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ほぼ日刊イトイ新聞

2024-12-08

糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの今日のダーリン

・「人間五十年」というイメージを、
 おそらく織田信長の時代の人たちは持っていたのでしょう。
 人間は、ざっと50年くらい生きるものである、と。

 ぐっと現代に近づいて、「サザエさん」一家のお父さん、
 磯野波平さんは54歳らしいです。
 千円札に描かれている夏目漱石は42歳であるらしい。
 漱石は没年が49歳でした。
 大先生ではあったのですが、ずいぶん若かったんですね。
 たぶんだいたい、昭和生まれの人たちは、
 「人生だいたい70年ぐらいかなぁ」と
 思っていたんじゃないでしょうかね。
 で、いまの社会では、もう人生80年も通り越して、
 「人生90年弱くらい?」というイメージですよね。
 統計的な数字より、実社会での感覚でそのくらい。

 いろんな研究学問の世界では
 「人生100年時代」に備えようということが言われてます。
 100年生きるというのは夢物語じゃないぞ、と。
 みんなが100年生きるのが常識になっちゃうぞ、と。
 そうなのかもしれませんよ、医学の進歩とかすごいから。
 死ぬ原因になる病気や、それを防ぐ方法やら治す方法も、
 どんどん研究開発されていきますから。
 これ、このままがんばっていくと、
 「人生100年」さえ超えていっちゃうのでしょうかね。
 人間、最初は空を飛ぶだけですごいと思っていたのに、
 どんどん遠くに向かうようになりましたよね。
 地球を離れたロケットが成層圏を離れて月に行って、
 さらには火星だとかを目指しちゃうじゃないですか。
 あんなふうに、際限もなく伸ばしていくのかなぁ、寿命。
 やがてこの先には、「人生300年」とか? 
 …なんか、そういうこと、ぼくは望んでない気もします。
 「人生300年」時代がほんとになったら、
 お年寄りが「おれが90歳くらいの若いときには」とか、
 なつかしんだりするんでしょうかね。
 なーんかねー、生意気な言い方になっちゃうけど、
 生きるのに「飽きる」んじゃないでしょうか、300年て。
 「飽きさせないような研究も発達する」のかなぁ。
 「だいたい100年くらいで、いったんいいか?」って、
 そういう知恵も、必要な気がするんですよね…。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
どーんと寒くなる予報だけど、今日はみかん狩りの日なんだ。


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