その1243
すべての子どもたちは美しい名前を持っています。
ひとりずつ、ひとつ、かけがえのない名前を。
しかし、その、燃える命ともいえる名前は、
しばしば、ほかの誰かによって
「まつがわれて」しまうのです。
だからこそ可能な「名前の言いまつがい」特集!
どうぞ最後までのんびりお楽しみくださいね。
私の名前は「滋木」と書いて
「しげき」と読むのですが,
小学校のとき、担任の先生は
名前を呼ぶときにしばし詰まって、
おもむろに
「じぼく君」と呼ばれました。
(きげしらわじふ)
僕の苗字は
「鷲野(わしの)」というのですが、
大体2分の1の確率で
「たかの(鷹野)さん」
と呼ばれます。
まぁ「鷲野」をやって27年になりますが、
一度だけ
「さぎの(鷺野)さん」
と呼ばれたことが印象に残っています。
そう言われて見れば
「鷲」と「鷺」って結構似てますね。
字面でなんとなく読む人と、
同じ猛禽類で読む人、
言いまつがいって奥が深いです。
(DJわっしー)
私の名字は「瀧谷(たきや)」といいます。
この間、インターホンに出たら、
「おぼろたに(朧谷)さ〜ん、
 宅急便で〜す!」
と元気よく言われました。
なぜ「朧」が読めて
「瀧」が読めないのか謎です。
しかも表札にローマ字で
「TAKIYA」って書いてあるのに‥‥。
(るん)
ぼくの姉の名は文(あや)ですが、
郵便受けに見慣れぬ宛名の手紙がありました。
「○○女様」
確かに姉は女ではありますが‥‥。
(姉は黒帯)
うちの夫、「伸」といいます。
でも結婚して3年、
私のいとこから来る年賀状は毎回
「○○神様」
でやってきます。
すごいのと結婚しちゃったな、私。
(りえぞー)
職場の後輩が外線電話に出ながら取ったメモ。
先方の名前をひらがなで書いたんですが、
「かわぐち としひ子」
どうしてそこだけ漢字に変換?
(利彦さんです)
先日、カズキ君という男の子の
名前を呼ぼうとして思いっきり
「歯茎君!!」
と言ってしまいました。
どうしてこんなことを言ってしまったのか
未だにわかりません。
(はたちん)
初対面で、名乗ったあとの会話です。
「カワバタって漢字はどう書くの?」
「あ、川端じゃない方の
 康成です〜」
口頭だと意味不明感倍増。
いちど声に出してみてください。
(川畑康成)
現在アメリカ在住で、
日常生活で名前を呼び間違われることが
とても多いのです。
山崎を「ヤマカゼ」
ふみこを「フラミンゴ」などは
もう慣れましたが、
この間電話会社に電話したときは
「ミセス・カミカゼ」
10分ほどの電話中ずっと呼ばれ続けました。
直す気力もなく、そのままで電話を切りました。
(Yama)
「冨士野さん」というお宅の苗字を
電話で説明しようとした会社の人
「冨士野さんの『ふ』は
 富士山の『ふ』で点がないの」
え?
「『じ』は野武士の『ぶ』
‥‥ぶ?
「『の』は野武士の『の』」
んん?
「だーから、富士山の
 くさかんむりの
 点がないんだって!
 で、野武士の『ぶ』で!
 野武士の『の』!」
くさかんむりでもないし、
野武士の『ぶ』は『武』だし。
というか、野武士にこだわる時点で
まちがってると思う。
(発行大王)
私、斉藤(サイトー)といいます。
先日仕事でお客さんに電話をかけ名乗る時に、
「もしもし、サイテーです」
口が勝手に「TO」を「TE」と発音。
自ら大笑いしてネタにしました‥‥。
(サイテーなサイトー)
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イラスト:しりあがり寿


2007-07-11-WED
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© HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN