ほめ道を往く。
「ほめられて伸びる派」のためのページ。

現在、ほぼ日刊イトイ新聞では、
Tシャツのナンバーワンを決める
「T-1ワールドカップ」を開催中ですが、
今回の「ほめ道」では、
あっさりと「社会で一番強い者」を
フランソワーズさんが決めてしまったようです。
それはいったいなにかというと‥‥。



第七十四回
をほめる。
〜社会で一番強いのはだーれ?〜

♪なんで〜こんなにぃ〜かわいい〜のか〜よ〜♪

あなたもわたしもどなたでも
きっと誰かの「孫」でしょう。

「孫」はすばらしい!
冷めかけた老夫婦に生きがいをくれるから。
「孫」はすばらしい!
受け継がれてゆくDNAの可能性を感じるから。
「孫」はすばらしい!
離れて暮らす親子を繋ぐ架け橋になるから。

太古の昔から、人は子を産み
子も子を産み
子の子も子を産み‥‥。

そうやってわたしたちは今、ここにいるのです!

人類の歩みを感じずにはいられません。
なんというロマンでしょう。
「孫」にロマンを感じるのはわたしだけはないはずです!

そんな「孫」の重要性とすばらしさを踏まえ
昨今の「孫」ブームですが、
わたしたちが小さな「孫」だったころでは
考えられない事態だと思いませんか?

さて、話はかわりますが。
わたしが社会人になって何年かしたころ
社会のシステムの中で悔しい思いをするたび
「あー、クライアント側になりたかったなー、
 だって強いもん」と
何度も感じたことがありました。

この「強い立場」ですが
よくよく考えてみれば
「クライアント」がもし「小売店」だとすれば
「小売店」は「お客様」に弱い
という構造ですよね。

じゃあ「お客様」が一番強いのかー、
と考えているうちに‥‥。

「ってそれわたしじゃん!!」

という結論になったのです。

誰だって絶対に「お客さん」ですからね!
「人類総お客さん」

そう思うと社会ってお買い物ごっこみたいです。
人はみないろんな立場を持っていて、
持ちつ持たれつなのね♪

そんな単純な結論で納得し
シンプルライフをエンジョイしていたわたし。

ですが、自分が子供を持ち
その価値観は脆くも崩れ去ったのです!!

「お客様」の中にも強いものがいることに気付いたの!

それはもちろん「孫」!!

「お客様」にはもちろん当然のごとく
貧富の差があるわけで
購買力にはかなりの個人差があるわけですが
そこはとりあえず置いといて。

「孫」は強い!!

だって、最近のおじいちゃん、おばあちゃんは
「孫」こそ命!
「孫」こそ全て!
「孫」こそ「僕の太陽」!!
なのですから、喜ぶ顔見たさに
おもちゃを買って買って買いまくり
ファミレスに行って行って行きまくり
アニメ映画を観て観て観まくり
「ムシキング」をやってやってやりまくるのです。

「孫がわたしたちのところに来たがって困るのよ」
などと目じりを下げて話すまだ若目のおばあちゃん、
あなたは目撃したことはないですか?
「今夜あなたは目撃者」(みのもんた)
になったことはありませんか?

例えば、あなたが苦手とする
いつもぶっちょう面のあの取引先のあの部長さんだって
「孫」の前じゃまるで別人です。

あなたがいくら頼んでも首を縦にふらないくせに
「孫」がひとこと「おじいちゃん、あれ買って」と
言えば、首は飛びそうなほど縦に振られます。

なんという衝撃でしょう!

もっと衝撃なのは
実の娘であるわたしより「孫」の味方だということです!!

「孫」にむかって
「お母さんに叱られたらおばあちゃんのとこにおいで」
なんて、言っちゃうんですよ、ほんとに‥‥。

そんなちょっぴり腹立たしい思いをしたことはないですか?

でも怒らないでください。
だってこの世で一番強いのは
「孫」なのですから。

ある意味「孫」は中高年層にとっては
ラジコンのコントローラーのようなものなのです。

「おじいちゃん、タバコ吸わないで」
と「孫」が言えば
これまでどんなにばあちゃんが忠告しても
やめなかったタバコも
「おまえが言うならしょうがないなー」と言うことになるし、

「おばあちゃんのお腹赤ちゃんがいるの?」
と「孫」が言えば
これまでどんなにじいちゃんが忠告しても
しなかったダイエットも
「あんたが言うから痩せなくちゃ」
となるのです。

いや、まじです。

また、このことにおもちゃ会社はとっくに気が付いており
今じゃおもちゃ屋さんのターゲットは
「おじいちゃん」「おばあちゃん」になりつつあります。

「孫と遊ぶおもちゃ」みたいなものまで
売り出されていますしね。

そのことに気付いていますか?
独身のみなさん!!

世の中、実はそんなことになってます。
ですから、営業成績が上がらないあなたには
「孫」作戦が有効だと思われます。

「部長さんのお孫さんに」と言い
あなたの会社のちょっとかわいいグッズを差し上げたり
「部長のお孫さんに」と言い
「魔法戦隊マジレンジャー」のふりかけをプレゼントしたり
「部長のお孫さんに」と言い
「ふたりはプリキュア」のふりかけを
プレゼントしてください。

「孫」と言う単語を会話のあちこちに織り交ぜるのが
有効と思われます。

もっと突っ込める勇気ある方は
「ぼく、実は部長の孫です」
なんてーのも、ありかも♪
これは、かなりのリスク覚悟でお願いします。

日本はもはや「孫王国」なのです。
「孫」は「まご」ですよ「そん」ではありません。
くれぐれもソフトバンクの「孫社長」とは
関係ありませんのでご注意ください。
ここ、間違うと命取りです。
だってあなたはサラリーマンなのですから
本当に‥‥気をつけてくださいよぉ。
頼みましたよぉ。
わたしもそこまで面倒見切れませんよぉ。
大丈夫?
え? また間違えたの?
しょうがないわね‥‥。
わかったわ、やっちゃったもんはしょうがないんだから
今日はふたりでカラオケにでも行って
「孫」でも歌って
嫌なこと全部わすれましょう♪

なんて、わたしが言うと思ったら大間違いですよ。

そんなわけで「孫」が現在人気NO.1ですので
みなさんも肝に命じて生きてくださいね♪




最初と最後は歌の「孫」でまとめました。
「孫」は社会で一番強い者であると同時に、
「孫」は名曲であるということでしょうか。
それにしても、
「あなたもわたしも
 きっと誰かの『孫』である」
というのは至言です。
まったくもって、そのとおりではありませんか!
あなたの目からウロコを根こそぎ奪い取る「ほめ道」、
次回はなにをほめてくださるのでしょうか?

イラスト:さとうみどり

2005-10-04-TUE


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