大橋歩さんと大貫妙子さんの対談より。

第7回 みんなできもちをひとつにしよう。
── 大貫さんは、1曲を録るのに、
何十回も同じことを
やったりすることもあるんですか。
大貫 いいえ、そんな何十回も
同じことをしては録れません。だいたい、
3テイクぐらいまでしか録れないですね。
── 3テイクって決めているんですか。
大貫 3テイク目までで録れなかったら、
何か問題があるんですよね。
だから、大体、多くて3テイクまで。
それは、全員でやった場合ですよ。
その前にもちろん、リハーサルはしますけど。
それに、人の緊張って、
そんなに続かないんですよね。
そんなに何回も何回も録れるほどの緊張は。
── そうすると、レコーディング全体にかける
時間としても、ダビングに比べて、
随分、節約できそうですね。
大貫 ええ、そうですね。ただ、やっぱり、
録るまでの気持ちが‥‥
いい感じになってくるまでの感じとか、
その前にバカなことを
みんな言ったりしていて、
盛り上がってきて「やりましょうか!」
って言うまでには、
結構、時間かかるんですよ(笑)。
── それは、大貫さんが自ら、盛り上げ係に?
大貫 もちろんですよ。私はそのための役だけって
言ってもいいくらい。ほんとに(笑)。
だって、やっぱり私のレコードなので‥‥
大橋 ええ。
大貫 いいものさえ録れれば! って、
それだけしか考えてないじゃないですか。
責任があるのは私だけですから、
それに関して。そのためだったら、
もう、もう‥‥(笑)いくらでも!
── アハハハハ‥‥そうなんですか。
沼澤さんは、「大貫さんのレコーディングで
おいしいサンドイッチを食べたよ」とか、
よくおっしゃっていますよ。
大貫 ええ。レコーディングの前にね、
私がよく行くカフェに行きまして、
みんなのサンドイッチとか、
サラダとか、ほんとに美味しくて、
体によさそうなものを
ドーンと買って持っていくんです。
あの人たち、ろくな物を
食べていないんで(笑)!
── アッハハハハ!
大貫 キーボードの森俊之さんとか、
なんにも食べないで来るんですよね。
忙しいかたなので、
ぎりぎりまで、きっと寝ているのね。
「今日、何か食べた?」と聞くと、
「いやぁ、まだ‥‥」って。
髪がこぉんなに、立ってたりするしね。
でも自分のレコーディングのときは、
何かちょっと口に入れてもらわないと
困るんですよね。
何か、ちょっとでもいいんで。
それで、私が持参するんです。
アメリカなんかの
レコーディングスタジオって、
お昼くらいから始まるときって、
どこのスタジオでもじゃないけれど、
サラダバーみたいなのがあるんですよね。
── サラダバーがレコーディングスタジオに、
ある?
大貫 あるところが、結構あるんですよ。
フレッシュな野菜が切ってあって、
ディップ‥‥付けるものが何種類もあって、
ベーグルみたいなのが、ぼんと置いてあって。
── へえ! いいですねぇ!
大貫 そんなものをちょくちょく口にしながら、
楽しく話しながら、
「じゃあ、レコーディングしようか」的な
ところがあるんですけど、
日本のスタジオって‥‥飴くらいかな。
フルーツとか切ってくれる
スタジオもありますけれど。
でも、基本的にそういう感じなのね。
だからやっぱり‥‥何て言うのかな‥‥
スタートは食べ物から!
── なるほど! だから、あんなに
「大貫さんのレコーディングは楽しい!」
という声が出るんですね。
食べ物は、だいじですよね。
大貫 だいじです!
そういうすべての環境を整えたうえで、
いい気分になってレコーディングして
いただきたいんです。
ちゃんとした食べ物をつねに置いておけば、
ちょっと1個、プレーを終わった後に
パクッと食べられるでしょう?
── いいですね!
大貫 それだけでもね、
すごく空気がいいじゃないですか。
  (次の更新は金曜日です!
 お楽しみに。)


 
illustration by 大橋歩   


●「アルネ」はこんな雑誌です。

「アルネ」は大橋歩さんが
企画から編集、写真撮影、取材まで、
ひとりでつくっている雑誌です。
2005年の春に出た、
第11号は、こんな内容でした。

アルネ 11
特集:
「『ギンザ』編集長 
 淀川美代子さんに
 おはなし聞きました」
ほか糸井重里のエッセイ「犬の約束」、
大貫妙子さんの連載
「愛され続けた音楽」など。
2005年3月15日発行
税込525円
くわしくはこちらから。

おもとめは、全国の販売店
あるいは大橋さんのHPの
お申し込みページからどうぞ!
(このコラムでは、アルネのバックナンバーを
 順番に、ご紹介していきますね!)

大橋歩さんのHPはこちらです。


●「One Fine Day」はこんなアルバムです。

「One Fine Day」は大貫妙子さんの
3年ぶり、25枚目のアルバムです。

One Fine Day
2005.2.16発売
TOCT-25602
税込3,200円
1:船出
2:The Blank Paper
3:One Fine Day With You
4:Hiver<イヴェール>
5:Hello, Goodbye
6:Time To Go
7:De´ja` vu<デジャヴ
8:春の手紙 [2005 version]
9:Voyage<ヴォヤージュ>
10:A Kiss From The Sun

くわしくはこちらから。
おもとめは、全国のCDショップまたは
ネットショップなどでどうぞ!

大貫妙子さんのHPはこちらです。


●大貫さんが新ユニット
 「K'DO」を結成!
 この秋、Blue Note ツアーをしますよ!


写真は、左から、
森俊之さん(キーボード)、
沼澤尚さん(ドラム)、
大貫妙子さん(ボーカル)、
フェビアン・レザ・パネさん(ピアノ)、
沖山優司さん(ベース)。
この5人の音楽家があつまって
「K'DO」(カドォ)という
ユニットを結成しました。
この秋の、Blue Note、Motion Blueでの
セッションのためのスペシャルユニットです!
「K'DO」は「贈り物」を意味する
フランス語からヒントを得た造語だそうです。
さてこの5人で、どんな曲を‥‥?
フレンチからブラジリアンまで、
洗練されたポップスと、
インストゥルメンタルを予定しているそうですよ。
公演は‥‥
【モーション・ブルー・ヨコハマ】
  日時:9/14水,15木
  1st show: 6:30 pm 2nd show: 9:30 pm
  料金:¥ 5,775
  問い合わせ:045-226-1919
  http://www.motionblue.co.jp/
【名古屋ブルーノート】
  日時:9/27火, 28水
  1st show: 6:30 pm 2nd show: 9:30 pm
  料金:¥ 7,500
  問い合わせ:052-961-6311
  http://www.nagoya-bluenote.com/
【大阪ブルーノート】
  日時:10/ 4火, 5水
  1st show: 6:30 pm 2nd show: 9:30 pm
  料金:¥ 7,500
  問い合わせ:06-6342-7722
  http://osaka-bluenote.co.jp/


2005-08-02-TUE


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