1101
ひどい目日誌。
授業料を払ってこきつかわれる
わたしたちの記録。

担当:うりぞう
ほぼ日に登場するフツーの人について検証する


ごきげんいかがですか。うりぞうです。
はい、わたくしは、すこぶる元気でやっとりますです。
ありがとうございます。

本日は、わたくしが鼠穴に潜入する前から不思議に思ってた
ほぼ日のいくつかの企画について、
わたくしの上司にあたりますところの金澤セイヒロー氏、
グッドマン武井氏、そしてdarlingにまでも、
質問攻撃、いってみたいと思います。

わたくしが、何を不思議に思っていたのであるか。
それは、「こういう人と、どうやって出会うのさ」、です。
筆者の中にいらっしゃいますよねえ、フツーの人。
失礼ながら、一見、どこにでもいそうな人たちと、
darlingやほぼ日が、どういう接点があって、
どういういきさつでコンテンツを持つようになったのか。
スタッフの友達の輪っていっても限度があるから、
それだけじゃないはずだぞと、
わたくしはふんでいたわけですよ。
なので、聞いてみました。

あのう、金澤さん、遥か彼方で働くひとよ。の
本田さんとは、どういうきっかけで……。
「あのねえ、メールが来てたんだよね。
1発目から、自分の仕事のこととか、
今、何をしているかということは書いてあったんだけど、
ごく普通のメールだったと思う。
でも、なんか気になったのよ。なんとなく。
そしたら、darlingもそうだったみたいで、
ある日企画を考えようっていう時、
本田さんのことを思い出したんだよ。darlingもぼくも。
で、メールしたわけ。書いてみませんかって」
へっ、あの、毎日、
じゃんじゃんおいでになるメールの中で、
おふたりが一緒の人を覚えてたんですか?
「そうなんだよねえ。何って言えないんだけど、
なんかあったんだよ。普段、人に会ってもあるでしょう。
なんだか印象に残るっていうこと」
はあ、確かに。
「で、されてるお仕事とか、フィラデルフィアなのも、
なかなか興味深かったんで、
こういうことになったんですねえ」
ふーん。なるほど。とりあえず納得。

では、次。階段を降りて3階に来ました。
武井さん、武井さん。ちょっと教えてください。
ほぼ日の筆者の方で、
いわゆるフツーの人のことなんですけど……。
と、突然、武井氏が電話をかけてくれてます。
どこへかけてるんですか?
「ご近所のOLさんとこ。
この人、メールが始まりらしいからさ、
ぼくも詳しいこと知らないんで、聞いてみてよ」
ああ、はい。わー、急に知らない人と話すの苦手なのに。
もしもし、ご近所のOLさんですか。
「はい、ご近所のOLこと、まーしゃです。こんにちわ」
突然ですが、ご近所のOLさんは、
どうやってこういうことになっちゃったわけですか。
「あのね、メールを出したんです」
わわ、またメールだ。
「ほぼ日はそんなに見たことなかったんですけどね、
たまたま見たらダイニング部の中継やってて。
鍋物かなんかを作ってたんだけど、
これがなかなか進まなくて。
なもんで、その中継を見ながら、
その様子を実況中継してるようなメールを書いたんですよ」
はあ、それは面白そうですねえ。
「それで、出したことも忘れてたら、
ほぼ日からメールが来たんです」
おお、同じパターンだ。
いいのか、ほぼ日。無防備過ぎて、ちと心配であります。

ここでdarlingに突撃。
メールがきっかけだなんて、本当ですか。
「はいはい。メールを読んで、
ほぼ日として、その人の環境全体に興味がわくとか、
独自の感じ方を持ってる人だと思ったら、
メールをやりとりしたり、実際に会う機会を持って、
お願いすることもありますよ。
まずは、安全な人物だということを、
わかるようにしてもらえるといいけどね。
怖い人はイヤだから」
うわ、やっぱり、本当だった。
でも、そんなに近い距離感で扱ってもらっちゃって、
いいんですかね。
「メールは熱もってるからね。
みんな真剣だし、一人で考えて、送ってくれてるでしょう。
そのこと自体、本当にありがたいと思ってますから。
だから、たくさんの人に会いたいと思うんですよ、
まずはメールでね」

なんだかわからないなりに、なるほどなあ。
で、本日のわたくしの結論です。
「メールは出会い、です。少なくともほぼ日においては」。
ほぼ日に筆者として登場してほしい、ということには、
前提として、darling始めスタッフが、
紙面に載せたい、読んでほしいと思うテーマを持っている、
ということがあります。これは当然ですよね。
と同時に、
ひとりごとメール、感想メール、お小言風メール等など、
すべてがほぼ日のコンパスであることは、
間違いないということでありますから、
そこんとこだけは、ひとつ誤解のないよう、
お願いいたしますです。

わたくし、これまで、
メールは、通信手段としては非常に便利な反面、
得体の知れない、信用できないヤツだと
思っておりましたです。
なぜなら、匿名性が高いし、
メール的な人と人との距離感を、
わたくしとしてはまだ把握できていないから、であります。
けれども、考えが少し、変わりつつあります。
手紙もそうですけれど、
メールにもその人が表れるんですよね。
ほんと、その人、そのものなんですよ。
鼠穴で、仕事として、たくさんのメールを読む機会を得て、
それは実感していますです。
darlingは、熱という言葉を使っておられますけど、
簡易で迅速だという特徴がある分、
その人度はすごく高いような気さえします。
だから、メールを読むということは、
結局、その人に出会っていることなんですよ。
インターネットやメールって、
人と人との出会いの機会が膨らむ、
ということでもあるんですね。
いやいや、むしろ、そういうこと、なんですよ。
うーむ。
そうだったんだなあ。
わたくし自身のメールでの距離感という問題は、
解決にはまだまだ時間がかかりそうですので、
本日の報告、とりあえず、これで終わります。
では、また。うりぞうでした。

ひどい目隊への激励や感想などを、
postman@1101.comに送ろう。

2000-04-20-THU

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