その2979
すべての子どもたちは
美しい名前を持っています。
ひとりずつひとつ、かけがえのない名前を。
しかし、その、燃える命ともいえる名前は、
しばしば他者によって
あっさりと「まつがわれて」しまうのです。
そんなわけで、集めてみましたよ、
「名前の言いまつがい」。
最後まで、どうぞ、ごゆっくりー。
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私の名前は「大久保」といいます。
先日、病院で点滴をしたときのことです。
ベッドに横になりながら、
なんだか違和感を感じて
点滴のボトルをよーく見てみると、
「大々保様」
と書かれていました。
いったいなんて読むんだろう‥‥。
(だいだいぼ?)

名字が「前川」という理由だけで
みんなから「きよし」と呼ばれている
同じ部活の男子。ある日先輩から
「西川くん!」
と普通に呼ばれてました。
(師匠)

私の名字は「新藤(シントウ)」。
とある英語教室でとっても仲良くなった子が、
数年してから私の名字を
「神頭」
と書いていた時にはびっくりしました。
ほら、英語教室だと名前で呼ぶから‥‥。
漢字も使わないから‥‥。
(神々し過ぎるよ)

小学生の時、
習字の授業で「林」を書いたのですが、
何枚も何枚も「林」を書き、
一番できのよいものに
いざ名前を書いている時にやっつまいました。
私の姓は「中村」なのに、
「中林」
と書いてしまったのです。
仕方がないので二番目にできのよかったものに、
間違わずに名前を書いて提出しました。
(きへんの女)

実家の喫茶店を手伝っていた時、
お客様呼び出しの電話がかかりました。
「はい、喫茶○○です」と電話を取った父。
「はい、お客様のカワウソ様ですね?」
えー!? カワウソ? 絶対違うでしょ!?
とアタフタしていると、
「え? 河本様? カワモト、様ですね」と。
あー、河本さんね。びっくりしたー。
でも気づいてよかったー、
とホッとしていたら、なんと父、
「お客様のー、
 カワウソ様ー、カワウソ様ー」
と叫んでしまった‥‥。
ちゃんと河本様がカウンターまで
いらっしゃったのが不思議です。
(伝染るんです)

上司がまだ若い頃のまつがいです。
電話で話していて、
資料を送付することになった上司‥‥。
先方の方のお名前が
「妻鹿さん」だったそうなのですが、
音だけでピンとこなかったらしく‥‥。
「どのようにお書きしますか?」
と尋ねたところ、
「つまにしかと書きます」とお返事が。
しかし、それを
うましか」とまつがえた上司。
「様」までつけてそのまま書いて送ってしまい、
平謝りとなったそうです。
(うまにしかとかいて「馬鹿」)

うちの父は「○△治男」と言います。
同じ町内に、
同じ名字の「○△治郎」さんがいます。
名前の4文字のうちの中の3文字が同じです。
治郎さん宛の郵便物が
我が家に配達される事もたまにあります。
数年前、
治郎さん宛の年賀状
我が家に届きました。
差出人は「○△治男」‥‥そう、父でした。
(郵便屋さんしっかりしてよ!)

名前にかぎらず、いろんな「言いまつがい」、
どうぞお送りくださいー。
「投稿する」ボタンをクリックし、
あなたの知ってるそのエピソードを
だいたいの感じでかいつまんで書いて、
仕上がりを過度に気にすることなく、
「あ、送っちゃった」っていうくらいに
あっさりと送信ボタンを押してください。
どうぞ、お気軽にご参加くださいませー。

イラスト:しりあがり寿
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2012-04-11
HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN