これは、食毒不明なんです。
シロヒメホウキタケ 食毒不明
写真と文章/新井文彦

正直に告白するならば、ぼくは、
このきのこの名前、うろ覚えなんです。
食べられないことは、承知してますけど。

ヒメシロホウキタケ?
ん、違う……?
シロヒメホウキタケ?
あれれ?やっぱり、
ヒメシロホウキタケ?

ぼくは大雑把なニンゲンなので、
心の声は、小島よしおのように、
そんなの関係ねぇ!そんなの関係ねぇ!
そんなのどっちだっていいじゃん!
と、叫んでいるのですが、
一応、写真に撮ったきのこは、
図鑑で調べることにしています。
(名前がわからないことも多いけど)

例えば、名前が判明した時に、
試験前に英単語を暗記するように、
「音読」や「書き取り」を数回繰り返せば、
覚えるかもしれませんね。
次から、頑張ってみようかな……。

とりあえず、正解は、
シロヒメホウキタケ、です、はい。
白い、ヒメホウキタケ、ということで。

ところが!
一筋縄ではいかないんですね、これが。

確かに、ヒメホウキタケ、というきのこがあります。
ならば、普通に考えれば、シロヒメホウキタケは、
名前の通りに、白いヒメホウキタケのことだ、
と思うじゃないですか。

しか〜し、実際は……。
ヒメホウキタケは、ホウキタケ科だけど、
シロヒメホウキタケは、シロソウメンタケ科。
同じ、ヒメホウキタケ、という名前がついているのに、
何と、何と、科は、別なんです!
と、いうことは、シロヒメホウキタケは、
白いヒメホウキタケではないってこと……?

ははは、きのこって、本当に面白いなあ。

さて、この、ヒメシロホウキタケですけど、
違う!違う!
すらっと読んじゃだめですよ、そこのあなた。
シロヒメホウキタケ、ですから!

それにしても、どうです?
この、きのこ離れした美しいフォルム。
そして、穢れを知らないような透き通った白色。
はあ……(ため息)。

きのこと、コケと、地衣類のコラボも、格別です。
箱庭でもなく、生花でもない、自然の造形美。
素晴らしいですねえ。
さらに、はあ……(ため息)。

では、では、最後に、質問です。
この写真のきのこの名前は何でしょう?

※このコンテンツでは、 きのこの食毒に触れてますが、 実際に食べられるかどうかを判断する場合には、 必ず専門家にご相談ください。
 
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