ほめ道を往く。
「ほめられて伸びる派」のためのページ。

今回の「ほめ道」は、
ひじょうにミステリアスです。
そしてサイエンスです。
部分的にはホラーです。
でもって、非常に理系です。
さあ、あおるだけあおっておいて、
あとは読んでもらうとしましょう。
そう、テーマはこちらです‥‥。



第八十三回
をほめる。
〜数字のロマンとお色気問題〜


みなさん、ほぼにちわ!
気が付けば、下半期に突入している2006年ですが
みなさんは順調にことが
進んでいらっしゃることでしょう!
わたしはと言えば、学校行事などの忙しさが
やっと一段落したところで
何も順調に進んでいませ〜ん♪
でも、負けませ〜ん♪

さて、先日長女の通う中学校の
授業参観に行ってきました。
課目は「数学」です。

自慢じゃありませんが、わたしは「数学」は苦手です。
世界を「理数系」と「文科系」のふたつの村に分けたら
間違いなく「文科系」です。
そして世界を「理数系」と「文科系」と「体育会系」の
みっつの村に分けたら
「体育会系」の村に住む男性がちょっとだけ好きです。

そんな「理数系」でないわたしは
「算数」が「数学」に変わった頃と時期を同じくして
「数学はわからん」ということになってしまったのです。
たしか、あれは
「サイン・コサイン・タンゼント」とかいうヤツたちとの
出会いがきっかけだったと思います。
あの人たちとの出会いさえなければ‥‥。
あれが人生最初の「挫折」だったように思います。
でも、そんな「挫折」のおかげで
今のわたしがあるのですから
「ありがとう! サイン・コサイン・タンゼント!!」
という感謝の気持ちでいっぱいです。
いや、ほんとうに‥‥。

で、話しを「授業参観」に戻しますが。

その日の授業内容はたしか‥‥。
あぁ、詳しくちゃんと書けそうにないのでやめます。
ですが、
わたしが衝撃を受けた部分はこういうことだったのです!
「割り算とは掛け算の確かめをするために生まれた」
というような話になったのですが‥‥。

例えばこうです。

3×6=18
3=18÷6
6=18÷3

いや、中一ですから実際はもっと複雑でしたよ!
(  )とかも使ってたし
でも、とにかくそこは「文科系」なので
これで許してください。
わかればいい! ということで‥‥。

で、色んな例題をやっていくうちに
「0」の入った問題を先生が黒板に書かれました。

先生
「では、積と商について
 だいぶわかってきたと思いますが、
 ちょっとここで問題があるんですね‥‥。
 今、先生は
 『割り算とは掛け算の確かめをするためにできた』
 と言いましたが実はこれが問題なんです。
 やってみてください『0×3』は?」

生徒「『0』です」

先生
「そうですね。
 ということはこれまで通りの考えでいくと
 『0×3=0』なので確かめ算をすると‥‥
 『3=0÷0』ということに
 なっちゃうんですよ‥‥」

生徒「ざわざわ」

わたし(まさか!?)

先生
「はい。みなさん。
 実は数学の世界には決まりがあります。
 それは『0で割ってはいけない』という
 決まりです!!」

生徒「ざわざわ」

わたし(ま、ま、まさかっ!!!)

先生
「ですから、みなさん家に帰ったら
 電卓でこの計算をやってみてください」

生徒「ざわざわ」

わたし(え? え? 一体電卓ではどうなるのぉ〜??)

そしてわたしは家に帰ってすぐに電卓でやってみました!
「0÷0」
それは決してやってはいけない計算でした
頭の中では『世にも奇妙な物語』のテーマ曲が
流れています。
ほかの数でも割ってみました。
「3÷0」
‥‥やっぱり!?

(ああ、禁じられた計算。わたしは元の世界に戻れるの?
 貞子ぉ〜〜!!)

そんな心の叫びを聞きながら
「やってはいけない」と言われるほど
「やりたい」欲望は強くなるもので
ま、やったわけですよ‥‥。

すると‥‥。

答えはみなさん、ご自分で確かめてみてください♪
ご存知の方はきっといっぱいいらっしゃるのでしょうが
ご存知ない方は是非♪

で、わたしは「0」の素晴らしさを知ったのです!!
何かと申しますと
「数学」と言うのは絶対に
答えのあるものだと思っていました。
だから、わたしのような「文科系女子」の好きな
「侘び寂び」だとか「あいまいさ」とか
「行間の思い」とか求める余地もなく
「はっきりくっきりパンパンパン!」みたいな?
なんか、ある意味はっきりはしてるけど
「冷たいじゃんよぉ」みたいな感覚があったのです。

それって広い意味での「色気」にも通じていて
偏見かもですが「理数系」より
「文科系」に色気を感じるわけです。

いや、それってきっと普通ですよ。
答えがはっきりしないからこそ、魅力があるっていうのは
色気だと思うんです。

人で言うと「ミステリアス」という部分ですね。

そんな色気の無いと思われていた「数字」の世界において
なんと色っぽい「0」!!
ミステリアス過ぎですってば!!
魅力的としか言いようがないと思いませんか?

いや、「色気」はなくても「数字」には宇宙があるから
それはそれでもう魅力的だったのですが
その上にこの「0」という色気!!

これは、価値観変わりますよ!!
本当に!!

今、「数学」はブームですし、興味はずっとあるんです。
ほら、あれですよ
レオナルド・ダ・ヴィンチ♪
ちょっと話題じゃない?
最近の彼の色んなテレビの特番で
かなりわたしは「数字」の世界の魅力に
ただでさえ惹き付けられていたのところに
畳み掛けるように、この「0」のお色気♪

いやー、「理数系男子」を見る目が変りました。
かなり色っぽい存在です。

だって「割ってはいけない」ですよ!

「そんなこと言わないで割らせてっ、ダーリン!」と
いう気持ちになりませんか?

「0」について、もっと研究しなければなりませんが
「0」とは「ない」のではなく
「0」が「ある」わけで
なのに、「ない」と言わしめる「0」の存在感、
でもって存在感なのに「ない」なんて!!

人として、「0」に学ぶことはたくさんあります。

自分の存在を押し付けず、
存在は「ない」とまでしながら
きっちり自分の仕事をこなし、
実は「割ってはいけない」という
強烈なポリシーを貫き続け、
それを世界にも認めさせている「0」!
かっこいいではないですか!?

世界の電卓すべてが(たぶん)
「ある数÷0=」の答えがアレなんですもの!!

Too muchなものの多い昨今
(いや、Too much感も大好きだけど)
「0」のようなイカしたヤツはそういませんぜ。
「さり気ないのに、骨がある」

そんな「0」のようなかっこいい人に
わたしはなりたい!!




はい、そういうことで、
読み終えたあなたはいま、
電卓を探していることと思います。
あるいは、すでに電卓で計算を終えたあと?
どちらにしろ、あなたは、電卓を求めてしまった‥‥。
それが「0」のミステリアスな力なのです。
そこに光を当てたフランソワーズさんは
さすがというほかありません。
ていうか、もっとすごいのは、
その中学校の先生なのかもしれませんけど。
さて、次回はなにをほめてくださるのでしょうか。

イラスト:さとうみどり

2006-06-13-TUE


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