COOK
ダイニング部に
集合してくださーい!

そっか、バレンタインDAY・・・か。
わたしにとって『バレンタインDAY』って日が
特別な意味をもってたのは、もう、そうとう昔のことだわ。
小学生とか中学生のころは、
好きな男の子に愛の告白する大事なイベントでしたからね、
気合いはいってましたけど。
この時期、どの女の子雑誌にも
バレンタイン特集ページがあって
「お友達と差をつけろ!」
な〜んてタイトルがついてる。
「ライバルに負けないオリジナルなものをあげて
わたしの存在をアピールしなきゃ」
タイトルにまんまと踊らされて
変に手を加えたオリジナルを作ったりしちゃうんですよね。
わざわざ板チョコ溶かして、ハート型にしてみたり
チョコに「LOVE」とか書いちゃうの。
それから意味もなく相手の名前とか
自分の名前まで書いちゃって。
七夕の短冊じゃないんだから。
いや〜、ばかですねぇ。
恋してる自分に酔っちゃってたんでしょうね。
でも、かわいいじゃないですか、
いじらしいじゃないですか。

なんか、キュンとしてきた。
ここ最近、義理チョコオンパレードだったからねぇ。
よし、今年のバレンタインDAYは日曜日だし
本命チョコを手作りましょうか。

『ホワイトチョコレート・ムース』
いつだったか、雑誌でこのレシピを見つけて
「うわっ、おいしそう、絶対作ろう」
って思ってたんですよ。
わたしね、ムースとかチーズケーキが大好き。
口の中で溶ける感じがたまらない。
でも、市販のものは5分の1底の部分が
スポンジケーキだったりするでしょ。
口どけぐあいを楽しみにしてるのに、
なんでスポンジいれるのか、
って、それはもうがっかり。
お行儀悪くても、あのスポンジをさっさと処分したくて
ケーキ倒して底から食べちゃうんですよね。
でも、この『ホワイトチョコレート・ムース』は
100%の口どけを堪能できるのです。

{材 料}
・ホワイトチョコレート・・・・・125g
・板ゼラチン・・・・・・・・・・・・7g
・イタリアンメレンゲ
  砂糖・・・・・・・・・・・・・75g
塩・・・・・・・・・・・・・・少量
卵白・・・・・・・・・・・・・38g
水・・・・・・・・・・・・・・適量
・生クリーム・・・・・・・・・・300cc
・ラム酒・・・・・・・・・・・・・20cc
・パータボンブ
  卵黄、全卵・・・・・・・・・各1/2
水・・・・・・・・・・・・・・少量
・ココア・・・・・・・・・・・・・適宜

{作り方}
1、ゼラチンは冷水でやわらかくもどして水気をきる。
  ホワイトチョコは湯煎にかけて溶かしておく。

ゼラチン

2、イタリアンメレンゲを作る。鍋に砂糖と塩、
  砂糖がしめるくらいの
  水を加え煮溶かし、沸騰させてシロップにする。
  ボウルに卵白と塩ひとつまみ入れて泡立て器で泡立て、
  卵白がピンと角が立つくらいまで泡立てたら、
  120度に熱したシロップを少しづつ加えて、
  さらにしっかりと泡立て
  光沢のあるメレンゲを作る。
  バットに広げ常温に冷ましておく。

イタリアンメレンゲ

3、生クリームをボウルに入れ、
  八分まで泡立ててラム酒を混ぜ込む。

4、別ボウルにパータボンブの材料を入れ
  湯煎にかけて泡立て、
  83度まで熱したら、ゼラチンを加え泡立て器で  
  よく混ぜる。
  湯煎からはずしホワイトチョコレートを加え、
  途中からゴムベラに持ち変えて、 
  ボウルを回しながら底から大きく混ぜる。

パータボンブ

5、4、に3、を少量混ぜ全体になじんだら、
  残りも加えて混ぜる。

6、5、に2、の半量を加えここからは泡をつぶさないよう
  切るように手早く混ぜていく。
  全体になじんだら、残りも加え手早く混ぜる。
  型に流し、冷蔵庫で冷やし固め仕上げにココアをふる。

ココアをふる。

お菓子はまず材料をきちんと計量することが基本です。
そして温度は温度計で計りながら忠実に守ること。
「こんなもんでいいかな」なんてアバウトにしちゃうと
固まるものも固まらなかったりと最悪の結果になります。

例えばね、4、のパータボンブの材料を熱するときの
83度という温度は
卵黄が凝固するギリギリの温度なんです。
これをきっかり守ればフワフワで
なめらかな舌触りが生まれるんですが
ちょっとでも油断すると83度なんて
すぐに越えちゃってスクランブルエッグに
なっちゃっいます。

それから、このフワフワのメレンゲやホイップクリームたち
それぞれの温度に差があると、うまくなじんでくれず、
ムース特有のなめらかさがでないのです。
そこで最初少しだけ加え混ぜてなじませ、
それぞれを近い温度にしてから
全部を加え混ぜるという方法をとるのです。
もちろんこのときも必ず温度計で計りながらですよ。

真っ白で品がよくて、高級なイメージ。
まわりに真っ赤なラズベリーと濃紺のブルーベリー、
鮮やかなグリーンのミントの葉を飾ったのも
演出効果大でしたね。
味の方はもちろん最高。期待通りの口どけ。
ぷるぷるフワフワした白い泡体を舌にのせると
スーっと溶けて、濃厚なホワイトチョコと甘い香りが
口中に広っていきます。
それに上部にふるったココアのほろ苦さが
ホワイトチョコの甘さと微妙にマッチします。
演出用のラズベリーやブルーベリーを一緒に食べるのも
酸味がプラスされて、さわやかになります。

完成品

バレンタインDAY試作品を鼠穴で試食してもらいました。
スタッフみなさんに「うまい」と言っていただけましたよ。
子どもの頃のように「LOVE」のハート型チョコや
「マズイけど、愛がこもってるから食べて」っていうのは
どうも、おとなになるとシャレにならないですからね。
このムースは材料も少ないし、オーブンも使わないので
手順どおりに作っていけば誰でもおいしく成功します。
読者の女性の皆さんも今年は「手作り」してみてください。

そうそう、ずいぶん前に読んだ男性のエッセイで
「バレンタインDAYに彼女がチョコと歯ブラシをくれた。
『悪い虫』が付かないようにっていう意味らしい」
っていうのがあって、どうも自慢してる感じなんですよね。
わたしはこれ読んで、
うわ〜恥ずかしい〜って赤面したんですけど。
こういうのって男の人はうれしいんですか?
やっぱり、かわいいとか思っちゃうんですか?
どうなの?教えて!

1999-02-11-THU

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