小林秀雄のあはれといふこと

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。


其の七拾壱・・・・ホーム&アウェー

ピピー!!

小林 「ああ、負けてしもうた」
小林先生と弟子の北小岩くんは、
アウェーに詳しい男をゲストに招き、
テレビでサッカー観戦をしている。
北小岩 「やはり、アウェーで勝つのは
 難しいですね」
アウェーに
詳しい男
(以下
 ア男)
「特に日本人は弱いです。
 でも、サッカーのアウェーで
 勝負できないようでは、
 もっと過酷なアウェーに
 勝利することはできませんね」
北小岩 「サッカーよりも過酷な
 アウェーと申しますと?」
ア男 「はい。
 それはSEXのアウェーです」
北小岩 「なんと!そのようなことにも
 アウェーがあるのですか!!」
ア男 「もちろんです。
 SEXは、ホームとアウェーでは
 プレッシャーがまったく違います。
 だいたい、日本女性は男に
 もの凄くやさしいのです。
 北小岩さんにもあるでしょう、
 下半身の調子が今いちの時が」
北小岩 「そうですね。先日も
 途中降板になってしまいましたが、
 彼女は
  『きっと疲れているのよ。
   気にしないでね』
 と頭をなでてくれました」
ア男 「でも、ホームのプレイに
 甘んじていては、
 海外で戦えなくなりますよ。
 アウェーで相手国の女性と
 一戦交える時には
 そんな風にはいきません。
 私が初めてアウェーで対戦した時には、
 ベッドに画鋲がまかれていました」
北小岩 「そういえば以前、日本代表が
 アウェーの試合前に
 練習をしようと思ったら芝生に
 釘をまかれていたことがありました」
ア男 「試合前から戦いは始まっているのです」
小林 「画鋲を片付けた後も
 悲惨だったそうやないか」
ア男 「そうです。
 いざ挑もうとしたら、
 今度はベッドの中で爆竹を鳴らされ、
 発煙筒がたかれました」
小林 「それはかなりのダメージや。
 俺の知人が
 昔ピンサロに行った時の話やが、
 興に乗ってきた時に
 店員がタンバリンを持ってきて
 打ち鳴らし始め、
 踊りながら
 『お客さんもう少しです、
  はりきってイキましょう〜〜!!!』
 とでっかい声で叫ばれ、
 集中力が途切れて
 変調をきたしたと言っておった。
 タンバリンでもそうなんやから、
 爆竹を鳴らされ発煙筒をたかれた日にゃ、
 せっかく起きた子も
 ふて寝してしまうわな」
ア男 「それだけではありません。
 相手の親兄弟が間近で観戦し、
 やじを飛ばすこともあります」
北小岩 「そんなことまでして、
 つぶしにかかるのですか」
ア男 「ええ。
 フィジカルも気をつけねばなりませんね。
 爆竹が鳴り終わると間髪を入れずに、
 相手の女性が睾丸をめがけて
 スパイクでスライディングしてきました。
 私の抗議に対して、
 女性はボールを目がけての
 スライディングだから
 反則ではないと主張しておりました。
 でも、私のボールは見事に削られ
 負傷退場に追い込まれました」
北小岩 「・・・・」
ア男 「また、フーリガンも
 日本とは比較になりません。
 他のアウェーでの試合では、
 興奮したデバ亀がフーリガンと化し、
 ベッドを破壊されました。
 危険ですので、フーリガンが現れる前に
 ベッドのシャッターは
 下ろしておかなければいけませんね」
北小岩 「ふう、いかにアウェーのSEXが
 厳しいかよくわかりました。
 そんな状況の中で、
 私たちはどのような心がけで
 戦えばよいのでしょうか?」
ア男 「そうですね。
 何とか引き分けに持ち込むのが
 定石ですね。
 SEXでの引き分けと言うのは
 相手がある程度満足し、
 自分も少し気持ちよければ
 それ以上深追いしないということです。
 それから試合終了のホイッスルが鳴ったら
 一目散でベッドから離れ
 安全な場所に移動することです」
北小岩 「SEXでの引き分けですか・・・。
 アウェーはほんとに奥が深いです」
ア男 「そうなんですよ。
 先生も北小岩さんも、
 ホームでばかり経験をつもうと考えずに、
 単身海外で
 真の戦いを経験してくださいね」

大きくうなずきながら、
親指を人差し指と中指の間からグイと突き出し、
力こぶをつくる小林先生であった。
だが、ホームでも力を発揮できずに
負け続けている先生が、
過酷なアウェーで勝利をおさめられるはずなどない。
小林先生の実力では、
ピッチに上がることすら難しいであろう。

2002-05-28-TUE

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