がんばれ自炊くん!
「ふだん食」はじぶんで作るって、どう?

フライパンひとつで何をつくる? その11
〜フライパンに加え、薬味編もあるぞ!〜

おとりよせ、おとりよせ♪(作詞作曲:わし)
ネット、便利じゃのう。
うまい釜揚げじらすが食いたいと思い探していたら、
魅惑的な通販ページをみつけてな、
さっそく注文してみたんじゃ。
考えてみたら、ネットで食材を注文したことが
いままでなかったもんじゃから、
ちょいと不安でもあったんじゃが、
懇切丁寧なサイトでな、申し込みもカンタンじゃったし
品物も、土佐から、丁寧な梱包で届いたよ。
さっそく今朝は、
炊き立てのめし(米は新潟からの通販じゃ!)に、
わけぎと太ねぎとダイコンのみそ汁、
京都の千枚漬けとすぐき漬け、
そして土佐の釜揚げじらす。うはうは。
こうして東京にいながらにして、
土地土地のうまいもんが食えるとは、
いい時代じゃのう!! さすが21世紀じゃ!

ほんでは今日も元気に行くぞーっ!
(最後に、薬味についてものっけとるよ!)

まずは、前々回より話題になっとる
「トマたま」についての、中国からのご報告じゃ。

●自炊老人さま:
 初めまして。中国北京在住の勝又と申します。
 私も大の「暖かいトマト」ファンです。
 その「暖かいトマト料理」の中でも、
 一番好きな料理が載っていたので、
 思わずメールを書いてしまいました。

 >本日掲載の小林画伯の「トマたま」ですが、
 >これはれっきとした中国家庭料理です。
 >(料理の名前は忘れちゃいましたが)。

 これ、中国語では
 「西紅柿炒鶏蛋(シーホンシー・チャオ・ジーダン)」
 と言います。
 「西紅柿」がトマト、「炒」が炒める、
 「鶏蛋」は卵のこと。
 訳すと「トマトと卵の炒め物」(訳す必要なし?)。

 油を熱する時に山椒の粒を入れて香りをつけると、
 またひと味違った風味が楽しめますよ。
 (山椒自体はすぐに取り出してくださいね。)
 仕上げにネギのみじん切りを放り込むと、
 「よそ行き」感がぐぐ〜んとアップ。

 中国人は、トマトを「身体を冷やす食べ物」だと
 考えているので、炒めたりスープに入れたりして、
 暖かくして食べることが多いです。
 ちなみに、こちらにも冷やしトマトはありますが、
 お砂糖がかかってます。(慣れるとこれもオツ)

 日本にいた時は、よく「トマたま焼きそば」
 作ってました。
 市販の焼きそば(「シマダヤ」とか
 「家族の焼きそば」とか)を
 作る時に、トマトと炒り卵を加えるだけ。
 気が向くと豆板醤をちょっぴり入れて、
 「ぴりからトマたま焼きそば」にしてました。
 唯一のコツは、味の濃いトマトを選ぶこと。
 (「これ!」というトマトが見つからなければ、
 ミニトマトがお勧めです。
 桃太郎とかは高い割に人工的な甘みが気になるので、
 個人的にはNG。)

 長くなってしまいました。
 明日の最高気温マイナス6度、またまた雪の北京より。
 (勝又 あや子)


おおお、さんきゅうじゃ、勝又どの!
トマトは西の紅の柿なのか。
そういや、果物の柿も、中国では炒め物に
入れると聞いたことがあるようなないような気が……。
韓国ではたしかキムチに入れるんではなかったかな。
ちょいとここらへん、自信のある情報ではないんじゃが。
油を山椒で香りづけ、というのは、
やったことなかった! こんど挑戦してみるよ。



続いては、おお、これも焼きそば、じゃが!

●自炊老人さま、こんにちは。
 いろいろなレシピ、いつも楽しみにしています。
 フライパンひとつで何が? ということですが、
 和風な「揚げ焼きそば」はどうかなと思い
 投稿させていただきます。
 これは夫の母が昔考えたものなのだそうですが、
 たまにつくるとほんとうに食卓がもりあがるのです。
 我が家では具汁は大きい鍋にたっぷり作るのですが、
 一人暮しなら、中華なべで先に中華そばを揚げ、
 その後にまたそのなべで具汁を作り
 仕上げるというのがいいのではないかなと思います。

 <材料>
 中華そば
 豚薄切り肉(太めの千切りにしておく)
 野菜(人参、もやし、たまねぎ)
 また水にさらしたささがきごぼうを
 いれてもおいしいです。
 (人参、たまねぎとも千切り、もやしは
  洗ってざるに取り水気を切っておく。)
 品竹(細切り)(袋から出してざるにあげ、
 水気をきっておく。)
 こんぶとかつおぶしで出し汁をとっておく。
 (これが味のポイントです。)
 調味料(醤油、塩、こしょう、お酒)

 <作り方>
 1、フライパン(中華なべ)に油を熱し、
   中華そば1玉の3分の1くらいずつを油で揚げる。
   (かりっと揚げますが、揚げ過ぎてもだめなんです。)
   揚げた中華そばはクッキングペーパーなどに
   とっておく。
 2、油を油ポットに開けて、また中華なべを熱し、
   きった豚薄切り肉をいため、塩、こしょうで
   さっと味をつける。
 3、人参、をいれていため、次にたまねぎ、もやし、
   薄切り品竹の順でいれ、いためてまた塩、こしょうで
   味を整える。(薄味にして下さい。)
 4、そこにとっておいたこんぶとかつおぶしの出し汁を
   ひたひたになるぐらいにして、煮たて、
   材料が煮えたらお酒、醤油をいれて具汁を作ります。
   (くれぐれもちょっと薄い味かな? というぐらいの
    味に。)
 5、この具汁に、1で揚げた中華そばを入れ、
   まんべんなく混ぜ合わせます。
   とろっとなったらできあがりです。

 ちょっと麺と具汁の混ぜ具合がむずかしいかも
 しれませんが、ほんとにおいしいですから、
 たまに時間のあるときなどにやってみて下さい。
 揚げるときはくれぐれも気をつけて。
 ではまた。(大雪だるま)


ほう! わしゃ、具汁はかたくりでとろみをつけて
鳥がらベースのあんかけにするのかと思ったら、
和風なんじゃなー! う、う、うまそう。
具汁はもうなにも言うことがない。
これは、揚げ方がポイントじゃろうな。
中華麺を揚げるときは、160℃くらいがよいじゃろう。
160℃というのは、しめった菜箸を油に入れて、
細かい泡が、静かにシュワーっと出るくらいじゃ。
(すまんな、あいまいな表現で。これ、自分で感覚を
つかんでもらうしか、ないもんでな)
なお、中華麺、ほぐして入れないと、固まっちまうよ。
自炊初心者にはちと難しいで、
自炊上級者といっしょにやってみるといいぞ。
(くれぐれも、一人暮らしの揚げ物は、気をつけてな!!)



続いては、おお、アウトドア。なるほど。

●「フライパンひとつ」に再度投稿いたします。
 ちかごろ私は「マヨネーズ炒め」に凝っています。
 アウトドアクッキングの本
 (『アウトドアクッキング100メニュー』太田潤著、
 成美堂出版)に載っていたものを、
 私ふうにアレンジしました。

 <材料>
 じゃがいも、玉ねぎ、マヨネーズ、塩、こしょう
 <作り方>
 じゃがいもは薄切り、玉ねぎはそれよりちょい厚めに切る。
 本では、油を入れずにじゃがいもと玉ねぎを炒め、
 塩こしょうし、なかば火が通ったら、
 マヨネーズを好みの量入れて、弱火にして
 柔らかくなるまで炒める、という旨が書かれていますが、
 これは、テフロン加工のフライパンでないと難しい。
 鉄のフライパンの場合は、マヨネーズを最初から入れて、
 いためてしまいましょう。
 焦げつきやすいので、弱火でふたをして、
 蒸し煮みたいにするとよいようです。
 ときどきかきまぜます。

 これだけだと、ほとんど本の引き写しなので、応用編。
 ブロッコリーとじゃこのマヨネーズいため
 ブロッコリーは薄切り。
 モチロン、ここでも茎も捨てずに使います。
 下ゆでしなくても、薄切りにすれば大丈夫
 (とくに私は固めなブロッコリーが好きなので)。
 鉄のフライパンにマヨネーズを入れて火にかけ
 (中火から弱火)、
 じゅくじゅくっといいだしたらブロッコリーを入れる。
 じゃがいもの場合と同様、弱火でふたをして蒸し煮にする。
 火が通ったらじゃこを加えて1分ほど火を通す。
 このままでもいいが、
 しょうゆをちょびっとたらしてもいい。
 火を通したマヨネーズの下世話な味、なかなかいけます。
 アンチダイエットですが。
 冒頭の本を読んで気づいたのですが、
 アウトドアクッキングの理念とフライパンひとつ・
 鍋ひとつ料理の理念は似ています。アウトドアでは
 基本的に、鍋はせいぜいひとつかふたつ、
 火も1つしかないことが多いですからね。
 というわけで、自炊者にはアウトドア料理本は
 大いに参考になるなあと思います。
 自炊をインドア・アドベンチャーと
 とらえることもできるかも。(あおき・まり)


いつも投稿ありがとうじゃ、らっきょうとのあおきどの!
そうそう、火を通すと、マヨネーズ、
こりゃまた、うまくなるんじゃよなあ。
たしかに非ダイエット的ではあるがな。
で、アウトドア。なるほど、そりゃそうじゃ!
今回の特集、まるごと、アウトドア料理としても
いけるほどじゃものな。
ちなみに、わしが持っとるアウトドア料理本は
アクアパッツァの日高良実シェフの書かれた
「もっとシンプルに。」というものじゃよ〜。



次も、おお、どことなくアウトドア!
というか、米国西部、な感じじゃな。

ホットケーキの話を読んでいて、
 ふと発言したくなったのでおたよりします。
 私もホットケーキが大好きで良く作るのですが、
 たまに気分を変えたくて生地にナッツ類
 入れたりします。
 一番好きなのが刻んだくるみ。
 意外にいけたのがひまわりのたね。
 どちらもフライパンに生地を流してから
 パラパラとのっけるのがコツです。
 口当たりも変わるしいいですよ。

 くるみ入りホットケーキに本格派の
 ベーコンでもそえれば、
 気分はちょっとハードボイルド!
 (じゃなきゃハックルベリー・フィン)

 ちなみにホットケーキは意外と冷凍にも
 耐えるので、生地があまったら焼いて
 冷凍しておくことを私はおすすめします。
 (山口由美子)


うんうん。これはホットケーキというより
アメリカふうのパンケーキ(甘くないやつ)じゃな!
生地に練り込まず、上からパラパラすることで
見た目も美しくなりそうじゃ。
ベーコンは「かりっかり!」にな。
あ、ちと野菜足りないから、しっかり摂るように。



続いては、うん、これはイタリアンかの?

●自炊老人さま
 今年もよろしくお願いします。
 えーーっとフライパン料理! 始まってから
 何を送ろうか? と思いつつ、過ごしていましたが
 これを投稿しておこうとおもいまして、
 キーをたたいております。
 “えびとアボカドのアンチョビ炒め”
 材料
 冷凍むきえび   200K
 アボカド     1個
 にんにく     1片
 赤唐辛子     1本
 アンチョビ    2枚
 酒      小さじ1
 塩        適当
 サラダ油   大さじ1

 1 えびは解凍し、大きいものは背に切り込みを入れ
   背わたをとり、小さいものは竹ぐしかつまようじで
   背わたをとっておく。
 2 1に酒と塩をからめ、にんにくはみじん切り、
   赤唐辛子は種を抜いてはさみで輪切りにする。
 3 アボカドは1cm幅くらいのいちょう切りにする。
 4 中華鍋を熱して油をにじませ、にんにくと赤唐辛子を
   弱火で炒め、香りがでたらアンチョビを加え
   つぶしながらまぜる。
 5 4にえびを加えて強火で炒め、色が変わったら
   アボカドを加える。大きくくずさないようにサッと
   炒めあわせすぐにお皿へ。
 アボカドのねっとり感がおいしいです

 応用編。ほたてとクレソンでもおいしいです

 ほたての貝柱(刺身用)100g
 クレソン       200g
 アンチョビ       2枚
 赤唐辛子        1本
 サラダ油      大さじ1

 貝柱はざるに入れサッと熱湯でくぐらせ水にとり、
 水気をとっておくくらいで、基本的にはえびと一緒です。
 アンチョビは結構活躍します
 冷蔵庫で日もちもするので……。

 今年は去年よりとっても寒く感じます
 風邪などひかないように、お気をつけくださいませ。
 (かずちゃん)

 
うっほっほ。かずちゃんどの、魚介がお好きなようじゃな。
2品とも、うまそうなこと!!
わし、1品目、アボカドのかわりにカブでやったことあるよ。
でも、アボカドもうまそうじゃなあ。
で、エビの背わたをとる、などの作業、
やったことのない自炊人には面倒に思われるかもしれんが、
案外カンタンじゃし、これ、やらんと、
腹を下すことがあるで、必ずやるように!



てなこって本編はここまで、じゃが、おまけじゃよー!

☆薬味通信☆

以前ちょこっと「薬味」にふれたらば、
さっそく投稿をいただいた!
そのなかから、2編紹介するでな〜!

●こんにちは。
 「我こそは薬味名人!」とまでは言いません。
 が、かなりの薬味好きであることは
 間違いのないこのあたし。
 うどん屋で刻みネギ入れ放題じゃないとこでは
 「うどんじゃなくって、ネギ食いにきとるのに...」
 と寂しさいっぱい。
 で、あたしの常備する薬味は、こんなもんです。

 ねぎ
 かつぶし
 しょうが
 しそ
 にんにく
 梅干し
 ごま(白・黒)
 わさび
 からし

 というわけで、ごくごく普通。
 (一部「これって薬味?」というのも
  混ざってるような気もしますが、まあ、とにかく)

 一番の気に入りは、刻みネギ・かつおぶし・ちぎり梅肉・
 ショウガ少々(なくても可)を和えて
 お醤油をたらしたもの。

 これをおかずにご飯を食べたり、
 奴豆腐にのっけたりします。
 ワカメとこれを和えて、
 サラダみたいに食べたりしてもうまいです。
 牛肉とワカメを炒めて、
 これを酒でのばしたもので味つけてなかなかうまいし。

 あと、ショウガ(針生姜または摺り下ろし)少々を
 味噌汁に入れるのもいけます。
 ちなみに味噌汁にはすりごまを入れてもうまいです。

 なんか、うまいですうまいですって
 連発してたらおなかすいてきたので
 何か作って食べることにしますので、今日はこのへんで。
 (りえぞー)


うはー、わしも、はらへってきた。
いやはや、りえぞーどの、相当な薬味名人じゃ。
酒飲み、でもありそうじゃが……。
わしは、薬味の始発駅であり終着駅は
「おかか+しょうゆ」だと思っとってな、
これにバリエーションをつけていくというのが
「薬味初心者」におすすめしたいことのひとつじゃよ。
ノリ、カイワレ、わけぎ、なんでもとりあえず
オカカとしょうゆにまぶしてみる。
ああ、それだけでゴハン食べられそうじゃなー。
(あ、腹が鳴った)



もひとつ、こちら。

●自炊老人さん。
 薬味の話、私にとってむっちゃくちゃタイムリーです。
 最近友達と「鍋部」を結成し、
 鍋を囲むことが何度かありまして、
 そのときは大根おろしとか、半ずりのごまとか、
 小ネギの刻んだ奴とか使ってます。
 細かいものはおちょこにいれたりして。
 テーブルの上に薬味がいっぱいあると
 それだけでうれしくなりますよね。

 あと、この前友人が二人ウチに来たとき、
 作って大好評だったのは、うどんです。
 市販のもので、粉のついてるちょっと高めなかんじの生麺。
 うどんは普通にゆでて、
 あっためておいた土鍋にゆで汁と一緒にいれました。
 なんかこれだけで豪華な気分です。
 それをあったかいおつゆにつけて食べました。
 釜揚げうどんというべきでしょうか。
 ポイントはそのおつゆに入れる薬味。

 基本的なところだと、
 大根おろし、ごま、刻んだ小ネギ、
 揚げ玉
なんかを使いました。
 それプラス
 納豆に卵の黄身とネギだけ入れてかき混ぜたものとか、
 あ、オーブントースターで焼いた長ネギも出しました。

 それと、好評だったのが、
 ひき肉と玉葱と長葱の刻んだのを炒めて、
 酒、味噌、醤油、砂糖、トウバンジャン、
 テンメンジャンで味付けした肉味噌です。
 ちょっと残った分は、その夜の内に一人が
 ご飯にかけて食べてました。
 ポイントは出来上がったらちょっとほっといて、
 味がなじむのを待つことだと思います。

 あー。
 腹減ってきた。(宇佐見直人)

 
宇佐美どのも腹減りか。薬味のことを考えると
なんでこう極端に腹が減るのかのう。
焼いた長ネギ、というのが、こりゃまた、
ああ、もう、だめ、わし。
めしつくることにしたので、今日はこれまで。



また次回!!

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「フライパンひとつ」への投稿はもちろん、
「薬味」や、
みなさんの得意なそのほかのレシピや、
自炊に関することがらのメールも、
じゃんじゃん お待ちしてます!
jisui@1101.comまでお送りくださいね。

TINTIN, SNOWY!♪
イラスト 小林ひろこ

2001-02-06-TUE

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