦をもくろんでいる。
だが、美女を前に快楽をむさぼることは出来ずに、
一気にタマ金をつぶされるのがおちであろう。

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2004-04-14-WED
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