その1649

すべての子どもたちは
美しい名前を持っています。
ひとりずつ、ひとつ、かけがえのない名前を。
ところがその、燃える命ともいえる名前は、
しばしば他者によってあっさりと
「言いまつがわれて」しまうのです。
そんなわけで、「名前の言いまつがい」特集。
誰しも一度くらいは「まつがわれて」ますよね?
今日も愉快なエピソードが満載です。
いつも「ハヤサキさん」と
ハヤサカさん」を
言いまつがってしまいます。
申し訳ないと思いつつも、
人に話すと納得してもらえます。
でも、「ササキさん」と「スズキさん」を
まつがえるという話には、誰も納得してくれません。
こっちの頻度の方が高いんですが〜。
(女はシジュウカラ)
私の名前は「みち子」です。
地元は津軽で、親戚のおばさんに訛って
「みんつこ〜」と呼ばれていました。
でも訛っているだけだと思っていたら
あるお正月、お年玉袋には
「美津子」と書かれていました‥‥。
(いっぱい入ってたから不満はありません)
昔の話ですが、小学校の時クラスに
父親が議員をやってるM君がいました。
うちらの町内で彼の父の名前
「Mやまテツオ」は
選挙のたびに聞いてるから
いやって言うほど浸透してました。
ある日その友達がM君の家に電話をしたんですが
いつもあだ名で呼んでいるので、
とっさに本名が出てこず
その友達は思わず
テツオ君いますか?」
と言ってしまったそうです。
その話を聞いておまえの友達かよ! と大爆笑。
M君の名前は今も思い出せません。
(くまくま)
高校時代の先生に、
レポーターの「梨本勝」さんに
よく似た理科の先生がいた。
生徒の間では当然「ナシモト」と呼ばれていた。
その先生を友達と訪ねて職員室に行った際、
不在だったので隣の席の先生に友達が聞いた。
梨本先生はどこにいらっしゃいますか?」
その先生、
「理科準備室じゃないか?」と普通の返事。
職員室を出るまで笑いをこらえるのに必死だった。
やっぱり先生達もそう呼んでいたのね。
(うさこ)
会社の先輩「ともこ」さんの
披露宴に呼んでもらいました。
新婦の上司、N課長はスピーチ中、
用意した原稿をしっかりと握り締めながら
「ひろこ」さんは‥‥と言い続けました。
私たちは少し離れたテーブルから、
「名前が違います! 『ともこ』です!」
と伝えようとしたのですが、
遠かったためか、緊張のためか、気づいてくれません。
仕方ないので、伝言ゲームのようにして伝えてもらい
スピーチ終盤でやっと直してくれました。
課長の原稿にはしっかりと
「ともこ」さんと書いてありました。
そして「ひろこ」さんが「ともこ」さんの
双子の妹だということは
知らなかったそうです。不思議です。
(ともひろ)
私が研修医として働いていた頃のこと。
珍しく外国人の患者さんが来ました。
カタコトのやりとりで緊張しながら診察した後、
点滴の準備ができたので、
待合室で待っている患者さんをマイクで呼びました。
ゴンザレスさ〜ん、
 お入りくださ〜い」
でもなかなか来ません。
おかしいなぁ〜、外人さんだから、
私の発音が悪くて聞き取りにくいのかな?などと思い、
アクセントを変えたりして何度か呼んでいたら、
看護婦さんがこっそりと、でも笑いをこらえながら、
「先生、あの外人さんの名前は
 モハメッドさんですよ」と教えてくれました。
(なぜゴンザレス)
会社で席に戻ったら電話メモが残っていました。
珍しい名前だと思いながら電話を掛けて
シエロさん、お願いします」
相手は怪訝そう。正解は江口さんでした。
(桜吹雪)
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どうぞよろしくお願いしますー。

イラスト:しりあがり寿


2008-08-20-WED
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© HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN