がんばれ自炊くん!
「ふだん食」はじぶんで作るって、どう?

先輩自炊人たち、スパゲティを考える。その4
〜250円で旨いスパゲティ・ソースは作れるか?〜
●ベーコンはかつおぶしである



いきなりじゃがの。宣言させてもらおうぞ。

ベーコンは、かつおぶしじゃ! 

ふがふが(鼻息)。いかん、興奮しとるわい。
どういう意味かと言うとじゃな、
日本にはかつおぶしという優秀な食材があるじゃろう。
「料理の下味(だし)」として縁の下の力持ちであり
「トッピング」としても他に類をみないほどの
味わいをもたらしてくれる食材、それがかつおぶしじゃ。

わしは、かねがね、そのような役割をもつ食材に
かつおぶしに勝るものは
なかなかないじゃろう、と思っとった。
が。
今回、先輩自炊人たちの投稿を読み進めながら
思い至ったのじゃ。
ベーコンがあるではないか、と。

ベーコンは、塩漬けした豚肉(多くはバラ肉じゃ)を
燻製にしたものじゃ。
弱火でじっくりソテーすると
脂とともにうま味がじんわりにじみ出てくる。
そのうま味は、単独でもきわめて個性的なものでありながら、
ほかの食材との奏でるハーモニーもきわめて美しい。
まさしく「かつおぶし」的な食材なのじゃ。

さあ、今回はスパゲティ栄光の三大ソースその参、
ベーコンの巻、じゃぞ!


単価はやや高いが、何度かにわけて使うじゃろうから
250円コースとして紹介しよう。
ベーコンがこんなに多彩に表現されるとは
わしも驚きじゃよ!
まずは、手間なしメニューじゃ。

●手間をかけないなら「ベーコン+アスパラ」or
 「ベーコン+しめじ」などを炒めるだけです。
 (バリエーションは∞)
 味付けは殆ど塩だけで、
 気分次第で仕上げにしょうゆをたらしたり
 こってりしたのが食べたい時は
 マヨネーズをお皿に添えたり。
 ちょっと手を加えるなら「ベーコン+ポテト」で。
 ポテトは一度さっと揚げておいて、
 あとはベーコンと一緒に炒めて塩味で和えます。
 (中村 佳奈実)


ビールのつまみにも、ゴハンのおかずにも
なりそうなレシピじゃな。
ピーマン、ブロッコリ、オクラなど
歯ごたえのある野菜なら
このバリエーションが楽しめそうじゃ。

お? しんなりした野菜も旨いとな?
そのレシピが、これじゃ。

●ほうれんそうとベーコンのスパゲティです。
 ・スパゲッティーのためのお湯を沸かす。
 ・ほうれん草を塩を加えたお湯で、少し堅めにゆでる。
 ・ベーコンを1センチ幅ぐらいに切る。
 ・フライパンにオリーブオイル(油)をひき、ベーコンを
  かりかりになるまで、炒める。
 ・スバゲッティーをゆでる。
 ・ゆでたほうれん草の水気を絞って、4センチほどに切る。
 ・ベーコンが炒められたら、ほうれん草を加える。
  バターを加えて、塩、こしょうを加え、軽く炒める。
  醤油を加えて、味見をしてやや辛いぐらいの味にする。
 ・ゆであがったスパゲッティーを加え、手早く、炒める。
  スパゲッティーを味見して、薄いようだったら、
  塩、こしょう、醤油を加える。(桃子)

なるほど。しかし、ベーコンから脂が出るのじゃから、
オリーブオイルはごく少量でよいかもしれん
(フライパンの種類にもよるがの)。
最後のバターも、香りていど、と解釈させていただいた。
ほうれんそう以外にも、小松菜、モロヘイヤなど
クセのある野菜でためしてみたくなるメニューじゃ。

●にんにくとタマネギとベーコンのスパゲティー。
 姉と貧乏2人暮らしをしてた時に作ってました。
 たっぷりのオリーブオイルでみじん切りのにんにく、
 タマネギをタマネギがとろっとする位まで炒めて、
 ベーコンをいれ、ベーコンもチョット
 かりっとするくらいまで炒めます。
 そこに同時にゆでておいた
 アルデンテ1歩手前のスパげティーを加え、
 そのゆで汁で塩加減と水気を調節します。
 コツは、スパゲティーをゆでる時は多めの塩をいれて。
 めんをざるに開ける時も最後に調節に使うゆで汁を
 おたまいっぱい位残しておきます。
 タマネギの甘味とかりっとしたベーコン、
 にんにくの香りがたまらないです。
 よくからむようにオリーブオイルは気持ち多めの方が
 美味しい気がします。めんの湯で加減と
 その後の加熱で味はかなりかわってしまいます。
 書いてたら食べたくなってきました。(ayuko)

タマネギとゆで汁で、とろっとした食感が
楽しめそうじゃな。アツアツに違いない!
はふはふはふ、と食べる幸せな姉妹の姿が目に浮かんだぞよ。

●スパゲティをゆでているスキに、
 タネをとって輪切りにしたたかのつめと
 おろしたにんにくをフライパンに入れ、
 オリーブオイルをかけ、
 なじませたあと、火をつけます。
 フライパン中の物体からケムリがひとすじ立ったら、
 石づきをとってほぐしたしめじと
 お好みの小ささに切ったベーコンを投入。
 塩・こしょう・醤油で味をつけておきます。
 そこにゆであがったスパゲティとゆで汁少々を入れ、
 一緒に炒めます。
 たかのつめとにんにくを炒める前(火をつける前)に、
 オリーブオイルにすこしなじませるのがコツ。
 (柿原ひとみ)


シンプルな中に、
譲れない頑固なまでのテクニックを見たぞ。
なじませるかなじませないかで、
きっと味が変わるのじゃろう。

次は、大作じゃ。


●「ベーコンと にんにくの芽のスパゲッティ」です。
 ソースのだしになるのはベーコンです。
 3枚使うとしたら、1枚はスライスして そのまま
 フライパンに。どの具よりも一番先に入れます。
 強火で油を出して、そして重要なのが、わざと
 フライパンにこびりつかせること。焦がすのとは違くて、
 ベーコンがちょっとフライパンにこびりついたなー、
 と思ったらフォークでこそげ取る、
 というような作業です。
 そのこびりついたものが、
 あとで このソースの旨みになるので、
 大切に育てましょう。
 次は、ベーコンから出た油にゴマ油を足して、
 5cmくらいの長さに切ったにんにくの芽を炒めます。
 さっきのベーコンがあるので、焦げやすいから注意。
 しんなりして表面に焼き色が付いたら、スパゲッティの
 茹で汁を少々入れる。おたまに軽く1杯くらいの目安で。
 そこで、先程から育てておいたベーコン(のこびりつき)
 を木ベラか何かで剥がして、ソースの中に溶かして
 ください。そして塩を入れて味を調えます。ベーコンの
 塩味もあるので、ちょっとずつ入れてください。
 残りの2枚のベーコンは、魚を焼く網で焼きます。
 こうすると、フライパンで炒めるのとは全く違う美味しさに
 なります。ジューシー。少し焦げ目がついて、油が
 じゅっと出てくるまであぶります。食べやすい大きさに
 切って、別の皿に置いておきます。
 先程の茹で上がったソースにスパゲッティをあけ、
 全体を素早くからませて、仕上げにゴマ油を少々。
 皿に盛って、別にしておいたベーコン、
 白胡麻、黒こしょうも盛り付けて、できあがり。
 にんにくの芽は、スパゲッティには
 かかせないニンニクと、鮮やかな色味を出す、
 という役割を一気に引き受けてくれます。
 しかも、安い。そして旨い。油を吸うと、独特の
 香りと甘味が出るんですよね。栄養も最高。
 (fujico.)


おおおおおおおおおお。
ベーコンのこびりつき、というところが
非常に、とても、すばらしく、旨そうじゃああ……ポト。
いかん、涎が。
「ベーコンを育てる」という具合。
これは、ぜひほかのレシピでも応用したいところじゃ!

最後は、夏らしいサラダスパゲティを、一皿。

●ベーコンエッグ・サラダスパゲティです。
 1)タマネギをスライスオニオンにして、
   水にさらす
 2)レタスを一口大にカットする
 3)パスタをアルデンテに茹でる
 4)水気を切ったスライスオニオンとレタスを
   混ぜて、ボウルに敷き、パスタをのせる
 5)4の上にカリカリに焼いたベーコンと
   半熟の目玉焼き、刻んだパセリをのせ、
   ドレッシングをかける
 6)混ぜて食べる!
 個人的にオススメのドレッシングは、
  「キューピーテイスティードレッシング和風」です。
 野菜のシャッキリ感と、パスタとベーコンエッグの
 ホット感を楽しむために、速攻で食べてください(笑)。
 また、スライスオニオンは、タマネギの辛みが
 苦手という方は、スライスオニオンに、
 先にドレッシングをかけてしんなりさせると、
 まろやかになります。
 (鍬田美穂)


オリジナルじゃのう。非常にオリジナルじゃ!
それだけに、最後にかけるドレッシングが
市販のものであることが、残念じゃ。
醤油とオリーブオイルと酢、などで
ぜひ、おいしい試行錯誤を促したいところじゃ。

さて。
ここまで紹介して、お気づきのことがあるであろう。
そうじゃ。
ベーコンなのに 「あれ」が、まだ、出ておらん。
いやいや、安心めされよ。「あれ」は、ちゃーんと、
明日、ご紹介する心積もりじゃからな。
その「あれ」とは…………
コホン、とにかく明日じゃよ。
シー・ユー・トウモローじゃ!

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みなさんのレシピ、引き続き募集しています。
メールでjisui@1101.comまでお送りくださいね。

もちろん、通常のおたよりもお待ちしていますよ!

2000-07-22-SAT

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