ほぼ日ブックス
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俺と言いまつがい

『言いまつがい』の本では、
みなさまから寄せられたネタを
47のジャンルに分けて掲載しています。
このコーナーでは、
いち早く『言いまつがい』に目を通し
ひとしきり笑い転げた「ほぼ日」乗組員が、
各自おすすめのジャンルについて
勝手に熱心に語っていきます。



本日の担当:ハリー
受話器の向こうに何がある?

あたり前の話だけれど、電話というのは、
相手の表情やしぐさがまったく見えない。
そのせいで、多かれ少なかれ、
ひとを緊張させる作用があるのではないだろうか。

まして、会社にかかってきた電話の場合、
相手に失礼があってはならないし、
重要な用件を聞き逃してもいけないし、
愛想よくしないといけないし、
相当に気を使うものである。

そして、そういう微妙なストレス状態は、
どうやら、言いまつがい・聞きまつがいを
非常に引き起こしやすくするらしいのだ。
その結果、冷酷非情なビジネスの世界に、
実に不条理でシュールな光景が出現することがある。

私がおすすめする「電話」篇には、そのなかでも、
特によりすぐりのサンプルが収められている。

姉は社会人になって間もないころ、
マーケティング部からの電話を、
「まめ天狗からです」
と取り次いだそうです。
(くりもも)

想像してみてほしい。
まめ天狗がどこかの会社に電話をかけているところを。
身の丈1mに満たない、
やたらちょこまかと動く小さな天狗が、
都会の雑踏のなかで、懐から携帯電話を取り出すのである。
そして相手先では、ごくまじめな顔をして、
まめ天狗からの電話を取り次ぐのである。
いったい用件はなんだったのだろうか。
非常に気になる。

そうかと思えば、こんなのもある。

以前勤めていた会社で、ある朝、
同じフロアの専務のHあての電話に、
「申し訳ありません。
 Hはまだシュッショ
 しておりません
と言ってしまい、
たまたまそこを通りがかった会長に
「こらこら、Hハンを刑務所に入れたらあかんがな!」
と叱られました。
(あいこ)

想像してみてほしい。
会社→自宅→会社という通常のサイクルではなく、
会社→刑務所→会社という、
非常にスケールの大きいサイクルを
勤務形態とする会社を。
たとえばこのH氏が出所したときには、
うずたかく積もるほどの、膨大な量の留守メモが
デスクに溜まっているし、
メールなどはもうあなた、受信するだけで
3日3晩かかるのではないか。
完了するまでに2度の刑務所入りなどという、
つき合わされる方にとっては、
たまったもんじゃない商談も、あるのかも知れない。

読んだとたんに、
こんなとんでもないビジュアルが目に浮かんでくる、
この爽快な体験を、あなたにも味わっていただけたら、
こんなにうれしいことはない 。


2004-02-06-FRI
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