その1775
すべての子どもたちは
美しい名前を持っています。
ひとりずつひとつ、かけがえのない名前を。
ところが、その、燃える命ともいえる名前は、
しばしば他者によって
「おい、コラ、マジかよ」というくらい
たいへんあっさりと
「言いまつがわれて」しまうのです。
てなわけで「名前の言いまつがい」特集。
どうぞ、最後まで、お楽しみくださいませ。
私の苗字は
小越とかいて「オゴシ」と読みます。
コエツさん」や「オオゴシさん」と
間違えられるのはよくあることなんですけど、
先日、クリーニングへ行ったとき、
後から引き取り書を見てみると
オヌシ様」になってました。
(拙者)
大学で授業をしています。
出席をとる時に大きな声で
ちゃがわくん!」と呼びました。
本当は「芥川くん」でした。
(漢字が苦手の帰国子女)
僕の名前は「ひびき」というのですが、
給食のときにひじをついて食べていたら、
それを見た先生が少し大きな声で
ひじき君!」と言った。
「ひびきとひじが混じってしまった」
と笑いながら言っていた。俺は海草かっ!
(恐いといわれる人)
数年前のお正月、
母の友人の米谷(まいや)さんの名前で
とっていた旅館に泊まりました。
入り口では「歓迎マイヤ様」となっていたので、
単に漢字がわからなかったのかなと思っていましたが、
朝食会場では「マイヤー様」と立て札のある、
日本庭園のいちばん眺めのよい席に案内されました。
明らかに生粋の日本人である私たち家族の風貌から
周囲の宿泊客は何を想像したのでしょうか。
(みやこ)
女子中学校に通っていた頃のこと。
私宛に「聡」さんから年賀状が来た。
「うちの末娘にオトコから年賀状が!」
と両親は大騒ぎ。
なんのことはない、
友達の「聡子」さんが
素で自分の名前の最後を
書き落とした
だけだった。
(シュウ)
私の苗字は「奥村」と言います。
先日、初めて向かった旅行先の
お土産屋さんでの会話です。
店員「どちらからいらっしゃったんですか」
私 「○○県です」
店員「そこからなら電車で?」
私 「いえ、車です」
店員「そうですか〜。おくむらで?」
私 「!!」
店員さん、エスパーですか?
絶妙すぎる言いまつがいに、
笑うより戸惑ってしまい、
親切な店員さんに気まずい思いを
させてしまいました。
(ぶもりん)
看護師をしています。
受付の人が
「これ新患のカノンさんのカルテです」
と持ってきてくれた。
えっ? カノン? 外人?
どうしよ! 英語できない!
よく見ると「菅野」と書かれていました。
なんでそんな言いまつがいするかなぁ‥‥。
(カンノ)
電話で「菊地さん」の漢字の確認をした時に
しょうちくばいの『菊』に、
 地方の『地』」
と言って相手の人と確認しました。
電話のあと、友人に
「あれっ、松竹梅に菊入ってたっけ」
とつっこまれ、みんなに大笑いされました。
(ゴーゴーてっちゃん)
名前に関する「言いまつがい」でもOKですし、
名前と無関係の「言いまつがい」でもOKです。
覚えている「言いまつがい」があれば、
下の「投稿する」ボタンをクリックして、
ことのあらましを簡潔に書き表し、
できたところで送信ボタンを押してください。
『金の言いまつがい』と『銀の言いまつがい』
ほぼ日ストアでも購入可能です。
どうぞよろしくお願いしますー。

イラスト:しりあがり寿


2008-12-24-WED
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© HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN