欽ちゃん!2006 

萩本欽一さんの、おもしろ魂。
最新の記事 2006/05/15
08 参加するということ

萩本 「野球をとおして地域が活性化する」
「商店街のみんなの利益があがった」とか、
それをプロデュースする人が出てきたり、
そういうのも、ほしいなぁと思ったんです。

だから、
ゴールデンゴールズのマークも、
球団は、大抵、権利があるはずだけど、
おためしで、どんどん使ってもらったの。
地元の佃煮にも、
ゴールデンゴールズのパンダが貼ってある。

「これ、貼ってあるねー」

「はい、作りました!」

「あ、もちろん、いいのいいの。
 いいんだけどもね、ほんとうだと、
 お金をいただいたりするんだよね。

 そうじゃないと、マークやチームを
 作った人たちにもうしわけないから……。
 でも、今は、使っていいのよ。

 そのかわり、
 うんと、もうけてもらって、もうけたら、
 その時は、ちょっと、ちょうだいね!」

まぁ、どんぶり勘定ですね。

「みんなでたのしく
 そういうもので商売してみなよ」
って、思うんです。
ほんとを言うと、
チームの名前やマークを考えてくれた
糸井さんたちには
利益がいかないから
こまってしまうんですけれども。
糸井 その意図については、
あらかじめ
萩本さんからきいていて、
「この場合には、そうだ」
と、ぼくは納得していますからね。

萩本さんのチームの速度は、
やっぱり、
「そういうことを
 いいかげんにしてるからできること」
だと思います。

でたらめじゃないことも、大事だけど、
はじめに、いいかげんなものがないと
まずは、走れないですからね。

たとえば、野球って言葉には
権利なんかないですし。
あの訳語は
正岡子規が考えたらしいけど、
あれで正岡子規が
「オレの許可が必要だ!」
って言ったら、
流行りようがないですもんね。
萩本 そうだよねぇ。
ベースとボールじゃなくて
「野」を入れたのはスゴイもんなぁ。
糸井 すごいヘンな言いかたですけど、
萩本さん、「お金の使い道」ができて
しあわせですよね。
その年齢で、お金の使い道がある人、
なかなかいないですよ。
萩本 うん。
いい道楽してるね。
ぼく以外は、関わった人たち、
みんな、ソンしていないんだから。
糸井 年寄りは引退すると
買うものがなくなるし、
使い道に困っているんですよね。

世界旅行、ダイヤモンド……。
いろいろ、みんな、探すわけですけど、
こんなふうに
自分でチームを作るという遊びに
お金を使える人は、
世界にひとりだと思うんです。

萩本さんは、チームという
巨大な息子を持っちゃったようなものだから。

それにしても、ひとりの男が、
計画なしに走りはじめたものが、
よく、ここまで……。
萩本 計画ないし、
ルールもよくわかってないし。
糸井 うちにいたら携帯が鳴って、
「今、いい? あのね、
 野球でこういうことやるの」
「あぁ、そうですか」
「それでね、
 こういうことやってほしいの」
「よくわかんないけど……はい」
「じゃ、明日、発表しちゃうからね」
それで、すぐ、野球のチームが、
はじまっちゃったんだもんなぁ。
萩本 そうだね。
ものごとを、
まったくちがうところから考える人が
野球に必要だと思ったから、
糸井さんの名前があると、
「あ、何か変えようとしているんだ」
と、世間もわかりますもんね。
糸井 球団を作った、と発表して、
マークまで作って、
コーチも発表しているのに、
まだ、選手がいないというところから、
だれと試合をするかもわからないところから
はじまったんですもんね。
萩本 うん、まずは、
野球の絵が変わらないと、と思ってた。
野球場のスクリーンには、
お客さんも映る。マイクもふられる。

そうすると、お客さんが、
「自分も出るチャンスがあるかもしれない」
と、ドキドキしながら来るし、見るんだよね。

いつ、マイクが来るんだとドキドキしながら
野球を見るのと、
絶対に何も起こらないだろうなぁと思うのとは、
ぜんぜんちがうから。
糸井 ちっちゃいサーカスで、
ピエロの格好をした人が
ちっちゃいバッジを売りにくるだけで、
めちゃくちゃうれしいですもんね。
萩本 そうそう。
「オレんとこに来た!」って。
糸井 「参加」って、
やっぱりすごいんですね。
萩本 参加するかもしれないと思うと、
みんな、いいものを着てこようとか、
いい格好をしてこようとか、
スタンドの色が変わってくるのね。

そうすると、
野球が高級なものになるわけ。
お客さんが
いよいよタキシード着てきたとか、
映るかもしれないから
美人が集まるとか、
いずれそうならないと、高級にならない。

つまりお客さんが高級になるってことが、
高級な野球が誕生、生まれるってことで。
糸井 イギリスの競馬みたいなものですね。
萩本 そうそう。ですから、
お客さんに参加してもらうために、
マイクだけは、どうしても入れときたい、
と、公式戦以外は、ずっと入れているんです。

あたらしいことは、
つぎつぎにさけんでいかなきゃ。

野球は
いろんなところで
いろんなふうに語られているけど、
それを実行した人がいないんだよね。

いろんなことを言う人がいて、
それをどんどん実行するのがいいもん。



(次回に、つづきます)
 
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