その1060
「言いまつがい」があるなら
「聞きまつがい」だってあるのです。
耳を疑うようなフレーズを聴いて、
耳を疑いながらたしかめたところ、
まったく違うフレーズだった。
そうです、それが「聞きまつがい」。
今日も傑作満載でお送りいたします。
どうぞ最後までお楽しみくださいませー。
嫁さんが、突然
「見て、母子家庭」と言った。
は? なんのことかと思い、
嫁さんを見ると、
帽子を被ってポーズを取っている。
「見て、帽子、買ってん」でした。
(関西弁聞きまつがい)
職場のひとのギャグを無視したら
「ムハンマド?」
と聞かれ驚きましたが、
「無反応?」
の聞きまつがいで安心しました。
(aaa_00100)
テレビの時代劇を見ていたとき、
お侍さんの口から
「萌え〜」という台詞が!
そんなわけはありません。
「おのれ〜」でした。
(れいこあら)
バスに乗って帰っていたら
「次は豚キムチ」
ってアナウンスが。
「なんじゃそりゃ?」と思いましたら、
「三滝口(みたきぐち)」でした。
きっと私ったら疲れていたのでしょうね。
(みどり)
乗ったことのない路線のバスで
うとうとしていたら
「つぎは、まついひでき
とアナウンスがあり
「松井秀喜?」と顔をあげると
「松井東」でした‥‥。
(京都府と奈良県と
 大阪府の境目へんです)
朝の地方ニュースでいきなり
「今日は盆栽の日です」と。
平和な一日の始まりだな〜
と思っていたら、
「防災の日」だった。
そうだよね、今日は大事な日だった。
(ちぇ)
帰省していたときのこと。
ことし89歳になる祖母が
「年老いてくるわ」
謎の発言をして部屋を出て行きました。
え、これ以上年老いてどうするの!
と思っていたら
外からガラガラと聞きなれた音が。
あー「戸、閉めてくるわ」だったのね。
(すみこの孫)
家事をしながら、
大リーグ中継の音だけ聞いていました。
「ワーッ」という歓声と共に
聞こえてきたアナウンサーの声は、
ちょっと非難めいた調子で
「またコイツだーーーっ!」
何? 誰か何度もエラーしてるの?
それにしても、
コイツ呼ばわりはひどいんじゃない?
と思い、ダンナに確認すると、
本日2度目の「後逸」でした。
(漆花)
会社の朝礼のとき、営業のS君が
眠い目で話し掛けてきました。
「観たよ〜、ことわざ全巻
「?? こ、ことわざ?」
なんのことだかさっぱりわかりません。
「お、おもしろいの? それ?」
「そりゃおもしろいよー、
 全部観ちゃって寝不足だよ」
「‥‥あのさ‥‥ことわざって何?」
「‥‥『ゴッドファーザー』だけど」
あ‥‥あぁーそうね!
先週DVD借りるって言ってたもんね!
久々に、脳がやばいと思った瞬間でした。
(その後、上司に私語を叱られる)
知り合いの人の会社で、みんなで、
「『タッチ』見てた?」
「見てたよね〜」
という話をしていたそうです。
「『タッチ』おもしろかったよね〜」
「私、感動しちゃった〜」
「最終回見た? 私見逃しちゃった〜」
そこへ途中参加のひとが。
「あ、僕、最終回見ましたよ〜、
 お母さん見つかって
 よかったですね!」
「‥‥‥‥? お母さん?」
「それは『ハッチ』だろ〜!」
『タッチ』を見るたびに思い出します。
(やっぱりカッちゃんがすき)
嘘か本当か、微妙な話なんですが‥‥。
母校の中学には、長年勤めている
技術の先生がひとりいました。
そして、美術科は、
入れ替わりが激しいのですが、
常にふたり体制で先生がいました。
そのうちのひとりの先生が言ってた話。
「本当は、この学校が
 『技術の先生が欲しい』って
 (教育委員会に)
 電話して言ったらしいんだよ。
 でも、来たのは俺だったんだよね〜」
そんなんでいいの?
(荒野)
最後の話は本当なんでしょうか‥‥。
いや、ディテールからすると、
やっぱ本当っぽいんですよね。
そんなんでいいのか、教育委員会‥‥。
それはさておき、
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『金の言いまつがい』と『銀の言いまつがい』
どうぞよろしくお願いします!

イラスト:しりあがり寿


2007-01-09-TUE
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© HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN