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ひどい目日誌。
授業料を払ってこきつかわれる
わたしたちの記録。

最終報告 トイレ問題に深く切り込む
担当:うりぞう


みなさま、ごきげんいかがですか。
うりぞうでございます、本日もたいへん元気であります。
ありがとうございます。
わたくし担当のひどい目日誌最終回にちなみ、
・わたくしが「ほぼ日式スタッフ募集」に応募した目的、
・ほぼ日式スタッフという形態をとったほぼ日学校で、
 わたくしがお習いしたこと、
以上2点について、今回はご報告いたしますです。

平常時のわたくしは、流通関係のライターをしております。
流通といっても、
何を指すのかわかりにくいかもしれませんね。
スーパーやコンビニ等の業界誌に原稿を書いていまして、
ヒット商品のできるまで、とか、
競合店出店対策にはコレだ、とか、
小売業関係の方が読む記事を書いているのであります。
物とお金を交換するという、
生活の基本にあるところを仕事場としておりますため、
インターネットは、仕事上、まだ近しくなく、
必要にも迫られていないという環境にあります。
ですから、今回、応募をした理由は、単純に個人の興味。
インターネットのホームページなるものは、
どうやって作られているのか。
その実務面が覗いてみたかった、それに尽きるのでした。

では、授業でお習いしたこと、
つまり、わたくしが期間限定スタッフとして、
3週間、鼠穴に通学し、働き、あるいは潜入し、
そうかそうか、と理解し、
あるいはまだ理解できない、と理解したことを、
お伝えいたしますです。

原稿が出来るまで、いわゆる編集部分は、
わたくしの勝手な予想とは少し違いました。
インターネットということで、
特殊技術を駆使して、原稿作ってるんだろうと、
根拠もなく想像してたのですが、
ワープロ専用機を打つのと変わらない、
紙媒体とまったく同じ工程で、
編集作業は進められています。
よくよく考えてみれば、
この作業の後に、デザインの工程があるわけで、
そこがインターネットとしての特徴なのですからね。
編集の現場を見る、体験する。
これで目的のひとつはクリア、しました。

作業的には、印刷媒体と変わらない、
ということはわかりました。
では、印刷媒体とは何が違うのか。
何を違えようとしているのか。
印刷媒体に従事している者としては、
そこは、興味あることでありました。
上司である金澤セイヒロー氏に連続質問し、
メリー木村くんにもやたらめったら話しかけ、
大枠でわたくしが理解したのはこんなことでした。
ほぼ日では、
発行するという形態、時間、分量にとらわれるのではなく、
出したいものを、より望ましい形で、出していきたい。
インターネットは、それが可能な場所だと考えたので、
ほぼ日が生まれ、育っている、ということらしい、と。
こう書くと、印刷媒体が×でほぼ日が○、
みたいになっちゃいますね。
わたくしが理解できたのはここまでだというだけで、
当然、○か×かという話ではありません。
インターネットの特色の一面が、
そういうところあるらしいということが、
少し理解できた気がする、のであります。

ページの実制作部分は、
いわゆるコンピュータの知識が必要なお仕事。
今回、わたくしはノータッチでしたが、
幾度となく、コンピュータ室に潜入を試み、
こんな考え方と工程で作るんだっていう雰囲気は、
この目でしっかり盗み見ました。
まったく知らないお仕事部分だったので、
覗き見程度でも、目的のもうひとつも、クリア。

結局、わたくしがものすごく実感したのは、
すべての面での「スピード」でした。
書いた原稿がインターネットの紙面にのるスピード。
デザインの変更や挑戦ができるスピード。
読者の方からの反応のスピード。
早いから、じゃ、なんなんだ、ということまでは、
この期間では考えきれませんでした。
あるいは、それは見かけだけのことで、
本質的な、例えば印刷媒体との違いには、
ならないのかもしれません。
これからはまた、読み手として、
そういうことをもっと考える、
という宿題を持って帰ることにします。

「若いうちの苦労は買ってでもしろ」。
そんなことをよく言われてきました。
すでに若いとはいえない年齢のわたくしですが、
実際に「買った」、ほぼ日での「苦労」は、
若くなくとも価値があったと思っています。
考え続けるチャンスをもらった3週間でした。
考えるって楽しい。あー、面白かった。
これがわたくしの正直な感想です。

◎おまけ

ここは鼠穴。穴なのですから、探検するしかないでしょう。
そう思って、潜入報告を続けて参りました。
最終報告はトイレ、行きます。
お風呂が4つあるということは、
第3回のルーキーくんがご報告してましたね。
トイレも、あるんです。1つ負けて3つですけど。
わたくしが利用しているのは、3階トイレ。
ユニットバスと一緒になってる、
マンションによくあるやつです。
問題点がひとつあって、ドアノブがあまいこと。
ちゃんと閉まらなくて、
ボタン式のロックもかかりがあまくて、
油断してると、開けられちゃうんですねえ。
実際、ハズカシメに会った人は数知れず、らしく、
内側ドアノブのすぐ下には、
「ドアはカチッというまで強く閉めて下さい。」
と、テプラで注意が喚起されているほど。
でも、ここが一番無難なので、わたくし、ご愛用。
2階のは、入り口がふたつあるトイレです。
あっちの部屋とこっちの部屋、
どっちからも入れるようになっているので、
またまた油断大敵。
空きを確認して入室したら、
直ちにもう片方のドアをロックしなくてはいけません。
俊敏な動きが要求されますです。
そして、わたくしのデスクのすぐ後ろ、
4階のトイレがまた珍。
ドアのほぼ全面が、すりガラス、です。
ぼやーんと、透けて見えるんですよ。
ま、横位置にドアかあるんで、
便座に腰掛ける横顔がぼやーんと、
っていうことなんですけどね。
でも、透けちゃってるんですよ、いいんですか。
尻シルエットが微妙にわかるトイレ、
かっちょいいなあなんて思って作ったんでしょうかねえ。
いやいや、スタッフのみなさまも、平気なのかなあ。
平気なんだよなあ、フツーな顔して入ってるもんなあ。
それにしても鼠穴のトイレは、
どこもかしこも常に緊張を強いられます。
憩いの場のトイレなのに、こんなんでいいんでしょうか。
低次元の疑問を抱えつつ、以上、最終報告終わりますです。
また、いつか、どこかで。うりぞうでした。

2000-04-28-FRI

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