がんばれ自炊くん!
「ふだん食」はじぶんで作るって、どう?

自炊初心者のための道具ガイド その3
5点コースの続きじゃ!


東京はお盆で人もクルマも少ないのう。
暑さは相変わらずじゃが
クルマが少ないと、こう、街全体が
のんびりしたムードじゃな。
今週はこのコンテンツも、
のんびりと進めていくことにしよう。
今日も、一働きしたら昼寝して、
日がかげったら自転車で散策に出かけるか。
そのままスーパーに寄って夕飯の買い物じゃ。
昨日「電子レンジで豆腐のつくれる豆乳」というのを
見つけてやってみたら、これが旨かったでまた買うのじゃ!



そうそう、ところで、いきなり横道にそれるが、
鼠穴近所の麻布十番商店街は
今週末が納涼祭りだというではないか!
麻布十番の祭りはいろんな旨いものの屋台が
出ることで有名じゃな。たしか、
各国大使館のエスニック屋台も出ると聞いた。
これは行かねばならん。日々の自炊のなかに
こういうアクセントを入れるのは、
非常に楽しいことじゃからな。
鼠穴の西田部部長、わしとデートせんかね?
ふおっふおっふおっふおっ。

さて。今日は、前回に続いて、
(B)5点コース・これがあればなんとかなるぜ!
の巻じゃよ! ではGOじゃ!

●拙案5点セットは
 1)直径15センチ位のふたつき片手鍋
 ラーメンを作ったり、レトルトを温めたり、
 なにより一食分のおかずを温め返すのに便利。
 2)直径20センチ強のふたつき厚手&深手両手鍋
 (日本ではシチュー鍋とよぶのでしょうか?)
 麺類をゆでたり、ごはん炊いたり、おかずを作ったり。
 ちょっと小さいんじゃないのと思われる向きも
 あるかもしれませんが、まぁ一つ持ってて損はない
 サイズでしょう。シングルなら作り過ぎないのも
 自炊の重要なポイント。鍋類は「ふたつき」を。
 3)ステンレス万能包丁大小二本組み
 いわゆる牛刀というものとぺティナイフのセット。
 あまり使い比べたことはありませんが
 「通販生活」の「正広の包丁」セットは及第点でしょう。
 包丁は、あまりペラペラだったり切れなかったりすると、
 手を切って危険ですし、かぼちゃを割るのに苦労します。
 4)まな板
 なんでもよいです。が、あまり小さいものは
 使い勝手が悪いです。一人暮らしでも実家にあったのと
 同じサイズを買いましょう。ちなみに私も木が好きです。
 5)魚焼き網
 なにもつくりたくなーい! な日は、
 残りご飯に干物をちゃっちゃとあぶって。
 これも包丁同様、ちょっと良い目の、
 火のあたりがまろやかになる工夫のあるのがいいです。
 いざとなったらトーストも焼ける。
 あとは小物類ですね。菜ばしとかお玉とかフライ返しとか
 布巾とかざるとかしゃもじとか。
 あっ、フライパン忘れました! とりあえずフッ素加工の
 安物でいいんじゃないでしょうか。
 他所んちでちょっと使った感じでは
 ふちがふつうのより高くなった中華なべとの
 合いの子みたいなのが便利でした。
 
 自炊老人様の5つ道具は
 自炊達人の道具としては十分いいと思います。
 が、初心者には私はあまり薦めません。
 実家なり何なりで料理をしていた人が
 一人暮らしを始める時ならともかく、
 大方の自炊初心者は自炊が好きかどうかまだ不明です。
 1)中華鍋、和包丁
 これらは錆びさせる可能性があります。
 使わなくなって錆びきった中華鍋ほど
 流しの下で場所を取るものはありません。
 この二つをそろえるのは自炊がある程度板につき、
 自分が鍋を熱いうちにささっと洗うほどに
 マメな性格であることが判明し、
 かつ一日の終わりに独りこっそり包丁を研ぐことで
 ストレスが消えていくことを発見した後で
 かまわないと思います。
 和包丁は、自分で研げなければ価値が半減してしまいます。
 2)厚底の大きめの鍋
 これは確かに便利です。
 が、1万5千円物をいきなり買うのは疑問です。
 強いていい鍋を買うなら(家族数にもよりますが)
 「通販生活」で扱っているクリステル両手鍋三点セット
 (2万4千円?)で鍋類は向う10年オッケーだと
 思いますが、こういうものは安物を一度
 ボコボコのガタガタになるまで使い込んでからで
 よいのではないでしょうか。(井上)

すべてに一理ある意見をいただいた。さんきゅうじゃ。
魚焼き網がそれほど万能だとは、わしも気づかなんだ
(拙宅のコンロには魚を焼く専用オーブンがついとるでの)。

で、御意見のほうじゃが、自炊初心者向けには、
手入れが難しい、高価な道具はどうか? ということじゃな。
わしがあえて錆びやすい和包丁や鉄製中華鍋を選んだのは、
それが長年の自炊生活のなかで
「勝ち残ったもの」だったからじゃよ。
多少の「面倒」(包丁を研いだり、使ったらすぐ洗ったり、
ということじゃな)を受け入れてでも、
使いやすさはこちらのほうが、わしには、上じゃった。
もっともそれはわしが培ったスタイルじゃ。
自炊人の数だけスタイルあり。
初心者自炊人には、先輩自炊人達の多様なスタイルを
見てもらって、試行錯誤をしながら、
自分の自炊スタイルを見つけてほしいと思うぞ。
そういう意味では、井上殿の意見も、
積年の自炊生活から生まれたリアルなものと見たぞ。

余談じゃが、わしは自炊人でもあるが物欲人でもあってな、
「いい道具ホシイ!」じじいなのじゃ。
そのことでやる気がでるタイプでの(しょーがないのう)。
これは「ムダでしょ!」と怒られたら
「ゴメンナサイ」と言うしかない。
(何度言ってきたことか……。)




わが愛する中華鍋については
こんな援護もいただいておるぞ。

●中華鍋の人気って高いんですね!
 うれしくなってしまったので、メールしちゃいます。
 1人暮しをするようになったら、まず中華鍋を買え、と
 母にずっと言われて育ってきました。
 我が家にもあります。
 鉄製の中華鍋。持ち手は1つです。
 私が生まれる前、大阪のデパートで買ったものだそうです。
 私は今21なので、もう21年以上も働きつづけていることに
 なるんですが、いいかんじに使いこまれています。
 炒め物、揚げ物は全部これでやります。
 鉄の中華鍋は、油がなじむと本当においしく、
 キレイに料理することができます。
 ただし、重いです…。
 我が家のは、BIGサイズだからでしょうが、
 女性にはすこし小ぶりなほうが使いやすいと思います。
 デパートで5000円も出せば買えると思います。
 持ち手が壊れたら、持ち手のみ交換できるそうですが、
 我が屋の中華鍋は一度も交換することなく
 今まで来ています。
 他の鍋は壊れて何度も買い換えたけど、
 これだけはずっと使いつづけているんですよ。
 (nari)


油がなじんだ中華鍋は、そうそう錆びることはないし、
かなり乱暴に(わしもそうじゃが)使っても壊れない。
パスタソースも、混ぜやすい、
せいろを導入すれば蒸し物もできる。
万能、という意味でこれに勝るものはなかなかないと
わしも思っとるよ。

そうそう、万能といえば前回提議した「圧力鍋」についても
メールをいただいた。これも紹介しておこう。
(またもや横道じゃが。)

●「圧力鍋」について意見を求められているとのことで
 是非とも「熱烈圧力鍋派」としてご意見差し上げたく
 筆を取り・・・ではなくキーを叩きました。
 
 数年前、まだ私が自炊初心者だったころ
 「お米を炊く」といえばなにを迷うことなく
 「電気炊飯器」でした。
 「さあこれから一人で暮らすぞ!」と意気込んでいるとき
 「まず最初に買いそろえるものリスト」なんかを
 メモっていると上から3番目くらいにはたいてい
 「電気炊飯器」が並びます。
 「やっぱり一人暮らしでもご飯くらい炊けないと!」
 などとハナイキふんふんをそそる、この「電気炊飯器」。
 実は、非常におく場所に困るのです。

 都会のはじめての一人暮らしで、
 一番困るのは「収納」です。
 なるべくコンパクトにシンプルに暮らしたい・・・。

 そこでおすすめはこの「圧力鍋」。
 まず、お米が簡単に炊けるので、
 「電気炊飯器」は必要なし。
 これだけでも台所まわりがいきなりスッキリとします。

 さらに「圧力鍋」でご飯を炊くと時間が短縮できます。
 夕飯と朝の一杯でだいたい私はお米を二合炊きますが
 これだと鍋を火にかけている時間は約10分程度。
 そのあと10分ほど放っておいて「蒸らす」のですが
 そのあいだ鍋は火から下ろせるので
 口数の少ないガスコンロも有意義に使えます。

 また、「圧力鍋」にはご飯を保温する機能はないので
 必然的に「ラップしてジップしてフリージングしてチンね
 になります。
 「電気炊飯器」でおいしくご飯をいただける時間ってのは
 実はすごく短いらしいです。
 そしてその電気料はびっくりするほど高いのだそうです。
 また、電子レンジがない方には「おかゆにする」という
 手があります。
 そして一番のポイントは
 「圧力鍋で炊く安いお米」と
 「電気炊飯器で炊くそこそこのお値段の米」
 実は前者のほうがはるかにおいしくいただけるのです。
 お米がつぶつぶぴかぴかに光って
 たとえおかずが納豆だけでも
 今日一日に感謝できるシアワセな気持ちになれるのです。
 自炊老人様のおっしゃっていた
 「途中で味見ができない」というのは
 圧力をかけた状態での調理を指しますが
 「圧力鍋」だからといって
 いつも圧力をかけなくてもいいのです。
 時には「蓋の重い鍋」として使われると用途が広がります。
 シチューやカレーの時には吹きこぼれを防いでくれますよ。

 都会の一人暮らしを目指している方に
 是非ともおすすめしたいですね。
 見た目も「強そうなカブトムシ」みたいで
 カッコよいですよ。
 ちなみに私は駅前のスーパーで
 フランス製のものを5000円で買いました。
 「電気炊飯器」と比べると安い出費です。
 (そのだもちこ)


そうじゃったのか!!
このメールを読んで、
いままで圧力鍋を使っていなかったことが悔やまれてきたぞ。
次の休日にはちょいと見に行ってみるかな。
わしは、米は玄米なものじゃから、玄米の炊ける
ちと高めの電気炊飯器を使っとる。が、これが、
いまいちなのじゃよ(がっくり)。
そのだ殿、さんきゅうじゃ!



では本論に戻って、5点コース続きじゃ。
こちらも、初心者向け、ということを
考えてくれたメールじゃ。

●自炊老人さんのお勧め5点コース、
 もっともだと思いました。
 が、もっと素人っぽい道具でも
 最初はいいかな、とも思います。
 慣れてきてから、イイ道具を手に入れる
 ほうが、喜びもひとしおですし。
 住む家の近くで、うんと庶民的な
 日用品を売っているスーパーを探します。
 (西友とか東急ストアとか)
 調理道具だけでなく、日常のこまごましたものも
 一緒に手に入ります。
 ワタシがよく使っているのは、
 ・包丁(ステンレスの三徳包丁、刃渡り17cm)
 ・まな板(プラスチック、たて44cm、よこ25cm)
 ・片手鍋(アルミかな?直径18cm、深さ10cm、
  蓋つき)
 ・フライパン(テフロン加工、直径24cm、深さ5cm)
 このうち片手鍋は、実家で使っていないのを
 もらっちゃいました。
 (お母様に交渉してみてはどうでしょう)
 で、包丁、まな板、フライパンの3点で
 5000円くらいではないかと思います。
 最初は、とにかく安くて、捨ててもぜんぜん
 惜しくないものでやってみるのをお勧めします。
 人からきいてそろえるよりも、自分でやってみて、
 感性磨いて、選ぶ目をもったほうが
 料理だけでなく、いろいろ応用がきくでしょ。
 道具の使い勝手って、その人だけの感覚だし。
 包丁は、三徳包丁がいいですね。
 (ハガネかどうかはご予算次第)
 研ぐのは、よく売ってる簡単研ぎ器でなく、
 砥石がいいそうですよ。
 ワタシは、簡単研ぎ器を使っていて、
 あまりに切れなくなって
 刃物屋で研いでもらいました。(1000円也)
 切れる包丁の方が危なくないことがわかります。
 まな板は、木製の方がいいとは思うんだけど
 重いし、魚とか肉のにおいがつくのもイヤなので
 プラスチックを選びました。
 材質はお好み&ご予算次第ですが、
 面積はこれ以下だと、料理しづらいと思う。
 鍋については、やっぱりパスタがゆでられる、
 カレーも作れるくらいの深さのあるやつがないと
 つらいですね。(一人分なら、10cmの深さで十分)
 15000円かぁ。最初はちょっと迷っちゃいますよね。
 実家で余ってなかったら、フライパンより鍋のほうが
 よく使うので、予算をあてた方がいいですね。
 でも、最初はもっと安くてもいいと思うけどな。
 蓋はついてた方がいいです。
 (フライパンも、蓋があって、やや深いほうがいい)
 (こやぎ)


じつに実用的かつ予算も安くてよろしい。
こやぎ殿の推薦は4点じゃが、「砥石」を追加して5点、
と解釈しよう。

鍋などは材質もそうじゃが、
意外と重要なのが「デザイン」じゃ。
そこは多少、ふんばって、気に入るものを探すほうが
あとあと、大事にするからよいと思うぞ。
たとえば、わしは頂き物の「花柄のほうろう鍋」に
非常に困ったことがある。ほうろうの鍋が優れているのは
じゅうじゅう承知じゃし、使いたいのじゃが、
どうしても花柄がのう。自炊プライドというか、
なにかがどうしても譲れずに、人に差し上げた。
自分で買うときは吟味すべし、じゃ。
それも楽しいぞ〜!

さ、続きはまた次回じゃ!




★おっと。まだまだあるでな、ゴーヤコラム★

わがゴーヤブーム、まだ続いとるよ。
こんなメールをいただいたでな、紹介しよう!

●がんばれ自炊くん! を楽しく読んでます。
 実は、私も4、5年前からゴーヤにはまってます。
 我が家では、居間の日よけとして、
 窓の外に網を張ってゴーヤの蔓を絡ませています。
 ゴーヤは、手間入らずで、水さえ欠かさなかったら、
 どんどん大きくなってくれるし、
 実をたくさんつけてくれるし、
 花や葉もとても可愛くて観賞用にも適してます。
 毎朝、「あのゴーヤはもう採ってもいいね」なんて
 家族といいながらゴーヤを愛でてます。
 庭がなくても、野菜用のプランターを置けるだけの
 スペースと蔓を絡ませてあげられる何かがあれば
 栽培できます。とは言え、朝顔ごときではいけません、
 きゅうりを育てるくらいに考えて下さい。
 日当たりと水やりも必要です。苗は春先になると
 野菜の苗を売るようなお店で手に入ります。
 我が家は大阪の近郊なので、
 沖縄程のピュアな太陽がありませんので、
 沖縄産のゴーヤにくらべると
 都会のヘナチョコゴーヤしかできません。
 無農薬、採りたて超新鮮だけがとりえのゴーヤです。
 でもけっこうおいしいです。
 さて食べ方ですが、ゴーヤチャンプルーはもちろんのこと、
 我が家のお気に入りは「おひたし」です。
 ホウレン草のおひたしを作るのと同じ作り方です。
 4ミリ位の厚さに切って、湯がき過ぎないで、
 シャキッした感じが残るように茹でるのがコツです。
 あとは、自然に熱をとって、かつをぶしをかけて、
 お醤油をかけてお召し上がりください。
 スローフードでしょ?
 初めのうちは苦さが気になるけど、
 食べてるうちに、やみつきになります。
 ゴーヤのお蔭で、きゅうりやトマトも
 栽培するようになりました。
 売っているものとはちがうおいしさにはまってます。
 もちろん各種ハーブもほったらかしにして
 鉢植えの雑草のごとくですが、育ててます。
 (林 真実子)
 
拙宅(アパートメントの5階じゃ。ベランダはあるぞ)でも
できるかのう? カラダだけでなく心が健康になりそうな
ステキな提案じゃ。さんきゅうじゃ、林どの!


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新しい議題へのメール、お待ちしてます!
jisui@1101.comまでお送りくださいね。

もちろん、この議題以外にも、さまざまなレシピや
自炊に関することがらの
いろんなおたよりもお待ちしていますよ!
(感想も、よろしくね!)


ニッポンの夏、じゃ〜。

2000-08-15-TUE

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