不正解、食べられます!
タモギタケ 食
写真と文章/新井文彦

阿寒の夏を彩るきのこと言えば、
爽やかなレモン色、鮮やかな黄色が目を引く、
タモギタケをおいて他にありません。
6月下旬頃から、ニレやタモの木など、
広葉樹の枯れ木や倒木に群生します。

実にきのこっぽい濃厚な香りと、
ちょっと濃いめの味が特徴で、
北海道では、以前から、人工栽培もされている、
人気の食用きのこです。

採取して数時間もすると、
香りがほとんど飛んでしまうのですが、
その独特の濃い香りがあまり得意ではないぼくには、
かえって好都合なんですよね(笑)。

また、食べておいしいだけではなく、
免疫力を高めたり、癌や各種成人病を、
予防、改善する成分を含んでおり、
薬効が期待できる、とのことで、
全国的に人工栽培が盛んになりつつあるようです。

以前、東北地方の日本海側を車で走っていたとき、
道の駅で栽培もののタモギタケを売っていたのですが、
掲げられていた名前は、「ゴールデンしめじ」。
黄色=黄金色ってことでしょうね。
う〜む……。

あ、そうそう、北海道や東北地方で、
タモギタケを採取するときには、
ミヤマイラクサに注意しましょう。

葉っぱや茎に細かい毛のような棘が生えていて、
これを触ってしまったら、もう、
痛いのかゆいの痛いの痛いの、で大変なんです。

何でも、細かい棘の根本には、
ヒスタミンを含んだ液体が入っている袋があって、
触って刺が折れた拍子に液が皮膚へ飛び散るのだとか。

ミヤマイラクサを触ってしまったら最後、
拭こうが、洗おうが、何をしても無駄。
神仏の加護が得られないような汚い言葉を吐きつつ、
数時間くらいは続く、かゆかゆチクチクいてて状態を、
ひたすら耐えぬくしかありません。

きのこ採りへ行く時には、例え暑くても、
なるべく皮膚を露出しないようにしましょうね。

※このコンテンツでは、 きのこの食毒に触れてますが、 実際に食べられるかどうかを判断する場合には、 必ず専門家にご相談ください。
 
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