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新着「言いまがい」〜その858

 

「聞きまつがい」と
「かんつがい」の織りなす絶妙なハーモニー。
それが「かみ合わない会話」です。
いったい話はどこでよじれたのやら。
いえ、こうして文章にすると、
誰がどう「まつがってる」かは
一目瞭然なんですけれども、
当事者は現場で大混乱なんですよね。
今日もかみ合わない様子を
たっぷりとお届けいたします。
最後まで、おつき合いくださいませ。

前に大勢で飲んでいた時の会話です。
その居酒屋はかなりうるさくて
言っていることが
よく聞こえなかったのですが‥‥。
「海に行くとき俺達、
 車、飛ばすんですよ」
「えっ! 都バスで海に行くの!?
 うそだ〜そんなのあるはずないよ〜」
「ほんとですよ!
 高速とか180kmぐらいで
 行きますもん」
「えっ! 180km!?
 都バスで!? パトカーは?」
「パトカーなんか
 振り切っちゃいますもん」
「乗客は!? 大変じゃん!
 ありえないでしょ!」
「ほんとですって!」
会話はかみ合いませんでした。
(ずえ)

その昔予備校の学食で、
みんなとおしゃべりしていたときのこと。
A「おい、○○が
  クレーン車買ったんだってよ」
B「おっ、すっげ〜。
  最新モデルだよな〜」
C「いいよな〜。
 でもけっこう、でっかいよなあ」
私「たしかに大きいよねえ」
A「だからいいんじゃん。
  俺もほし〜」
私「ほんと、すごいけど。
  でも、何に使うの?」
えっ?! っと、みんなは驚いた顔で、
とまどい、沈黙‥‥。
A「何にって‥‥乗るんだろ」
私「そうだけど。○○って、
  工事現場で働いてんの?」
B「何言ってんだよ、
  ここに来てんだろ、いつも」
私「???」
そうです、私が間違えてました。
○○が買ったのは、
クレスタという自家用車。
てっきりクレーン車を
買ったのだと思ってました。
だから、すごいな〜と‥‥。
(まるる)

知り合いのSさんのお嬢さんが
ある日のお夕飯のあと、
「用意しよう」
と席を立ったので、
「こんな時間から
 どこに出かけるの?」
と聞くと、
「どこにも行かないよ」
とお返事。
「じゃあ、なんの用意するの?」
ともう一度尋ねたら、
「『よいしょ』って
 言ったんだけど」
とのたもうたそうです。
(かなこ)

うちの姉が以前、
映画館に勤めていた頃、
『ザ・ビーチ』という映画が
話題でした。
しかしそれを
『座備市』のように
聞き取っており‥‥。
同僚「見ました? 『ザ・ビーチ』。
   けっこう話題ですよね」
姉 「え? 知らないなあ、
   邦画はあんまり見ないから。
   人気なの?」
同僚「? CMでもやってますよ」
姉 「へー、そうなんだ。
   時代物? 誰が出てる?」
同僚「デカプリオとか、
   イケメンどころが
   出てるじゃないですか」
姉 「日米合作? すごいね。」
というような、
かみ合わない会話があったそうです。
(広島のゆうき)

新車を買って
得意げにしているおじさんに
雨の日に乗せてもらいました。
雨のためか、道は混んでいて
なかなか進ますイライラ‥‥。
前の車が若葉マークをつけていたので
「初心者マークだからねぇ〜」
とつぶやく私。
「え? そんなのあるの?」
と驚くおじさん。
「えー、知らないんですか?
 昔からありますよ」
「ホントに?」
「ええ。
 教習所でも習ったでしょう?」
「そうなの? 知らなかったなぁ〜」
「最初は誰でも
 つけなきゃいけないんですよ」
「そうなのかぁ、
 で?  どこに売ってるの?
 そのマーク」
「車屋ならどこでも
 あるんじゃないですか?」
「まずいな!
 今度買ってこなきゃ!」
「え? なんで?」
「新車だから」
「新車だから‥‥?」
「だって新車マークでしょ?」
‥‥「シンシャ」じゃなくて
「ショシンシャ」なんですけど。
(ぴーこ)

クラスメイトに
「絆創膏持ってる?」
って聞かれたのに、「絆創膏」を
「パソコン」と聞き間違えた私は、
「うん、家族兼用のならあるよ」
と答えてしまい、相手はビックリ。
家族兼用の絆創膏って‥‥。
(ネバーランド)

母と話していて、
ジブリの新作アニメの
話題になりました。
私「こんど『ゲド戦記』が
  アニメになるんだって」
母「ふ〜ん、でもどうなの?
  それって。
  いろいろ問題があるんじゃない?」
私「そりゃ大変だろうけどね〜」
母「そんなものを題材にする
  意味がわからないわ」
私「? ‥‥『ゲド戦記』だよ?」
母「うん、あの飛行機でしょ」
私「え、飛行機?」
母「だから、
  『零戦機』でしょ!」
「ゲドせんき」と「ゼロせんき」。
似てますね。
(野生の獣オタク)

幸い揺れは小さかったものの
夜中に地震がありました。
その次の日、テレビで
地震関連のニュースを
やっていました。
部屋に戻りながら、
テレビ前にいる母へ
「小さくても
 夜中に来ると
 怖いよね」
と言うと、
「誰が?」
と聞き返されました。
「誰が?」って‥‥。
母よ、たしかに深夜の訪問も恐いけど、
今は地震の話です。
(テレビを見ているようで見ていない母)

どのような「まつがい」でも
私たちは大歓迎いたします。
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イラスト:しりあがり寿
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2006-06-21-WED
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