イトイの読んだ本、買った本。
 
イトイの買った本
『言語表現法講義』
著者:加藤 典洋
発行:岩波書店
価格:¥ 2,415 (税込)
ISBN-13:978-4000260039


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イトイはこう言っている。
加藤典洋さんの軽めの本を読んで、
これはおもしろいと思って、
画期的な「大学の講義録」であるという
この本を買いました。
ぱらぱら見たかぎりでは、かなりおもしろそう。
だけど、まだそのまんまになっています。
 
『言語表現法講義』は
ブラジルサンパウロの
インターナショナルスクールに通う
高校生を対象にして教科書として使われています。

生徒たちからの評判はすこぶるよいです。
こういうことを知りたかったんだ、と
すぐ反応してくれるのです。
こちらにきて、
急に日本文学の先生を始めることになった私が
当初からこの本を入手できたことこそ
一番のラッキーでした。
(S)
この本は
私が、生徒の小論文指導なんかで
勉強しなくてはいけないときに、
ふと手に取った一冊だったように思います。

実践的な面でも大変役に立ちましたし、
がつんとくる表現とも出会いました。

いい内容の文章は記憶に残るし、
記憶に残る文章だけがいい内容というようなことを、
上野千鶴子さんがどこかの本で書いておられましたが、
そういう意味でいうと、
この加藤さんの『言語表現法講義』は、
私にとっての完全な良書でした。
(B)
 
乗組員も読んでみた。
これは、加藤典洋さんが、明治学院大学で
第二、第三学年の学生さんを対象に、
1987年から九年間続けられた授業を
活字版として一冊の本にまとめられたものです。

この授業の目的は、考えたことを書くのではなく
書くことを手がかりに物を考える、
または自分と出会うための経験の場となること、です。
作家になるための勉強や、
文章がうまいと言われるための
テクニックを身につける教室ではありません、
とまず書いてあります。

しかし、書くことをわざわざ「経験」というのは
どういうことでしょう。
厳しいということなのでしょうか?
それと、
いろいろな文学研究の話が出てきて難しいのでは? 
と、最初は読みはじめるのに躊躇しました。
(表紙も教科書っぽいですしね。)

しかも加藤さんは学生の書いたものにはっきりと、
これはよい文章、これはダメな文章、と、
プロとしてごまかしなく、切り込んできます。
読んでいてときどき、落ち込みます。

しかしこの本には、そんなうわべだけのことじゃない、
喜びや発見の楽しみについて、書かれています。
だれでもない自分しか書けないこと、
そこが立脚点となって、書くという経験が始まるのだ、
それはちょっと苦しくても、わくわくするのだ、と。

これ、できるかどうかは別として、
ということもふくめて、
将棋や野球といった
新しい遊びを覚えた時のわくわく感と似ています。
読んでよかった、と思いました。

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感想を送ってくださったみなさん、
ありがとうございました!
また次回の「イトイの読んだ本、買った本。」を
お楽しみに。
2009-01-17-SAT
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