あのひとの本棚。
     
第1回 清水ミチコさんの本棚。
   
  テーマ「もう一冊買った本」  
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今回私が紹介するのは、「もう一冊買った本」。
アンコール、ですね。
読んでみたらあんまり良かったので、
本棚用にもう一冊、とか
あの人にあげよう、と思ってまた買った、など、
思わずおかわりした本を5冊、紹介します。
   
 
           
      #itoi   #busaiku    
 
 
 
 
『モンガイカンの美術館』 南伸坊 朝日新聞社/1260円(税込)

20代のころ読んで、後年、もう一冊購入しました。
自分用にまた買っちゃった。
絵画鑑賞って、ちょっとおっくうだったり、
難しそうなところがありますが、それをいとも
簡単に誘ってくれるような本。
サンダル履きで「ちょっと行く?」みたいな。
で、美術館に行ってみたら、案外おもしろかったんです。
「ボテロの作品はどれも太った風に描かれているけど、
 なんで、丸いというだけでヒトは
 『かわいい』と感じるのか」、など、
普通は作品の説明をしそうなもんだけど、
この本は「見る側の不思議」という、
読者がわでの視点を大事に話してくれるので、
とても読みやすいしおもしろいです。
ついでに絵画を見るのががこわくなくなります。
私の持ってたこの本を今見ると、
妙なところにたくさん線が引いてありました。
個人的には(若い頃の私はなぜここに線を引いたのか)
を、知りたくなってきます。余談でした。

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『男子のための人生のルール』 玉袋筋太郎 理論社/1260円(税込)

背筋をしゃきっとさせてくれる、気持ちのいい本です。
心の中で、寅さんの口調で読んでみても
しっくりくるかもしれません。
玉ちゃんが小学生のとき、お父さんに
「修学旅行のメシなんてまずいんだから、
 永谷園のお茶漬けを持ってけ」
と言われてしかたなく持ってったんだけど‥‥。
という話から、
「学校の規則が厳しいなんてなげくより、
 ルールのすき間をつけばいい。
 ついてる間に頭も鍛えられる」
など、具体的でおかしい思い出話を面白がってるうちに、
男の人生訓に、シャキーンとさせられます。
ぜんぜん女子にもオススメ。
ラジオの相方、三谷幸喜さんにあげよう、
読ませるべきだ、と、思い、
もう一冊買いました。すでに持ってました。

   
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『詩なんか知らないけど』 糸井重里 大日本図書/1260円(税込)

落ち込んだ時なんかに、
ハイで元気いっぱいな音楽を聞いて忘れようとすると、
(ああ、まわりはこんなに幸せなのに私だけミジメ‥‥)と、
かえって症状を悪化させることがあります。
そういうときは、音楽などを消し、
この本をながめるのをオススメします。
何もメッセージもあるわけじゃないのですが、
ぽつーん、が、横にいてくれる感じ。
特になぐさめてくれるわけじゃないのに、
幼い子供の遊びをただ見てるような感覚がやってきます。
しかも、なぜか読んでるだけで勝手に頭が歌ってしまう、
作曲してしまえる、という
小さいのにとても不思議な魅力に溢れてる本です。
ブログでも紹介しました。
枕元に置いてあります。

   
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『不細工な友情』 光浦靖子+大久保佳代子 幻冬舎/1365円(税込)

前のマネージャー(女子)にあげました。
ただし、この本の中身は、女同士の友情というよりも、
夫婦ものを読んでるような滑稽さがいいんです。
お母さん(光浦さん)と、お父さん(大久保さん)。
もう長年一緒なんだけど、お母さんはお父さんに
「もっとしっかりして欲しい」、とか、
「旅行に連れてってほしい」、
「好色なんだからも〜」、とタメ息をついてばかりです。
「あたしゃ本当はいつ別れてもいいの。」って。
お父さんも、実は別れることに痛くもかゆくもなさそう。
なんだか夢のない話のようですが、
自慢話の多いエッセイの中、
こういう現実的で、飾らない本音の話こそスリリングで最高。
ちなみに大久保さんはリウマチだとか。飾れー。

   
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「小説作法」スティーヴン・キング

スティーヴン・キングさんの少年時代や、
教師生活、結婚、貧乏な暮らし、など、
ドキュメンタリーに、まず迫力があります。
本題の小説を書く時のこだわりや、余計な部分の削ぎ方など、
何かを表現したいという人には特に助けになりそう。
教師生活で、「キャリー」のヒントになった少女の話など、
小説のノウハウ以前の、ちょっとしたエピソードも
興味をそそられます。
あのミザリーも、ヒントになる事件が
本当にあったというホラー。
恐怖と笑いのはざまに立たせられます。
「人は誰でも文章を書くことができる。
 文章には不思議な力がある。
 あらゆる芸術と同様、
 文章は命の水である。命の水に値段はない。
 飲み放題である」
など、珠玉の言葉もたくさんころがっています。
やる気のない時など、自分を叱咤するより、
この本を開いてみてください。

 
 
 
清水ミチコさんの近況  
ニューアルバム『リップサービス』
(ソニーミュージックダイレクト)をリリース、
三谷幸喜さんとの共著『むかつく二人』(幻冬舎)
も大好評の清水さん。
CDも本も(もちろん活躍しているテレビやラジオも)、
いずれもすんごく面白いんですが、
それではまだまだ清水さんを
ちゃんと味わったことになりません!
ぜひ、観ていただきたいのがライブです。
ことし全国区デビュー20周年(おめでとうございます!)
を迎える清水さんは、ちょうどいま、
「清水ミチコのお楽しみ会2007 リップサービス」
〜20th Anniversary〜 と題されたライブで、
ただいま全国をツアー中!
すでに終了したところや、
ソールドアウトの会場も多いんですが、
九州方面、広島、静岡、愛知、北海道、沖縄のみなさまには、
まだチャンスがありますよ。
ぜひぜひいらしてくださーい!
(チケット情報はこちらからどうぞ)
また、日記やショッピングもたのしめる
清水さんのオフィシャルウェブサイト
「シミチコ・ネット」もよろしく!
2007-06-05-TUE
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