不正解、食べられます!
オニイグチ
食
写真と文章/新井文彦

昔は、初対面の人に血液型を聞かれて、
あなたは大雑把でしょ、と断言されたり、
あるいは、あまり馴染みのない人に、
大雑把な性格みたいだから血液型O型でしょ、
(ほっといてくれ!)
とか言われたりすることがけっこうありましたけど、
血液型云々と言う人あまりいなくなりましたよね。

まあ、血液型で性格がわかれば世話がありません。
だって、日本人で言えば、1億人もの人を、
たった4つの型に分類するのは無理があるし、
そもそも、そもそも、
脳みその中の神経系の仕組みと、血液の中の物質に、
相関関係があろうはずがありません。

そういう意味では、医療で使うこと以外では、
血液型の出番は少なくなりつつあるのかもしれません。
今や、DNAを使って鑑定をすれば、
ほぼ個人の識別ができますからねえ……。

ちなみに、警察で採用しているDNA型判定は、
約4兆7千億人に一人の確率で個人判別が可能とか。
占いもこのレベルで言い当てられればすごいっすよね。

きのこの分類も、つい先ごろまでは、
見た目重視で行われてきたのですが、
最近では、コンピューターの発達などによって、
DNA情報の解析結果が重要視されるようになり、
新しい分類体系が提唱されるに至ってます。

今回ご紹介するオニイグチは、
その昔オニイグチ科だったのが、今はイグチ科。
以前、オニイグチモドキをご紹介したとき、
「日本ではオニイグチ科のきのこが3種あります」
なんて書いているのですが、そのオニイグチ科は、
なくなっちゃったみたいです(笑)。

ぼくはきのこ分類の現状が、
どうなっているのかまったくわからないので、
興味があるある方は、ぜひお調べあそばせ。

オニイグチは、広葉樹が多い森で、
夏から秋にかけて見かけます。
白地にの傘に暗い色の大きなトゲトゲを持つ、
グロテスクというか、かわいいというか、
とにかく、とても特徴的なきのこです。
触ると、最初ちょっと赤に変わり、
そのあとだんだん黒っぽくなっていきます。

イグチの仲間なので、傘の裏側はもちろん、
スポンジのような管孔状。
初めは白く、成長すると黒く変化します。

こんな外観をしていますが、
食べるとけっこうおいしいです。
虫を出すために塩水に漬けると、
水が真っ黒になってちょっとビビりますが……。
傷むのが早いので成長し過ぎたらアウト。
もし、食べたい人いたら幼菌を探してください!

科学がどんどん進歩して、
いろいろナゾが解き明かされるのは歓迎ですが、
覚えることが多くなりすぎると、
いろいろがあまり楽しくなくなっちゃいますよね。
ぼくの脳みそはオーバーヒートしないよう、
物事の半分かそれ以下くらいしか、
記憶できないようになっているようです。

アタマに通わない分、血が余ってそうなので、
久しぶりに献血でもするかな……。

※このコンテンツでは、 きのこの食毒に触れてますが、 実際に食べられるかどうかを判断する場合には、 必ず専門家にご相談ください。
 
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