不正解、食べられます!
シャカシメジ 食
写真と文章/新井文彦

シャカシメジの名前の由来は、
もちろん、お釈迦様の「釈迦」。
そう、特に、幼菌時には、
一般の人が、真っ先に思い浮かべるであろう、
お釈迦様(仏像)のビジュアル的特徴であるところの、
パンチパーマ、もとい、螺髪(らほつ)そっくり。
見つけたら、思わず拝みたくなってしまいます(笑)。

仏像に見られる丸まった髪の毛=螺髪は、
仏様の身体に備わっている特徴で、知恵の象徴。
東大寺盧舎那仏、俗に言う、奈良の大仏には、
高さ約30cm、直径約18cmの螺髪が966個あり、
そのすべてが右巻きに渦巻いているのだそうな。

ちなみに、螺髪の「螺」の字は、
貝殻が渦巻状になっている貝類の総称、
要するに、巻貝のことです。
サザエ、タニシ、ホラガイを漢字で書くと、
栄螺、田螺、法螺貝と「螺」の字が使われていますね。

さて、当のシャカシメジは、
阿寒の森では、夏の終わりの9月頃、
主にミズナラなどの広葉樹林で発生します。

ひとつの根株から柄が伸びて枝分かれを繰り返し、
その先っぽに1〜5cmくらいの小さな傘が……。
たくさんのきのこが、わ〜っと発生するけど、
これ、ひとつのカタマリから出ているんです。
成長するにつれ、傘は平らに開いていくので、
だんだんお釈迦様の頭のようにはみえなくなります。

そして、このシャカシメジ、お味は絶品です。
ぼくも食べたことがありますが、超おいしいです。
和風、洋風、何でもこい!
個人的感想を言わせていただくなら、
香りマツタケ味シメジの、シメジ、
ホンシメジに匹敵するレベルではないかと……。

たくさんのきのこを生やしている根株のカタマリが、
これまた、歯ごたえよく、乙なお味でございまして、
きのこも、本体?も、両方賞味できる、
名前を裏切らない、ありがた〜いきのこです。

ただし、けっこうもろいので、
仏像を扱うよう、丁寧に扱いましょう。
ぼろぼろ崩したり、割って落としたりして、
おしゃか、にしないよう注意が必要です。

お後がよろしいようで……。

※このコンテンツでは、 きのこの食毒に触れてますが、 実際に食べられるかどうかを判断する場合には、 必ず専門家にご相談ください。
 
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