いろどり 稼ぐおばあちゃんたちの町。
3 葉っぱが金に化ける。

糸井 横石さんは、
「葉っぱがお金に化ける」という、
他人から言われたらきっと嫌だろうな、という言葉を
自分で真っ先に使いましたよね。
あれは、すごいと思います。
だから、おばあちゃんたちも平気で
「なんたって儲かる!」
と言うんです。
横石 はははははは。
糸井 村の入口のところに
葉っぱが金に化けたものを
うれしそうに持っている
タヌキの絵が描いてあるんです。
あれは大アイデアだよ。
横石 あのタヌキ、
僕をモデルに描いたらしいですよ。
ほら、あれです。

3 葉っぱが金に化ける。
糸井 あ、ちょっと似てる。
山田 「ひらめきの里」って書いてありますね。
横石 最初のころは
「横石さん、葉っぱをお金に換えるのは
 タヌキかキツネのおとぎ話だ、
 仕事はもっとまじめにせなあかんよ」
とおばあちゃんたちに言われたものです。
葉っぱなんて絶対に売れるわけがない、
そんなんが売れるんやったら
あちこちに御殿が建つわ、と
みんながそう言った。
糸井 「空気を売る」みたいに
思われたんだね。
横石 でも、考えてみると、
いま私たちはふつうに
ペットボトルでウーロン茶を飲んでいるでしょ。
あれだって、最初は
「お茶なんて買うものじゃない」と
思われていたんですよ。
水も、タダであたりまえのものでしたが、
いまではジュースより
高価なこともめずらしくはありません。
山田 同じように、葉っぱだって、
タダであたりまえじゃ
なかったわけですね。
横石 葉っぱの前は、ここの作物はミカンだったんです。
あのあたり、ミカン園が見えるでしょ。
あのへんは、上までずうっと柑橘園なんです。
糸井 横石さんは、
農業指導者という立場で、
この町のことを見だしたのが
そもそものはじまりだったんですよね。
横石 そうです。
ここを何とかして立て直そう、という
立場にいたんです。
でも、いわゆる「町おこし」と呼ばれるものは
本筋じゃないものを指すことが多いんです。
急場しのぎで刺繍、スリッパ、電子関係、
この町にもいろいろあったけど
みんな撤退しました。
結局みんな中国に行ってしまった。
糸井 「本筋じゃない」ね!
いやあ、そのことは、よくわかります。
「いろどり」は、横石さんは、基本的に
ひとりでおやりになったんですか。
横石 そうです。
山田 まさに、
人力ってやつですよね。
人力で、本筋になった。

3 葉っぱが金に化ける。

(つづきます!)
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2006-10-15-SUN

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