「ほぼ日」中年陸上部 マイナスからのランニング。
正しいシューズの履き方って? の巻。

ほぼにちわ、西本です。
先週「ほぼ日」のツイッターでさりげなくお伝えしたのですが、
中年陸上部のシェフ武井、べっかむ3の
初レースが決定いたしました。
ふたりが目標とするのはあくまで
「健康なカラダを取り戻す」こと。
ですが、ランニングのもうひとつの楽しみとして
一度、本格的なレースも味わってもらいたいと思って
こっそりエントリーをすませておいたのです。
記念すべき初レースは11月3日に行われる
「湘南国際マラソン」の10kmの部。
そして、この10kmレースの出場資格は
「10kmを1時間30分以内で完走できる男女」。
先日、皇居を2周走ったのも
この出場資格に見合う走力があるかどうか
チェックする目的があったのです。
結果は二人とも70分前後で10kmを完走!
走りはじめた春には遠すぎる目標だった
この出場資格が秋になった今では
20分の余力を残すまでに成長しておりました。
11月3日は電波状況がよければ
現地よりUstreamほぼ日チャンネルでの
生配信なども予定しております。
中年陸上部の二人へのご声援を
どうぞよろしくおねがいします!

さて、べっかむ3のシューズを取り寄せている間に
本日はシューフィッテイングのお話です。
ファーストシューズ選びをしているときに
ぼくが気になったのは二人のシューズの履き方。
おそらく大半の方は、シューズに足を入れて、
そのまましゃがんでシューレースを結び、
つま先でトントンと地面を叩いて
歩き出しているのではないでしょうか?

シェフ
「えー? 小学生のときから、そうだよ?」

べっかむ3
「そうだよねえ。ほかの履き方知らないよ」

そうでしょうそうでしょう。ぼくもそうでした。
でもその履き方じゃ、いかんのです!

いくら足のサイズを測定しても
たくさんのシューズを試し履きして
シューズを選んだとしても、
シューズ本来の機能を引き出せないだけでなく、
本来のジャストフィットをしていないため
故障する原因にもなるのです。

シェフ
「ちょ、ちょっと! おおげさな。
 シューズの履き方が故障の原因に?
 フィットさえしてれば大丈夫じゃないの」

そう、その「フィット」が問題なのです。
サイズはフィット。でも、履き方によって、
それがフィットじゃなくなっちゃう。

べっかむ3
「いままで、スポーツ用品店でそんな話、
 聞かなかったなあ‥‥」

そうですよね、ほとんどのお店では
「履き方」までは教えてくれないです。
不肖センパイ西本が教えます。
伊達にランニングオタクになったわけじゃありません、
調べに調べ、実験と失敗を重ねてきた研究の成果を!

シェフ
「またおおげさな。
 ネットで調べたら出てくるんじゃないの」

もちろん出てきますとも!
でも言わなかったら調べなかったでしょ?

べっかむ3
「その通り‥‥。怪我したくないから教えて!」

任せてください。
そのときぜひ試していただきたいのが
今回お伝えする「ダブルアイレット」という
シューレースの通し方です。
・正しい履き方
・ダブルアイレット

この2つのポイントを押さえてシューズを履くと、
「これまでと全然違う!」
というフィット感を味わえますし、
走りやすさも格段に向上しますよ。

モデルに難がありますが(すみません、ぼくの脚です)
手順をお伝えいたしましょう。

 

これで解決! 走るためのシューズの履き方。

まず、シューズに足を入れたら床にかかとをつけ、
つま先を天に向け、かるくトントン、とします。

顔、ひざ、つま先が一直線になっているといいですね。
立ったままだとやりにくければ、
椅子に座ってもいいですよ。

ここでかかとと
シューズのヒールカップの位置を固定します。
シューレースがあまりみない形になってますが
これが「ダブルアイレット」という結び方です。

このような通し方をします。
最後の穴ふたつを使ってかかとと
シューズカップを確実に固定することが目的です。

逆向きだとこんな感じです。
2つの穴を使って「輪っか」を作ります。

正面からみるとこんな感じ。
そして、上から順に
足幅にフィットするように
シューレースを左右に
ひっぱっていきます。
左右のシューレースを
上にきつく締め上げるのではなく
この時に横(左右)にひっぱっていきます。
フィット感を高めようと締め上げすぎちゃうと
逆に血流がわるくなっちゃうので注意してください。

左右にできた「輪っか」に
逆側のシューレースを通して‥‥。

横に引っ張ってかかとと
ヒールカップを固定します。

かかとを固定したら、
足を着地した状態にしてください。
ぼくは前足で着地する(フォアフット着地)走り方なので
この時、かかとを上げてますが、
まずはかかとをついてフラットな状態で
シューレースを結んでみて、
自分にぴったりくる位置で結んでくださいね。

普段のジョギングであれば
このまま走りだすのですが、
レースに出るような時、
よりフィット感を高めたいときは
2〜3分ほど歩いたり走ったりして
再度、しゃがんだ状態で
ダブルアイレットをした状態で
いちばん足首に近い部分を
弱い力で持ち上げてみてください。
そうすると、シューレースに
まだ余裕があることが多いです。
つまり、「まだゆるい」状態であるのです。
そこでまた調整して
ジャストフィット状態を作り上げてください。

まずはすでに使っているスニーカーなどで
試してみるとその効果が実感しやすいと思います。
これまでの履いていたシューズの印象が
がらりと変わると思いますよ。

そして、ジャストフィットで履くと、
おそらく大半の方が「サイズが大きい」ことに
気づくと思います。
人によっては1cm以上サイズが大きい場合もあります。
新しいシューズを選ぶ参考にもなりますし、
これまで履いていたシューズサイズを
見直すきっかけにもなりますので
ぜひ、おためしくださいね。

シェフ
「あれ? ぼくのふだんやってる結び方、これだよ」

あ、そうですよ武井さん。
ずいぶん前に、こうするとフィットしますよって
教えたことがありますよ!

シェフ
「そっか! そのままなんとなく習慣にしてた!
 これだと、調整もラクだし、
 たしかにフィットするよね。
 ところで、にしもっちゃんの言ってる
 フォアフット着地って何?」

あ、それは、ちょっと先になりますが
いずれ説明しますんでお待ちくださいねー。

 

べっかむ3のシューズが届いた!

そして、待つこと数日。
べっかむ3のファーストシューズが見つかりました!
「ステップ」水道橋店・菊池店長お見立てのシューズは
ミズノの「ウェーブマーキュリーワイド」の25cm。

このシューズでべっかむ3は
トレーニングを開始することになりました。

時はちょうどゴールデンウィーク直前。
初練習の場所として選んだのは皇居一周。
次回は湘南国際マラソンのことだけでなく
「はじめての皇居」というテーマでお伝えします。

 
シェフの初心者コラム

だ・ま・さ・れ・たーっ!
湘南マラソン10kmって!
なんか、口車に乗っちゃったんですよ。
出る気まったくなかったはずなのに。
そうだった、にしもっちゃんがデスクにふらっと来て
「まあ、試しに」
試しったってさ。
「湘南、気持ちいいっすよー!」
そ、そうかな‥‥。
「ま、走るかどうかはそのときまでに考えればいいですよ」
そ、そうだよね‥‥。
「ちょっと今から言うURL打ち込んでくださいよ」
こう?
「そうそう、そこクリックして‥‥」
うん。
「10キロってあるでしょ、そこをクリック」
はい。
「住所入れて‥‥ そうそう」
えーっと。ポチッ。
「はい申込完了!」
えっ。
「連絡が来たら参加費振込んでくださいねー」
あっ?

‥‥と、結局自主的に参加申請したかたちで
申込をしてしまいました。
聞けばべっかむ3もそうだったらしい。くーっ。
そして先週、自宅にTシャツやらゼッケンやら
参加の手順が詳細に書かれた詳細なお知らせが届き、
この開催者のみなさんの心遣いや努力をむげにするのもと
思っていたところに
このページで発表までされちゃったら、
走らないわけには‥‥いかないじゃないですか‥‥。
あうー。

2012-10-19-FRI
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(C) HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN