HARUOMI HOSONO DREAM DIARY
タヌキの神様
夢を見た・・・

相手は見えない存在だが手ごわい。
それをついに小さい部屋に閉じこめた。
そこでパワーを使ってそいつを破壊した途端、
部屋中に金色の錠剤の形をした金属が降る。

一瞬身動きができずに天井を見上げると
そこにも金の粒が無数に張り付いている。
いやな感じがして一寸動くと
その粒が天井から自分の頭上に降ってくる。
金の粒の落ちる音が部屋中に響く。
動けば動くほど降ってくる。
降り注ぐ音がうるさいくらいだ。

この部屋を出なければ・・・だが出てもそれは起こった。
永遠に自分の頭上には金の粒があり、
動けば降ってくる。
やっつけた相手の力が
こんな形で自分に憑依するとは。
もう絶望的だ。

傘をさせば、その傘の天井に粒があり、
やはり降ってくるのは同じだ。
頭に当たるのは痛くはない。でも無数の粒なのだ。
鬱陶しいしうるさい。

しかし考えた。
今手に持っている鳩時計の重りのような、
繭の形をした金属がある。
それを手にしっかり握って前方に振り動かし、
突き出せばその金の粒は形を変え、
青い光の束となって無限の彼方まで飛んでゆく。
なるほど、この奇怪な現象は
このような何らかの方法を学ぶことによって
コントロール可能なのだ。

いくらか救われた、と思った時に妙な気分で目が覚めた。
時計は午前4時過ぎ。
この夢には題がちゃんとついている。
夢の間中、文字ではないがテロップのように、
夢のどこかに張り付いていたのが
『Temple Of Gold』というものだった。

(2001/11/29)

イラストレーション:Yuzzle
解説
"Pennies From Heaven"(黄金の雨)という
ビング・クロスビーが歌った名曲があるが、
本当に黄金の雨が降ったら大変だ。
お金が降るんだから嬉しいと思ったら大間違い。
キング・マイダスの教訓は現在にも生きている。
夢の中に出てきた「繭」のような棒は
「独鈷(どっこ)」という魔よけの仏具に似ている。
それはおそらく性的な生命エネルギーの暗喩だろう。
そのパワーで「mammon」の魔力を光に還元するのだ。

このごろのハローミ
白金にある事務所の通りが
下水の臭気で大変なことになってます。
特に地下にあるスタジオには
外からの汚臭が流れ込んできて、
音楽を作る環境が破壊されてます。
ここんとこ東京中がこの臭気に見舞われていて、
お洒落な街も台無しだ。
西麻布、代官山、銀座、白金・・・もうどこもかしこも、
夏冬に関係なく、四六時中下水から拡散してくる
汚物の微粒子。
これぞ黄金の雨かもしれない。
こんなウンチまみれの都会で五輪を開催するのなら、
まずはこの臭い状況を改善した方がいいねえ。
石原さん、なんとかしてください!

で、この件はぼくのブログにも
詳しく書きました。


2006-11-16-THU
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