- ——
- 四角大輔さんの講演会を聞きに行ったことが、
生澤さんの大きな転機になったんですね。 - 生澤
- そうです!
高校3年生になって
進路を確定させるときに、
自分はものを作ったり
表現することが好きなので、
美大や製菓学校への進学を
考えはじめたんですけど。
- ——
- うんうん。
- 生澤
- でもそうなると、
勉強よりも専門技術が大切になるから、
じゃあ自分がいままで我慢して
がんばってきたことって何だったの?
っておもえちゃって。 - ——
- いわゆる有名大学を出て、
大きな会社に入るために
がんばったんですもんね。 - 生澤
- 先生にも、
「うちの高校は進学校なんだからね!」
って、四年制大学への進学をすすめられたりして。
とにかく心が揺れて、
自分に自信が持てなくなって、
泣きながら帰ったりしてました。
そんなときに先輩から
四角大輔さんの講演会に誘われたんです。 - ——
- ニュージーランドで
自給自足の生活をしながら、
日本にも拠点をおいて
執筆活動や講演活動を
されている方ですよね。 - 生澤
- そうです。
はじめはどんな方かも全く知らなくて、
なんだかおもしろそうだなっていう
軽い気持ちで行ったんですけど。 - ——
- へえー!
- 生澤
- 講演会を聞いたら、
こんなにすごい大人が
いるんだなってびっくりして。
学校の先生たちが言うことよりも、
100倍おもしろい!っておもいました(笑)
- ——
- 具体的にどんなことをお話されていたんですか?
- 生澤
- 大きな会社を辞めて、
ニュージーランドに移住して、
自然や湖に囲まれながら魚釣りをして…
とにかく周りに流されず、
自分のすきなことしながら
生きてるっていうお話を聞いたんです。
それを体現してるのがすごいなとおもって。 - ——
- 自分らしいライフスタイルを
追求されているんですね。 - 生澤
- あと、四角さんは周りの大人と違って、
心でしゃべってるなって思いました。 - ——
- そういうものも伝わってきたんですね。
- 生澤
- もちろん、学校の先生たちの中には
心でしゃべってる人もいたんですけど…
なんだろう、ほんとうにわたしのことを考えて
言葉をかけてくれる人は少ないなって。 - ——
- うんうんうん。
- 生澤
- 四角さんはすごく思いやりがあるし、
話を聞いていて心地がよくて…
言葉が勝手に心の中に入ってくるというか、
はじめて大人に心を開きたいとおもえたんです。 - ——
- 素晴らしい出会いだったんですね。
四角さんとは直接お話したんですか? - 生澤
- 講演会の後にサインをもらいに行きました。
自分は学校帰りで制服姿だったし、
浮いてないか緊張したんですけど…
勇気を出して四つ葉のことを話してみたら、
「すごいじゃん!」って言ってくださって。
「きみは四つ葉アーティストだね」って。 - ——
- おおおー。
- 生澤
- 「素晴らしい才能だから、
もっと周りに発信したほうがいいよ」
ってアドバイスをいただきました。
こんなに素敵な人に褒めてもらえるなら、
もう少し自分に自信を持ってもいいかなって…
四つ葉で何かやっていきたいなとおもえたんです。 - ——
- 四つ葉のことを発信しようと決めてから、
周りにはどうやって伝えていったんですか? - 生澤
- あんまり覚えてないですけど…
ちょっとずつ友だちに打ち明けるようになりました。
あとはTwitterに投稿していろんな人と交流したり、
出会った人に手作りの四つ葉のしおりを配ったり。
- ——
- へえー!
わたしが生澤さんのことを知ったのも
Twitterでしたからね。
たしか、当時はクラスの男の子から
からかわれることに悩んでいた記憶が… - 生澤
- そうなんですよ!(笑)
「あいつ四つ葉の話ばっかりで気持ち悪い」とか…
でも高校ってすごく世界がせまいから、
しかたないのかもしれないですね。
悔しかったから、
いつか見返そうっておもいました!(笑) - ——
- すごい!強くなりましたね!(笑)
大好きな四つ葉のことなら、
周りに何を言われても大丈夫だったんですね。 - 生澤
- そうですね!
周りが気にならなくなりました。
それまでは「みんなが塾に通っているから」って
1日10時間くらい勉強していたんですけど… - ——
- うんうんうん。
- 生澤
- 偏差値も上がらないし、
全く身が入らなかったんですよね。
だから高校を卒業する前に、
製菓学校への進学を選んで、
四つ葉で何かやっていこうと決心しました。 - ——
- そうだったんですね。
- 生澤
- 四つ葉で周りの人を
ハッピーにできたらいいなとおもったし、
みんなが自分らしく生きるための
きっかけになれたらいいなって。 - ——
- 生澤さんを見ていると、
そのまっすぐな想いが伝わってきます。 - 生澤
- ありがとうございます!
四つ葉の活動に専念したかったので、
学校は休学の制度があるところを選びました。
いまは予定通り休学中でなんですけど、
先生たちも応援してくれたので、
自分に合った環境を選んでよかったです。
- ——
- でも、ずっと頭で考えて生きてきたのに、
全く違う方法を試すって
かなり勇気がいりませんでしたか?
いわゆるバンジージャンプをするような… - 生澤
- 怖かったですね!
勇気もいるし、心配でしたけど…
ただ、頭で考えて生きているときとは違って、
悩むにしても肯定的に悩めてるなって思います。
きっといい方向に進んでるんだろうなって。 - ——
- す、すごい。
- 生澤
- (笑)
好きなことで成功できるかは分からないけど、
自分が幸せに生きるためには
間違っていないなと思いました。
いまは両親も見守ってくれています。 - ——
- なるほど。
自分を俯瞰しながら前に進むって大切ですね。 - 生澤
- ずっと自分の軸がなくて、
周りが言うことを
素直に受け入れてきたんですけど…
これは得意だけどすきじゃないとか、
苦手だから人にお願いしてみようとか、
そういうことが少しずつ分かるようになってきて。 - ——
- そんな風に過ごしているうちに、
だんだん四つ葉がお仕事と
結びついてきたんでしょうか。 - 生澤
- そうです!
自分の想いに共鳴してくださる方との出会いが増えて、
いろんなチャンスをもらえるようになりました。
出会う人も、前向きで尊敬できる人が多くなって、
毎日がたのしくなりました。
(つづきます)