おしい!食べられるんです!
キンチャヤマイグチ
食
写真と文章/新井文彦

カバノキ科で樹皮が白っぽい落葉広葉樹、
白樺ことシラカンバや、ダケカンバは、
(ウダイカンバも多々見られますが……)
エゾマツやトドマツと並ぶ阿寒の代表的樹木です。

高原や山岳など比較的寒い場所を好む木々なので、
関西から西にお住まいの方々にとっては、
あまり馴染みがないかもしれません。

北緯43度、標高約400mに位置する阿寒湖周辺では、
白樺が生えていることが多く、
標高が600mを超えるくらいになると、
ダケカンバが優勢になるという感じの植生です。

キンチャヤマイグチは、
これら、カンバの仲間の菌根菌。
初夏から晩秋まで、比較的長い期間発生します。

傘は、その名の通り、金茶色。
最初はやや赤味というか橙色系が強いのですが、
だんだん黄土色系へと色があせていきます。
ビロードのようなやや滑らかな手触りで、
大きいものは、直径20cm以上になります。

イグチの仲間なので、傘裏がヒダではなく管孔。
薄汚れたような白い色をしています。

柄はすごく特徴的で、
白〜灰色の地に細かな黒い点がびっしり。
傷つけると、ちょっと時間がたったあと、
なんとなく青黒く変色します。

で、キンチャヤマイグチ、食べられます。
大型だし中味がぎっしり詰まっているし、
群生していることも多いので、
そこそこの収穫量が期待できるうえ、
これだけわかりやすい特徴があるので、
他のきのこと間違いようもなく、
きのこ狩り初心者でもまず安心です。

肝心のお味の方は、可もなく不可もなし。
舌触りよく歯切れよく香りにもクセがないので、
どんな料理にもそこそこよく合います。

このキンチャヤマイグチか、タモギタケが、
ぼくが1年のうちで最も食べているきのこかも。
ま、その気になれば、
いくらでもマツタケを採ることができますけどね……。
うわ、世の中すべてを敵にするような爆弾発言(笑)!

ちなみに、白樺とダケカンバの違いを、
ささっとすぐにも判断したい場合、
幹から出ている枝が黒いのが白樺、
幹も枝も白いのがダケカンバ、
と覚えておくと、8割くらいの確率で正解です。

きちんと分類するのであれば、
葉っぱの形や葉脈の数などを調べましょう。
(詳しくは、各自、おググりあそばせ)

※このコンテンツでは、 きのこの食毒に触れてますが、 実際に食べられるかどうかを判断する場合には、 必ず専門家にご相談ください。
 
感想をおくる とじる ツイートする