いろどり 稼ぐおばあちゃんたちの町。
13 これからの「いろどり」。

糸井 「いろどり」は、これからの展開も
いろいろ考えられますね。
食材食器、さまざまなものを
ここ上勝一帯が生んでいってくれるような
可能性がありますね。
横石 たとえば、氷の中に
小さくて真っ赤な紅葉を入れて、
ワイングラスのなかに
浮かべたら、とか。
13 これからの「いろどり」。
山田 わあ、それはきっと、
やりたい人がいっぱいいますよ。
横石 そうめんの下に、
氷をしいて、食べていくごとに
赤い紅葉がバーッと見えてくる、とか。
秋は燃えるような柿の葉っぱ、
初夏ならあじさいの葉をコースターにして
冷たいアイスコーヒーを飲んだり。
糸井 横石さんがいつも考えるのは、
やっぱり「場面」ですね。

13 これからの「いろどり」。
横石 もうちょっと量をそろえることができると、
結婚式のときに花束みたいにしたり。
いろんな用途が出てきますね。
糸井 ろうそくを
葉っぱで飾ったりするのもいいね。
ところで、洋食系では、「つまもの」は、
どういう使われ方をするんですか?
横石 ハーブやエディブルフラワーですが、
ぼくはあまりそっちには行かないようにしました。
うちには合わない。
日本風の、樹木類のほうがいいと思ったんです。
山田 市場の大きさが
まずは違うでしょうし。
糸井 洋食は「そんなのは料理の腕と関係ないだろ」と
言われやすいんじゃないかな。
ソースを絵のように描くイタリアンが
批判されると
「日本料理をヒントにした」って
言ったりするでしょう。

13 これからの「いろどり」。
山田 日本料理には、
土壌がすでにあるんですね。
糸井 洋食は、食器とかも
あんまり高いの使ってないもんね。
横石 最近、海外で日本料理店が増えてきたので、
そこでも「いろどり」を展開したらどうかと
アドバイスを受けることもあるけど、
やっぱり違います。
日本人が、紅葉や桜の木を見て
感じることは、なかなか独特です。
日本人は特別な感覚をもっているんです。
糸井 アメリカとかだと、
逆に、思い切って
鈴虫を置いちゃうくらい
するといいのかもしれないね。
「意味」にしちゃってね。
横石 そうかもしれんね。
いや、そのとおりかもしれん。

13 これからの「いろどり」。

(つづきます!)
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2006-10-25-WED

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