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ほぼ日刊イトイ新聞

2024-09-10

糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの今日のダーリン

・聞けば、かなり多くの会社で、
 「怒鳴る人」と「機嫌の悪い人」がいるらしい。
 だいたいは、いるらしい。
 「ほぼ日」にまったくいなかったかというと、
 そうでもないような気がするのだけれど、
 たぶん、いまのところそういう人はいないと思う。
 周囲の人たちの話でも、いないようだ。

 よくつきあってみたらいい人だったとか、
 ほとんどのときは怒鳴らないよね、とか、
 機嫌悪いわけじゃないけど顔が怖いんだよとか、
 かばうようなセリフはいっぱいあるよ。
 だけど、だめだよね、怒鳴るのとかは。
 機嫌が悪いってことを他人が感じているのも、
 機嫌の悪いようなふるまいをしてるからでしょう。
 ニコニコしなさいっていうわけにもいかないけど、
 ふつうにしてられないものかね。

 真剣にやってるから怒鳴るんだ、とか。
 一般的にはそういう解釈になるかもしれない。
 でも、おれはそうは思わない。
 ほんとに真剣にやってる場合には、
 怒鳴ることで周りに変な緊張感を与えるから、
 かえって悪影響がでる、って考えるよね。
 真剣で夢中だから、そんなの考えられないって? 
 そうかな、おれはそうは思わない、考えろよ。

 仕事場は洗浄だとか(おっと変換がちがう)戦場だとか、
 ことさらにたいした状況みたいに言うけれどさ。
 ちがうよ、戦場じゃないよ、洗浄でもないけど。
 ふつうに仕事をする場所を戦場だとか言うのって、
 ほんとの戦場にいる人が聞いたら怒るかもしれないぞ。

 「怒鳴る人」や「不機嫌な人」のおかげで、
 みんなの自由な発想だとか、ナイスな寄り道だとか、
 新人の「おれも言っていいっすか」みたいなことが、
 すっかりやりにくくなっちまうんだ。
 みんなが曲りなりにもじぶんの頭で考えることをしてたら、
 失敗もアホも出てくるに決まってるわけで。
 そういうのが出せなくなったら、稼ぎにもならないんだ。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
「ほぼ日」は、けっして楽園じゃないけど、怖くはないよ。


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