篠田真貴子
ポール・ボキューズ の チキングリル ペッパーソース(294円)
カルパッチョライス、アボカドのサラダ、茂木びわゼリー
1999円 おつり1円

その弁当を買った理由(複数回答可)
前菜からメイン、デザートまでア・ラ・カルトを選ぶように
洋風のコース仕立てにすること。
おかずが多め、主食が少なめというバランスであること。
好きな鶏、アボカドがあること。
肉、魚、野菜、と食材が多彩で、
いろどりがきれいであること。
売り場で、実際の品物が見られること
(模型や写真しか展示していないのは、いや)。
2000円の予算をなるべく使い切ること。

こういったことを全部考慮しました。

カルパッチョライスを具とご飯にわけて、
具のカルパッチョを前菜として食べ、
ご飯は、メインのチキングリルと一緒に食べるつもり。

チキングリルは、好きな食材であることと、
「ポールボキューズなのに、300円未満!」と
価格に驚いて、決定。

アボカドのサラダは、好きな食材であることに加えて
オレンジが入っている目新しさと
彩りの美しさにひかれました。

びわのゼリーは、彩りの美しさと、
びわのデザートがめずらくて食べてみたい、
という気持ちで決めました。
食べる前に期待していること
狙い通りに
「そうそう、これが食べたかったのー」
と思えたらいいなぁ。
食べる前に、あえて、その弁当の弱点を言うなら?
カルパッチョライスの具を前菜として食べ、
ご飯は、メインのチキングリルと一緒に食べよう、
というところに無理があるかもしれない。
食べてみての感想(なるべく具体的に)
美味しかった‥‥のですが、
自分のアプローチに反省があります。

まず、商品ごとの感想から。
カルパッチョライスは、ニラしょうゆだれと白身魚が
とても良くあって、酒の肴が好きな私の好みの味。
アボカドのサラダは、オレンジの爽やかさが絶妙。
チキングリルは黒胡椒がピリッときき、
肉の味もしっかりして、鶏好きの私の心を掴みました。
びわのゼリーは、旬の果物をいただいている、
という満足感がありました。

コースの編成としては、かなり満足です。
前菜が魚、メインが肉、サラダで彩り、デザートで旬。
アボカドのサラダと、ライスについたニラしょうゆ味が
合ったのもうれしかった。

でも、「美味しいものを食べた」うれしさと
同じか、もしかしたらそれ以上に、
「コースをうまく組み立てた」
「好きなものを取り入れられた」といった
目標を達成したことが満足だったりするのです。
カルパッチョライスを具とごはんにばらすなんて、
作り手の意図を汲まずに
自分のルールを一方的にあてはめた選び方だったかなぁと
少し反省。
私が本当にたべたいお弁当が
売り場にはなかった、とも言えるのですが‥‥。

もうひとつの反省点は、
「えぼし」に対する仲間たちの盛り上がりに影響されて、
本当にたべたいものを少し見失ったかもしれないこと。
カルパッチョライスを買いましたが、
「こんなに評判がいいんだから、一品買っておこう」
という気持ちが少なからずありました。
前菜としてベストと思うのものを真摯に選んでいれば
素直に「おいしかった」と言えたのではないかと
思うのです。
たかがお弁当だけれど
自分が本当にほしいものを見極めるって
大変なことだなぁと思い知りました。
この弁当に発見できた作り手の工夫や情熱
ポール・ボキューズのチキングリルの安さには、
明確な意思と情熱を感じました。

自分の料理に取り入れたいと思った工夫も
いろいろあります。
●ニラしょうゆだれを白身魚とあわせる。
●アボカドとオレンジの組み合わせ。
●グリルチキンに黒胡椒をしっかりきかせる。
どういう人たち向けの弁当だったか?
洋風の食事がしたいとき。
自分で組み合わせを考えたい人向け。
作り手に、メッセージを
店頭での見た目で惹きつけられ、
期待にたがわない味に満足しました。
ウソのない作りで信頼感がもてました。

私が買わなかったお弁当も、
お客様がぱっと見て足を止めるよう、
商品にも店頭での見せ方もたくさんの工夫を
されているのだと思います。
お蔭様で、楽しく買い物ができました。
「ほぼ日」を読んでいる人たちにも、ひとこと。
ア・ラ・カルトをえらぶつもりで売り場をめぐると
今まで目に入らなかった商品に気づいたり
新しい発見があって楽しかったです。

でも、「食べたいときに、食べたいものを、
食べたいだけ食べる」のが幸せなのに、
それを忘れがちな自分に気づきました。